台風21号 “陸の孤島”関空から海路で神戸へ 安堵と憤り…利用客らの声

 台風21号による浸水被害などの影響で約5千人が孤立した関西国際空港で5日早朝、利用客を神戸空港(神戸市中央区)に輸送する高速船の臨時運航が始まった。表情に疲れがにじんだ利用客からは安堵(あんど)の声がこぼれた一方、「関空から十分な説明がなく困った」と憤りの声も聞かれた。

 この日、午前6時50分ごろ、関空と神戸空港を片道30分で結ぶ高速船「神戸-関空ベイ・シャトル」(定員110人)の第1便が神戸空港に到着すると、「災害救助船」として無料で運航された高速船から、キャリーケースを持った利用客らが続々下りた。関西エアポートなどによると、高速船は15~20分間隔で終日運航し、利用客をピストン輸送する。

 夏休みでシンガポールに旅行する予定だったという奈良県橿原市の会社員、森田佳世子さん(27)は「旅行に行けず悲しいが無事に帰れてよかった」と笑顔で話した。停電が起きた関空では、携帯電話やインターネットが使えず、利用者の間では、家族と連絡が取れなくなったり、被害状況を把握できなかったりしたことで不安が広がったという。

 大阪市東淀川区の飲食店経営、北村清隆さん(42)は「ネットから情報を得られずに苦労した。高速船の運航状況やタンカーの衝突事故についても、アナウンスもなく、紙一枚の案内が張り出されているだけで、先行きが見えずストレスがたまった」と憤っていた。

 飲食物や寝床の確保にも頭を悩まされた利用客らが相次いだ。関空では昨夕から空調が効かず、多くの場所で携帯電話の電波が不通に。毛布などの物資は足りず、新聞を敷いて床に寝る人もいたという。

 兵庫県明石市の主婦、栗木典子さん(58)は「空港の電気が止まったことで、蒸し暑くなっていて我慢の限界だった。空港直結のビルに移ったが、大勢の利用客がいて寝付けなかった」とこぼす。同県尼崎市の大学1年、中村麻梨奈さん(18)も「コンビニで食料を買うにも1時間以上は並ぶ状況。待ち時間が長かったせいか、いらいらしている利用客が多く、警備員に怒鳴ったり、けんかしたりする人がいた」と話した。

 国際定期便が就航する関空では、訪日外国人客も多く取り残され、フランス人留学生のパトリック・フィネクツさん(22)は「日本語がしゃべれない外国人客は不安そうだった。改めて、自然災害の恐ろしさを感じました」と語った。

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