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zoom RSS 警察官が交番で襲われる事件頻発、有効な手立てはないのか

<<   作成日時 : 2018/10/03 22:23   >>

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仙台市宮城野区の交番で9月19日未明、当直(夜勤)だった巡査長が大学生の男に刃物で襲撃され、殺害される事件が発生した。事件から10日が経過し、当時の状況や背景が少しずつ明らかになってきた。交番を巡っては警察官が襲われる事件が相次ぎ、6月にも富山市で交番所長が殺害されたばかり。いくら訓練を積んだ警察官でも、至近距離でいきなり襲われたら対処は困難だ。警察官の生命と地域の安全を守るため、再発防止に向けた有効な対策が急がれる。

● 拳銃強奪狙った計画的犯行か

 「現金を拾った」。仙台市宮城野区の仙台東署東仙台交番に19日午前4時過ぎ、東北学院大3年、相沢悠太容疑者(21)が訪れた。交番には4人がおり、2人が仮眠中だったため、清野裕彰巡査長(33)と同僚の巡査部長が対応した。拾得物は通常1人で手続きするため、巡査部長は奥の部屋に移動。その後、言い争うような声を聞きつけ戻ったところ、2人が倒れていた。

 直後、相沢容疑者が突然起き上がる。包丁とモデルガンを持って襲い掛かろうとしたため、巡査部長が拳銃を構えて「刃物を捨てろ」と警告。それでも向かってきたため1発を発射し、それでも怯む気配がなかったためさらに2発を発射した。数分後に機動捜査隊が到着し、2人はいずれも意識がない状態だったという。

 相沢容疑者は3発とも被弾し、左肺損傷による失血死。清野巡査長の致命傷は心臓に達した左脇腹からの刺創で、死因は失血死だった。

 相沢容疑者は凶器となった包丁のほか、ナイフ2本とエアガン、工具を所持。清野巡査長の顔は赤く腫れ上がり、床にプラスチック製BB弾数十発が散乱していたことから、相沢容疑者はエアガンと包丁で清野巡査長を背後から襲い、包丁で頭や腹、背中など数ヵ所を執拗(しつよう)に刺したとみられる。

 相沢容疑者は物静かな性格で、ふだんは問題となるような行動はみられなかった。交番や警察官とのトラブルなども確認されておらず、動機を記したメモなども残されていない。

ただ、相沢容疑者の自宅の家宅捜索でエアガン数丁が見つかっており、全国紙記者によると、宮城県警の捜査幹部は「拳銃強奪が目的で、綿密に計画した犯行」との見方をしているという。

 現場はJR仙台駅から北東に約3キロ、東仙台駅から北西に約200mの一軒家が多く立ち並ぶ閑静な住宅街。付近住民によると、戦前は田園風景が広がるのどかな場所で、戦後に人口が急増し住宅が増えたという。凶悪事件などは起きたことがなく「ここでこんな事件が起きるなんて」「亡くなった警察官がお気の毒」と話していた。

● 交番襲撃は予測不能な「通り魔」

 実は、警察官が交番で襲撃される事件は各地で頻発している。

 6月には富山市の富山中央署奥田交番で元自衛官、島津慧大容疑者(22)が所長の稲泉健一警部補(当時46)を刃物で襲い、腹部を中心に三十数ヵ所を刺して殺害。さらに拳銃を奪って近くの小学校改修工事で警備員をしていた中村信一さん(当時68)に発砲し、頭部動脈損傷で死亡させる事件が発生した。 ほかにも警察官が交番で襲撃された事件は▽1989年5月、東京都練馬区の中村橋派出所で元自衛官の男(当時20)が警部(当時35)と警部補(当時30)を刺殺▽1992年2月、東京都清瀬市の旭が丘派出所で巡査長(当時42)が刃物で刺され死亡。犯人は拳銃を奪って逃走し逮捕されていない▽1997年8月、福岡県柳川市の西宮永駐在所で巡査長(当時42)が男(当時28)に刺され死亡−などがある。

 富山の事件では拳銃が奪われ、民間人が射殺された。東京都清瀬市の事件でも拳銃が奪われたまま26年が経過。東京都練馬区の事件でも男は「拳銃を狙った」と供述していた。ほかに拳銃が狙われて警察官が負傷したり、未遂に終わったりしたケースは少なくない。

