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zoom RSS 富田林逃走犯が高知県警の職務質問すらくぐり抜けられた理由

<<   作成日時 : 2018/10/10 09:01   >>

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大阪府警富田林署から逃走していた樋田淳也容疑者(30)=加重逃走容疑で逮捕=が9月29日、ようやく身柄を確保された。逮捕から10日が経過し、盗んだ自転車で49日間・1000キロ超に及んだ足取りが明らかになってきた。高知県警の警察官に職務質問されたり、愛媛県庁を2度も訪れたり、自転車旅行中の男(44)と行動を共にしたり、住民から食事の提供を受けたり…。各地で撮影などにも嫌がるそぶりを見せず堂々と応じており、逃亡者が日常に溶け込んでしまうと意外に気付かれにくいことが浮き彫りになった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

● 「日本一周中」掲げ自転車旅行

 樋田容疑者は8月12日午後8時ごろ、富田林署の接見室で弁護士と面会後、アクリル製の隔離板を蹴破って逃走。その後、赤い自転車に乗る似た男が防犯カメラに写り、さらに黒い原付バイクが盗まれた。

 13日になって府警は指名手配したが、14日にかけて黒いバイクに乗った人物によるひったくり事件が相次いで発生。顔写真のほか、動画や8パターンの似顔絵、左ふくらはぎにあるウサギの入れ墨などの情報を公開したが、ひったくりは14日以降ピタリとやみ、動きは途絶えてしまった。

 全国紙社会部デスクによると、その後、樋田容疑者は大阪市羽曳野市で盗まれた白いスポーツタイプの自転車で“旅”に出る。

 数日後、明石海峡大橋を渡って淡路島に移動し、島内を一周。逃走11日目の23日、広島県尾道市から離島を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」を通って四国入りした。複数の防犯カメラに、自転車で四国方面に向かう樋田容疑者の姿が記録されていた。

 24日には愛媛県庁の自転車新文化推進課を訪問。「お薦めのルートはありますか」と尋ねて地図をもらい、さらに職員に要請して「日本一周中」と印刷したプレートを作ってもらっていた。同日、道の駅「風早の郷 風和里(かざはやのさと ふわり)」に立ち寄り、さらに自転車ショップでは「仕事を辞めて日本一周している。淡路島を一周し、これから四国を一周する」と話し、多くの荷物が積めるよう荷台設置を依頼したという。

● 菅笠でお遍路さん偽装

 25日には香川県観音寺市の道の駅「とよはま」で、自転車旅行中の男(占有離脱物横領容疑で逮捕)に出会い、行動を共にするように。翌26日には香川県三豊市にある四国八十八ヵ所(巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれる)の七十一番札所「弥谷寺」で、お遍路さんの世話をしている男性が飲み物を渡すと、2人は「和歌山出身で一緒に巡礼しています」と話し、写真撮影にも応じたという。

 28日にはいったん男と別れ、単独行動になる。

 30日には高知県田野町の道の駅「田野駅屋」で男性に、樋田容疑者は「お遍路さんが泊めてもらう寺に泊めてもらっている」。それらしいサイクルジャージを着用し、自転車に「日本一周中」のプレート、荷台には菅笠(すげがさ)が積まれていた。ここでも動画撮影を嫌がる様子もなく、笑顔さえ見せていた。

 さらに同日夜、同県須崎市の道の駅「かわうその里すさき」のトイレで洗濯をしていて、警察官2人に職務質問されたが、偽名を使って切り抜けた。警察官は自転車の防犯登録の照会をせず、樋田容疑者と気付くこともなかった。

 9月2日には再び愛媛県庁を訪れ、職員に「きれいな場所が多かった」「旅先でもてなしを受けた」などと謝意を伝え、自転車ショップでは「九州を目指す」と話したという。

 3日、広島県三原市の道の駅「みはら神明の里」で男と再び合流。10日に同県呉市の大和ミュージアム、11日には山口県岩国市の錦帯橋など観光地で野宿をする姿が確認されている。

 18〜26日には山口県周防大島町の道の駅「サザンセトとうわ」でテントを張り、9日間を過ごした。支配人には食事をごちそうしてもらうなど交流を深め、置き手紙には「櫻井潤弥」の偽名で「みなさまの優しさに居心地が良く、日本一周の旅が停滞してしまいました。最高の思い出ができました(原文まま)」などの置き手紙を残していた。

 27〜28日には同県上関街の道の駅「上関海峡」で過ごし、29日に同県周南市の道の駅「ソレーネ周南」で食料品を万引しようとして警備員に現行犯逮捕され、逃避行は幕を閉じた。

