安全最優先、毅然と対応 ~中国電力 上関原子力建設

21日に上関原子力発電所の準備工事を本格的に開始した中国電力。同社最大の経営課題である上関建設に向けて、約1年3カ月ぶりに動き出したものの、依然として反対派の抗議・妨害行為が海域、陸域で続く。その行動がエスカレートするなか、挑発や罵声(ばせい)を浴びながらも、安全に気を配り、毅然(きぜん)とした態度で作業を進める中国電力。様々な思いが交錯する建設予定地、山口県上関町田ノ浦の準備工事の状況を取材した。

人口約3600人の上関町。最寄りの柳井駅から車で約20分の所に中国電力の上関原子力発電所準備事務所がある。そこから車で30分ほど進むと険しい山道に入る。車1台すれ違うのがやっとの道幅。路肩には全国各地のナンバープレートの車が止まっている。これを越えると急斜面の山に囲まれた建設予定地の田ノ浦が見えてくる。

● 響きわたる怒号

「危険ですから工事の妨害をやめてください」「帰れ!帰れ!」--。安全に作業を進めるため懸命に訴える中国電力作業員の声をかき消すように、反対派の怒号が響きわたる。中断していた準備工事を再開した21日には、警備員200人を含む約600人と作業船14隻を動員。以降もほぼ同規模で作業を継続している。

陸域での準備工事には、警備員200人を含む約400人を動員。午前2時半に現地入りし、作業員は真冬の寒さに耐えながら夜明けを待った。これに対し、約100人の反対派が立ち入り禁止の田ノ浦に集結。中国電力が設置しようとしている安全柵にしがみつく、簡易フェンスに突撃するなど、度を超えた妨害行為が断続的に続いた。そうした行為を受けながらも、作業員は安全第一で作業を進めた。

田ノ浦から直線距離で約4キロのところにある祝島では、漁業関係者の多くが建設に反対しており、県外から来た反対派とともに、海岸で座り込みを続けた。



敷地内に設置された横断幕を撤去する作業員
21日に準備工事の妨害禁止仮処分命令が決定したことを受け、中国電力は「海岸への立ち入り・滞在、土のうやテントなどの設置は妨害行為で違法」と告知する看板を設置。また、「重要なお知らせ」として、周辺海域の航行妨害禁止仮処分の申立てについて書かれたチラシも配布した。しかし、反対派は「脅すつもりか」と内容を読むこともなく受け取りを拒否。受け取っても、すぐにたき火の中に入れて燃やす人の姿もあった。

建設予定地敷地内に反対派が設置した横断幕や海岸のテントを撤去する際も、「作業を進めるため撤去させてください。所有者は名乗り出てください」との作業員の呼びかけに対し、「窃盗だ。所有者はいない。みんなのテントだ」と全く答えることなく、現場は騒然とした。

海域での準備工事を取材するため、船で取水口予定地、放水口予定地の付近を見た。

● 反対派の船20隻



作業を妨害するシーカヤック
海域の準備工事は、海上保安庁、推進派の地元漁協者とともに進めているが、建設予定地の田ノ浦前方海域では約20隻の反対派の船が待機し、作業船を妨害。もやいを取られ出航できない作業船もあった。さらに、作業区域内ではシーカヤックが作業船の行く手を阻む。田ノ浦湾内に汚濁防止膜を張る作業では、牽引ロープの間に体を差し入れた。船上から作業員が「危ないです。作業船から離れてください」と懸命に呼びかけても、違法な妨害行為はエスカレートする一方だ。

田ノ浦から離れた準備事務所では、連日会議が続いている。電話対応や情報確認に追われる人たち、食糧補給の手配をする人たちが、陰の支え役となり現場を支援し続けている。

こうした状況が続く中、停滞していた準備工事は、少しずつではあるが動き始めている。取水口予定地付近では灯浮標の取り替えが完了。放水口では海底の基盤を整備するための岩石投入など、これまで止まっていた施工区域内での工事が進む。

事態打開に向け必死に汗を流す中国電力社員や現場作業員。「ずっと現場の作業が止まっていた。作業区域内に台船が入ったときには感動した」と話す社員も。そして、建設推進派が約7割を占める上関町には、原子力発電所の完成を心待ちにする多くの住民がいる。

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