人気がありすぎて夏に花火大会できない…逗子海岸花火大会で時期変更検討も/神奈川

夏の風物詩でなくなってしまうかも―。今夏も大盛況で幕を閉じた逗子海岸花火大会の関係者が今、悩んでいる。浸食で狭まる砂浜に市の人口の倍もの見物客が訪れ、安全確保が難しくなっているためだ。交通規制を実施する逗子署からも開催時期の見直しを求められており、主催する逗子市と市観光協会は具体的な検討に入った。市の担当者は「人気がありすぎて夏にできないなんて…」と皮肉な成り行きにため息を漏らす。

 逗子海岸花火大会は今年で53回目を迎えた同市最大の「夏の風物詩」。逗子海岸の沖合から約7千発を打ち上げ、今年は昨年に続いて約12万人が訪れた。その数は、市の人口約5万8千人の2倍を超える。

 見物客のお目当ては、主催者が「日本最大級」と自負する約10分間に5千発以上の花火を打ち上げるグランドフィナーレだ。特に若者から人気があり、今年は開始2時間半前に砂浜の約8割が埋まったという。

 市によると、記録が残る1973年以降は7月下旬に開催してきたが、打ち上げ数を2千発から3千発に増やした2004年を境に見物客がうなぎ上り。総延長約800メートルの砂浜の収容人数が限界に近いとして、昨年から海水浴客が減少する8月下旬にずらした。

 しかし、見物客はほぼ横ばい。今年は大潮の満潮とも重なり、浸食の進んだ砂浜がさらに狭まった。市は砂浜への入場を早めに制限し、近くの県営駐車場や浄水管理場に誘導したが、開始後間もなく満員に。警備員の制止を振り切ろうとする見物客もいたという。

 「猛暑の影響もあり、時期をずらしても効果なし。海水浴客がそのまま残り、砂浜に人があふれた。誤算の連続だった…」と市の担当者。人出を抑えようと雑誌などへの情報提供を断ったが、押し寄せる人の波までは抑えきれなかった。

 関係者に共通しているのは、雑踏警備への不安だ。01年には、兵庫県明石市の花火大会で11人が死亡する歩道橋事故が発生。逗子署は「見物客を収容するスペースがほぼなくなり、いつ事故が起きても不思議ではない」と警鐘を鳴らす。

 関係団体の合同反省会では「大きなトラブルはなく、おおむね成功だった」と総括した一方で「観客のけがや事故、スタッフも身の危険を感じる場面があった」との意見も出された。

 “決断”を迫られた格好の市と市観光協会は「見物客の安全が最優先」として開催時期の見直しが必要と判断。海の家が砂浜に並ぶ7、8月は収容人数が限られるため、海水浴期間をはずした時期に開催する方向で調整することにした。

 開催時期は来年度予算を計上する年度内をめどに、具体的な方向性を出したいという。市の担当者は「本当は夏にやりたい。人気がありすぎてできなくなるなんて皮肉な話だ」と表情を曇らせた。
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