渋谷雑踏、4万人から絞り込み…警視庁、約250台の防カメ収集

 ハロウィーン客でにぎわう東京・渋谷で、一部の若者らが“暴徒化”して軽トラックが横転させられた事件で、警視庁捜査1課は5日、暴力行為等処罰法違反(集団的器物損壊)容疑で、東京や神奈川、山梨に住む20代の男4人を逮捕した。群衆の中から容疑者を浮かび上がらせたのは、現場周辺に設置された防犯カメラや、通行人が撮影していた動画だった。外国人観光客らで混雑が予想される東京五輪・パラリンピックを見据え、警視庁は雑踏警備の態勢充実に加え、こうした「街頭の目」を活用した速やかな摘発が、テロや犯罪の抑止につながるとしている。

 警視庁は東京大会などを見据えて繁華街など雑踏での事件の摘発を進めるため、各署から交代で捜査1課に人を呼び寄せるなどして「初動」捜査の態勢を強化。今回、殺人事件を担当する捜査員も投入し、約40人態勢で捜査に臨んだ。

 同庁によると、事件前日に渋谷では4万人超の人出があり、日付が変わった直後の事件が起きた時間帯にも、相当の人数がいたとみられる。この中から関与した人間を絞り込むため、現場周辺に設置された約20台を含め、計約250台の防犯カメラの画像をかき集めた。

 さらに、スマートフォンなどのカメラで事件の様子を撮影していた通行人にも協力を求め、これらの画像を精査。約2週間後には15人を特定し、任意で事情を聞くなどして慎重に捜査を進め、悪質だった4人の逮捕に踏み切った。

 渋谷は東京大会の期間中でも相当の人出が予想され、捜査幹部は「今回の事件を摘発することが類似事件を防ぐ抑止力につながると考え、捜査に臨んだ」と振り返る。

 渋谷駅周辺では、31日には年越しイベントが開催されて多くの人が集まることが想定される。昨年の来訪者は約10万人(イベント主催者発表)で、今年は平成最後の年越しとなるため、さらなる人出になる可能性もある。

 警視庁は当日は転倒などのトラブルを防ぐために数百人規模の機動隊を派遣。今回の事件があったセンター街や、同駅前のスクランブル交差点など周辺を車両通行止めにし、車両の突入を防ぐためのパイプ柵や複数台の車両を配置する方針。同庁幹部は「ハロウィーンと同様、騒ぐ人も多いだろう。トラブルがないよう万全を尽くしたい」と話す。

 警視庁が今回適用した暴力行為等処罰法は、集団による暴行や脅迫、器物損壊などを厳しく取り締まる法律とされる。刑事事件に詳しい弁護士は「一般的に、裁判所の量刑も刑法より重くなる傾向にある」と指摘する。

 法定刑は刑法の器物損壊罪が「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料(かりょう)」の一方、暴力行為等処罰法(集団的器物損壊)は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」。警視庁は無秩序に過熱した男らの行動を重くみており、罰金よりも軽い財産刑の「科料」で済むことがない同法を適用した。

 同法は集団を対象としていることから、過激派による公安事件や暴力団がからむ事件の取り締まりに用いられてきたが、近年では中学校での悪質ないじめなどでも適用が目立っている。

 有原大介弁護士は「お祭り騒ぎであっても、軽はずみに犯罪行為に加担すれば厳しく処罰される可能性がある。世間への警告になった」と話している。

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