「花を届ける宿命」 なくなりかけた花畑を住民が守る  静岡・松崎町

春に向けて伊豆半島の小さな町で、住民たちが奮闘しています。

静岡県松崎町に春を告げる広大な花畑。
これまで町が花畑の事業の続けていましたが、経済効果が期待できないとして取りやめを決めると、住民たちが立ち上がりました。

実りの秋。松崎町には田園風景が広がっています。

稲刈りが行われている広大な田んぼは、春になると・・・松崎町の春の名所ともなっている大規模な花畑にかわります。

毎年多くの観光客が訪れ、夢のような花畑の世界を楽しんでいます。
しかし・・・。

観光客 「さびしい」「ショック もうやらないんですか?」

2001年から18年間続けられてきた花畑ですが、町は経済効果が期待できないとして、花畑事業を今年で打ち切ることを決定しました。


沢山の人が楽しみにしてきた花畑。観光協会と住民は「花畑実行委員会」を立ち上げ、自分たちで継続させようと動き始めます。

花畑実行委員会 端山智充 委員長 「正直、まさか!ですよね。 『松崎の花畑はすごく良いよ』と言われてきた中で、そのお客さんの声に応えたかったので、感慨深いものがありました」

実行委員長を務める端山さんたちは、町民一人一人に花畑に思いを持ってもらう、愛着を感じてもらうために、町民参加型のイベント「種を蒔く人プロジェクト」を計画。時間を見つけては実行委委員で集まり、意見を交わします。

ある委員 「花を綺麗に咲かせるためには、それだけの事はやらないといけない。それが実際どこまで出来るか、がんばります」

別の委員 「みなさんにちゃんとお花を届けるというのが宿命なので、一生懸命がんばっていきたいと思います」

しかし、これまで町が行ってきた事業を同じように民間で行う事は簡単ではありません。
これまでは町がシルバー人材センターに委託し、10月、11月に種まきを行ってきました。その広さは約6万2000平方メートルにものぼります。

種を買う資金は?田んぼの借り受けは?耕耘作業は?
考えなければならないことは尽きません。

委員長の端山さんは田んぼに足を運びました。
「きょうは今回花畑をやらせていただく耕作者の方にご挨拶と、許可をいただきに行きます。やらなければいけない所は、しっかりやります」

それぞれ田んぼの地権者、耕作者も違うため許可をもらうのも大変ですが、端山さんたちの町を思う気持ちを聞くとみんな協力してくれました。

耕作者の一人 「今までずっとやっていたのに止めると・・・松崎町は観光で生きていくんだけど、観光客が少ないんだよね。やっぱり町に任せるんじゃなくて住民もいろいろとやっていかないと」

ボランティアでやらなければならないため、花畑の面積は今年の3分の1に縮小しますが、無事予定した田んぼは借り受けられ、種を買う資金約○万円もクラウドファンディングで協力してもらう事が出来ました。

種も届き、耕作も終了。あとは一番大事な種まきですが、果たしてボランティアの人たちは集まってくれるのでしょうか。

晴天に恵まれた種まき当日。

ボランティアとしてきた女性 「経費もかかるし、それならボランティアでみんなで手伝えばいいかなと思って来ました」

ボランティアの男性 「ぜひ続けてほしいと思って、少しでも力になれればなと思いました」

会場には続々と協力してくれるボランティアが集まってきます。

端山さんが挨拶に立ちます。
「種をまく人も、種の事を考えて花の事を考えて気を使って種をまいていこうというのが一番の目的かと思いますので、みなさんご協力よろしくお願い致します。きょうは楽しんでやって下さい」

“種を蒔く人プロジェクト”がスタート。
約2万平方メートルの田んぼに広がり、皆横一列になって丁寧に種をまいていきます。

4月からこの日のために準備を進めてきた端山さんたち実行委員。
集まってくれた100人以上のボランティアが、思いを一つにして種をまいてくれている姿に、感慨深げでした。

端山さん 「ここが花でいっぱいになったら、みなさん見に来てくれるんじゃないかなと思っています。何より町の人が協力して種をまいてくれるのが、すごく嬉しいですね」

駐車場の整備や警備員の確保など、来年に向けてまだまだやらなければならない事は山積みです。
それでも来年の春、この田んぼが沢山の花と人で埋め尽くされると信じて、端山さんたちの活動は続きます。

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