大阪万博警備、IRも見据え 「大阪湾岸署」案も

 大阪開催が決まった2025年国際博覧会(万博)で、課題として浮上しているのが、会場となる大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)をはじめとした警備問題だ。現在、夢洲には交番もなく、施設整備などのハード面を含めたさまざまな対策は必至。大阪府市は同じ夢洲にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致も進めており、大阪府警はこうした動きも踏まえつつ、具体策を検討していくことになる。(野々山暢)

 ■管轄はUSJ前交番

 夢洲は同じ人工島の「舞洲(まいしま)」と「咲洲(さきしま)」との間にある。府警によると、夢洲と舞洲は此花署が、咲洲は住之江署が管轄。このうち、住民がおらず、コンテナターミナルやコンビニエンスストアが1軒あるのみの夢洲に交番はなく、大阪湾を挟んだユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)前にある交番が夢洲と舞洲を併せて担当している。

 この交番に勤務する署員は1日原則4人。「現在の態勢では万博への対応はとてもできない」(府警幹部)のが現状だ。

 ■「湾岸署」構想も

 対応が求められるのは開催期間が185日間限定の万博だけではない。IR誘致が実現すれば、日常的に巨額が飛び交うカジノへの対策も必要だ。国内外から夢洲への人の出入りも激増することになる。

 しかし、現在、大阪湾の水上警備を担っている大阪水上署(大阪市港区)は庁舎の建築が昭和39年と老朽化が進んでいる。人工島を含めた大阪湾の重要性が増大する中、大きな不安を抱えた状態だ。

 警視庁では、臨海地区の開発によって人口や事故が増加したことを受け、平成20年に臨海地区の一部を管轄していた東京水上署を廃止し、臨海地区を一括して管轄する「東京湾岸署」を新設した。

 こうした例も踏まえて、大阪水上署の建て替えに伴い、「大阪湾岸署」として署の規模を拡大することも一案として浮上しそうだ。

 ■サイバー攻撃も課題

 過去に日本で行われた2度の大規模万博では、当時の社会情勢を踏まえた対策が取られてきた。

 1970(昭和45)年の大阪万博は、安保条約の改定と同時期に開催。府警によると、安保条約改定に反対する団体が「万博は安保問題から国民の目をそらす」として開催反対のデモを会場周辺などで起こしたため、府警はその対応に追われた。

 2001年の米中枢同時テロや03年のイラク戦争の後に行われた05(平成17)年の愛知万博で主要課題となったのはテロ対策。会場内には暗視カメラや赤外線センサーが設置され、不審者対策に力が注がれた。

 3度目の大規模万博となる次の大阪万博では、サイバー攻撃への対策が急務となりそうだ。

 国内では、来年6月に大阪市で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議やラグビーワールドカップ、東京五輪・パラリンピックと国際的に注目されるイベントが続く。サイバー攻撃に詳しい神戸大大学院の森井昌克教授は「大規模な国際イベントが続く国は、攻撃側にとっても存在を強くアピールするチャンスとなり、標的となりやすい」と指摘する。

 次の大阪万博は拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を駆使し、バーチャルで「80億人が参加する万博」を目指している。森井教授は「世界のどこからでも参加できるということは、どこからでもサイバー攻撃の突破口となる恐れがある。国内はもちろん、国際間でも協調してサイバー攻撃への備えを進める必要がある」としている。

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