 交番で警察官が襲撃されると拳銃が奪われる可能性があり、場合によっては無差別大量殺人にもつながりかねない危険性があるということだ。


いずれにしても共通するのは、行動が予測不能な「通り魔」であるということだ。誤解を恐れず言えば、地域の安全を脅かす極めて危険な存在と表現していいだろう。そんな危険な通り魔から、交番や駐在所に勤務する警察官の安全を守るための対策は急務なのだ。

● 駐在所なら逃走していた可能性

 ところで「派出所」「交番」「駐在所」…。よく耳にするが、違いはあまり知られていないのではないだろうか。

 派出所は2016年まで連載された人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」でおなじみだが、警察署の出先という意味でそう呼ばれていた。1994年の警察法改正で交番が正式名称になったが、こちらの由来は「交代で番をする」であり、24時間体制で警戒に当たっている。今や「KOBAN」は世界でも通用するワードで、地域の安全を守るのに有効と評価され、導入する国も増えている。

 通常は警部補クラスが所長だが、警部が所長を務める「警部交番」(警視が所長を務める交番も)もある。都道府県によって「幹部交番」「地区交番」「広域交番」など呼称はまちまちだが、地方の警察署と同規模であることもあり、運転免許の更新手続きや車庫証明の申請なども可能だ。

 一方の駐在所は1〜2人の警察官が居住しながら地域の安全を守っている。家族と一緒に住むことが可能で、例えば警察官の旦那さんが巡回している間、奥さんが電話対応や来訪者の対応などに当たることもある。

 一般的には交番は都市部、駐在所は地方に設置されていると理解していただければ分かりやすいと思う。

 仙台の事件では、一緒に勤務していた同僚が暴漢の制圧に成功した格好だが、「もし」襲撃したのが駐在所だったら、警察官だけでなく家族も殺害され、拳銃を奪って逃走していた可能性もあったのだ。間違いなく付近住民は大パニックになっていただろう。

● 警察官も生身の人間

 交番や駐在所に勤務する警察官がふだん所持しているのは、拳銃や警棒のほか、警察手帳、手錠、警笛、無線機などだ。

拳銃があれば暴漢に襲われても対処可能では?と思われる方もいるかもしれないが、至近距離では武器として有効と言えない。むしろ「奪われないように」と守る意識が働き、邪魔な存在にさえなる。やはり警棒か、日ごろ研鑽(けんさん)を積んでいる柔道や逮捕術で対処するしかない。

 しかし、訪問者がいきなり刃物で襲撃する事態など想定していないから、至近距離で不意を突かれたら対処はまず不可能だ。百戦錬磨のイメージだが、警察官も生身の人間なのだ。悔やまれるのは、清野巡査長が耐刃防護服を着用していなかったことだ。

 仙台市の事件を受けて警察庁は19日、通達で全国の警察本部に耐刃防護服常時着用のほか、警察官の複数配置など安全確保を強化するよう指示。カウンターの配置や機材の点検、侵入防止の対策も求めた。また富山市の事件後に配備を急ぐとしていた新型ホルスター(拳銃入れ)も、早急な手配を要請した。

 栗生俊一長官は20日の記者会見で「事件を大変重く受け止めている。各警察本部の取り組みを通達で加速させ、交番のセキュリティー徹底を図りたい」と述べた。

 筆者の近所にある交番所長(警部)に話を聞いた。「通達は聞いたけど、交番は住民との相談窓口。露骨な警戒を見せるわけにはいかない。正直、どうすりゃいいのか困っている」。薄くなった頭をかきながら、眉間にしわを寄せた。

 通達の徹底と、交番の活動が両立するのは難しいのかもしれない。筆者はかつて、殉職警官の遺族に話を聞いたことがあった。「職業は警察官でしたが、帰宅すれば普通の夫であり、お父さんでした」と悔しそうだった。清野巡査長も双子の父親で、子煩悩として知られていた。

 筆者は全国紙社会部記者だった2006年、仙台東署管内で発生した新生児誘拐事件で、応援として派遣された。宮城県警本部、仙台東署の警察官の方々にお世話になった。記者クラブに所属しない「ヨソモノ」なのに、親切・丁寧にしていただいた。

 宮城県警、ならび仙台東署、ご遺族にお悔やみを申し上げ、清野警部補(2階級特進)のご冥福を心からお祈りいたします。

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