チープ・トリックが35年ぶりに語るニッポンのロック原風景

 1978年に初来日を果たした米国のロック・バンド「チープ・トリック」。当時、空港、ホテルには熱狂的なファンが殺到し、大フィーバーを巻き起こした。来日公演を収録したライブ・アルバム『at武道館』は世界的な大ヒットに。再び、来日した彼らが語る35年前のニッポンとは?

*  *  *
――初来日のときを覚えていますか?

ロビン・ザンダー:羽田空港に到着すると、展望台に数千人がいて、みんなプラカードを手に持っているんだ。(どこかの王様でも来るのか?)と思っていたら、僕らのために集まったと分かり、驚いたのなんの。

リック・ニールセン:車で空港を出たら、後ろを十数台のタクシーが追いかけてきた。子どもみたいに幼い女の子たちが、タクシーの窓から上半身を乗り出して、僕らの名前を叫んでるんだよ。

トム・ピーターソン:駅ではファンに押され、関係ないお客さんが、乗るはずじゃなかった新幹線に押し込められたりさ。

――圧倒されますね。

ロビン:ラジオ局の前にもファンが大勢いてね。警備員が彼女たちを叩いたりするのを見て胸が痛んだけど、中に僕の髪の毛を切ろうとハサミを手に突進してきた女の子がいたんだ。慌てて避けたらハサミが首に刺さって、怪我したんだよ。

――ファンと話したりはしましたか?

いや。でも僕らを模した手作りの人形や、千羽鶴をたくさんもらった。

リック:新聞紙で作った千羽鶴があって、今も78年のニュースが読めるよ。

――ホテルで缶詰めになっていたと聞きました。

トム:レストランにも行かせてもらえず、泊まってるフロアからも動けない。

ロビン:その後ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルの会長になる野中規雄と、ソニー創業者、盛田昭夫の息子のジョー盛田が代わりに僕らの使いっぱしりをしてたね。

――その頃、本国アメリカであなたたちを取り巻く状況はどんなでしたか?

トム:「お前ら、やめろ!」と野次が飛んでた。

――それが日本では、いきなり武道館公演でした。

ロビン:あれだけの人の前でやるのは正直ビビったさ。でも前座バンドから抜け出せるならウエルカムだった。

――ライブ・アルバム『at武道館』が世界中で大ヒットして、スターになりました。ジャケット写真は長谷部宏さんの撮影ですね。

リック:コー・ハセべは大好きだ。コーを呼べ!

ロビン:レコード会社から「日本だけの発売だから気にするな」って言われて出したら、世界中に知れ渡った(笑)。でも、あれに敵うものはない。あのときの期待に応えようと、ずっと頑張ってきた気がする。

――ロビンは武道館で白の上下、王子様ルックですね。あれは意識的でしたか?

ロビン:よく言われるけど、たまたまなんだよね。ただ、王子様イメージみたいのを言われるようになってから、よし、それでやってやろう、と思った(笑)。

――月日が流れて……。

リック:休むわけにゃいかない。オレたちは永遠のワーキング・バンドなんだ。

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