イングランドで感じたラグビーの「HOME」

ラグビー日本代表が11月17日、聖地トゥイッケナム競技場でイングランド代表と対戦した。イングランド発祥のスポーツで収容8万人超を誇る専用競技場。前日練習で初めて訪れると、「WELCOME TO THE HOME OF RUGBY」の看板に出迎えられた。堂々と「HOME」と銘打つプライドの高さに驚いた。

 試合当日、納得した。満員の観客、警備員までイングランド代表が試合前に歌う「God Save the Queen」を熱唱。会場中から「ここは自分たちの場所なんだ」という雰囲気が伝わってきた。ハーフタイムにプレスルームへ戻るエレベーターの前で、ボランティアにスコアを聞かれた。15―10で日本が勝っている、と教えると「そうか、15年W杯の南ア戦みたいだな。あの時もここにいてさ、速報で結果を知った時は叫んだよ」と楽しそうに話してくれた。「同じようなことが起きるかもよ?」と返すと真顔で首を振られた。日本の力は認めているが、イングランドが負けるわけないだろう、と言わんばかりだった。

 プライドと同時に、マナーも浸透していた。キッカーが構えると「Respect the kicker(キッカーに敬意を)」の文字と共に「シーッ」とたしなめる声が響く。「静かにしてください」なんて直接的な言葉がなくても、どうすべきか皆が分かっているし、知らなければ周りに教えるもの。テニスのウィンブルドン選手権でも同じような光景を見たことを思い出した。

 「HOME」なのは発祥の国だけが理由ではない。ラグビーを楽しむ文化が根付き、引き継がれていくからこそ、なのだろう。試合後、3時間以上経って帰りの電車に乗ると、すっかり酔った客に「日本はよくやったよ。来年のW杯が楽しみだ」と声を掛けられた。言葉の端から“上から目線”を感じたが、もう驚くこともカチンとくることもなかった。「ありがとう。来年、日本へ見に来てください」。日本代表の実力が認められていることを、素直に受け取った。

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