● 日焼け、丸刈り、無精ヒゲ

 当初、目や口元など特徴的な顔立ちのため、逮捕は時間の問題とみられていた。しかし、こそこそとした隠密行動ではなく、堂々と素顔をさらして自転車旅行を満喫。その間に公開されていた色白の顔は日焼けして無精ヒゲを伸ばし、ぼさぼさだった髪の毛は丸刈りにしていた。

 公開されていた等身大パネルの猫背でさえない表情、ジャージ姿と違い、テレビで繰り返しオンエアされる動画は明るい笑顔で、お洒落なサイクルジャージを着用した雰囲気は全く別人のようだった。

 結果的に49日間で会話した相手は誰一人として、樋田容疑者と気付かなかった。逮捕時でさえ身分証明書などを所持していなかったため、指紋や入れ墨などの照会で本人と確認されたぐらいだった。

 まず、一般の方々には「なぜ高知県警の警察官は自転車の防犯登録の照会をしなかったのか」が疑問だろう。テレビや新聞の報道では「怠慢」との指摘もあるが、実は他の都道府県で防犯登録された自転車の照会は、当該の都道府県警察本部に要請する必要がある。つまり「手間が掛かる」のだ。犯罪行為が明らかであれば話は別だが、緊急性がなければ「お疲れさま。気を付けてね」でバイバイが普通だ。

 ましてや夏休み期間中で、見た目は完全なサイクリング旅行者。しかも、愛媛県庁発行のプレートまで所持している。これで「疑え」と言うのはなかなか酷な話なのだ。

 もっと顔をよく確認して気付いていれば県警本部長賞で、次の昇進試験では確実に合格し階級がアップしていただろうから、一番悔しいのはこの警察官2人に違いない。それが内外で「間抜け」呼ばわりされて、少し気の毒ともいえる。

 ほかにも愛媛県庁職員らもスルーしていたが、もともと四国はお遍路さんを歓待する文化がある。よそ者である旅行者に警戒感が薄い土地柄なのだ。笑顔で明るくアプローチしてくる樋田容疑者に親切に対応していたのは、何ら不思議ではないのだ。

● 完全に裏をかかれた捜査網

 実は、大阪府警は逃走から約1ヵ月半、一貫して府内に潜伏しているとの見立てで捜索を継続していた。

 というのは、捜査関係者によると、樋田容疑者は高校時代にグレて不良グループに所属していたが、本来は「ひ弱な根性なし」。当然、山中などに潜んでサバイバルできる生命力や精神力はないとみて、実家や知人宅を中心に24時間態勢で張り込んでいたほか、府内の空き家などを調べていたという。

 加えて「誰かと一緒に行動していないと不安になるタイプ」(捜査関係者)で、遠くへ単独で逃亡している可能性は薄いと踏んでいた。しかし、まさか相棒を作って寂しさを紛らわせ、その上で2人旅の偽装に利用していたとは「想像もしなかった」(同)と肩を落とした。

 結局、利用された“相棒”の自転車も、和歌山県内で放置された盗難自転車だったことが判明し、逮捕される憂き目に。樋田容疑者は「先輩」と呼んで慕っていたというが、男は「勝手についてきて、うっとうしかった」と話しているという。

 逮捕時、樋田容疑者は280円しか現金を所持していなかったが、大量の生活必需品を自転車に積んでおり、府警はこれらを盗みながら逃走していたとみている。樋田容疑者が黙秘しているため、加重逃亡容疑の裏付け捜査で「先輩」から逃走経路などを聴取しているが、とばっちりでいい迷惑に違いない。

 テレビの全国ニュースやネットで繰り返し取り上げられていた逃走劇。

 それでも誰一人気付かれることなく、樋田容疑者は悠々とサイクリングを楽しんでいた。逃走後は大阪府内で繰り返したひったくり以外、大きな事件を起こしていなかったが、凶悪な性犯罪などで起訴されている被告だ。推定無罪の原則はあるので「性犯罪者」とは断定できないが、人気のない場所で再び女性が襲われていた危険性もあったのだ。

 現在、警察庁指定重要指名手配11人を含め、指名手配や公開捜査されている容疑者のほとんどは死亡したか、市中を彷徨(さまよ)っているとされる。今回、樋田容疑者と接触した人たちは一様に「こんな身近な場所にいたなんて」と驚いていた。

 意外に重要手配犯ら容疑者も「潜伏」ではなく、日常に紛れて堂々と普通の生活を送っているのかもしれない。

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