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zoom RSS 「派遣の2018年問題」まで残り3週間 企業は「期間制限」にどう対応するか?

<<   作成日時 : 2018/09/10 20:36   >>

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2015年9月30日施行の改正労働者派遣法により、施行日以後に締結された労働者派遣契約に基づく労働者派遣には(1)「派遣先事業所単位の期間制限」(事業所単位)と(2)「派遣労働者個人単位の期間制限」(個人単位)が設けられ、両方とも「3年」の期間制限がかかることになりました(※注)。
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※注 

 以下の者を派遣する場合は例外として期間制限がかかりません。

(1)派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者

(2)60歳以上の派遣労働者

(3)終期が明確な有期プロジェクト業務に携わる派遣労働者

(4)日数限定業務(1カ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に携わる派遣労働者

(5)産前産後休業、育児休業、介護休業などを取得する労働者の業務に派遣する派遣労働者

 改正前のいわゆる「26業務」と「自由化業務」で派遣受け入れ期間を区別する「業務ごとの派遣期間の制限」は廃止され、新たに(1)事業所単位(2)個人単位での2つの制限に変わったのです。そして、いよいよ新法における派遣期間の制限である18年9月30日まで、残り3週間を切りました。同一の派遣社員を同一組織で3年を超えて受け入れ続けるには、派遣元における無期雇用派遣などへの転換が必要となります。

 もっとも「派遣先事業所単位の期間制限」では、派遣期間満了の1カ月前までに派遣先の事業所の過半数組合などから意見を聞くことで、3年を超えた派遣を受け入れることが可能となる延長手続きが設けられています(※「派遣労働者個人単位の期間制限」では延長手続きは設けられていません)。

 3年を超えて同一事業所で派遣を受け入れたい派遣先においては、現在、延長手続きの対応を行っているところです。派遣期間制限や延長手続きについて違反があった場合には、労働者派遣法における「勧告」だけでなく「企業名公表」のリスクもあります。ネットが普及した現代においては、法違反やあからさまな脱法的対応がなされると、瞬く間に悪評が広まってしまう可能性もあり、慎重な対応が求められます。

 そこで今回は、「派遣先事業所単位の期間制限を延長する手続き」を説明します。労働者派遣の対応では、検討事項や資料が多岐にわたるので以下の手順を踏んで対応しましょう。

1.法律・規則・指針などを確認する

2.行政のパンフレットを確認する

3.業務取扱要領を確認する

4.派遣先と派遣元の対応事項を分類する

5.労働者派遣に関する書類を確認する

6.スケジュールを組む

7.必要な書類を準備する

8.書類の通知・保管義務を確認する

9.違反時のリスク(効果)を確認する

10.派遣先と派遣元で共通認識をもつ

パンフレットと条文はセットで読む
1.検討事項の根拠条文は? 〜法律・規則・指針などを確認する〜

(1)法律問題を検討する場合の出発点は「法令の規定(条文)」です。一般的な書籍や行政パンフレットでは根拠条文(制度の根拠となる規定)が記載されていないことも多いのです。しかし、正確な情報を確認するには、どの法令に何が記載されていて、その内容がいかなるものなのかを条文に則して確認する必要があります。

 労働者派遣については、労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)でルールが定められています。同法の内容は、同法施行規則(労働者派遣事業の適正な確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則)、派遣元指針(派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針)、派遣先指針(派遣先が講ずべき措置に関する指針)などによって具体化されています。

(2)「派遣先事業所単位の期間制限」については、労働者派遣法40条の2第1項および第2項が、同一の事業所における派遣受入期間を最大3年と規定しています。ただし、この「事業所単位の期間制限」には延長手続きが設けられていて、その根拠条文が同法40条の2第3項ないし第7項です。

2.パンフレットと条文はセットで読む 〜行政のパンフレットを確認する〜

 派遣法の期間制限については行政から各種パンフレットが出ており、期間制限については図表を用いて説明されています。

 これらを読む場合は「1.検討事項の根拠条文は?」で確認した条文と、セットで読みます。こうすることで法律の規定(条文)の内容が分かりやすくなりますし、パンフレットの記載について「どの範囲までが条文で定めていることなのか」を意識することもできます。

派遣先と派遣元の違いに注意!
3.最新の業務取扱要領で情報を整理 〜業務取扱要領を確認する〜

(1)労働者派遣法では、厚生労働省のWebサイトから「労働者派遣事業関係業務取扱要領」(以下「業務取扱要領」といいます)が入手できます。この「業務取扱要領」には、労働者派遣における取扱いについて詳細な説明があります。

 そこで、行政(厚生労働省)の立場に関する正確な情報を確認するには「業務取扱要領」の、該当部分の記載を見ておく必要があります。ただし、この「業務取扱要領」はたびたび改訂されるため、その都度、最新版で確認してください。

(2)派遣先の期間制限については、「業務取扱要領」の「第8 派遣先の講ずべき措置等」の「5 派遣先の事業所単位の期間制限の適切な運用」に詳細な解説があります。

 また、派遣可能期間の制限を含む2015年9月30日施行の法改正については『平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A』が第2集、第3集まで公開されていますので、これも併せて参照してください。

4.規制内容の対象を意識する 〜派遣先と派遣元の対応事項を分類する〜

 「事業所単位の期間制限」を延長する手続きは派遣元ではなく「派遣先」が行う必要があります。派遣労働者を雇用しているのは派遣元(派遣会社)なので、派遣元で対応すべき(対応してくれる)と、読者の方は思われるかもしれません。確かに、労働者派遣では「派遣社員と雇用契約がある者(派遣元)」と、「派遣社員を指揮命令する者(派遣先)」では立場が異なっていて、雇用主としての責任を負うのは派遣元(派遣会社)ではあります。

 しかし派遣法は、派遣元(派遣会社)に加えて派遣先にも各種規制を課しており、指針も「派遣元」と「派遣先」に分かれています。労働者派遣法の条文やパンフレットを読む際にも、「派遣先に対する規制」なのか、それとも「派遣元に対する規制」なのか、違いを意識する必要があります。

余裕を持ってスケジュールを組む
5.労働者派遣に関する書類を確認する

(1)労働者派遣法では「派遣先」と「派遣元」との間で締結されている労働者派遣契約書(基本契約書と個別契約書に分かれていることがあります)に加え、派遣先と派遣元の双方に管理台帳などの書類の作成・保存が義務付けられています。そこで、労働者派遣における対応ではすでに作成・保存されている書類の内容を確認し、それを踏まえて今後の対応を検討する必要があります。

(2)「事業所単位の期間制限」では、派遣先から派遣元に対して「抵触日通知」の書面が送付されることになっています。

 この期間制限のカウントは、派遣先事業所において15年9月30日(法改正施行日)の後、新たに期間制限の対象となる派遣労働者を受け入れた初日から起算されるので、派遣先事業所ごとに期間制限の期間日・抵触日が異なります。そのため、派遣先から派遣元(派遣会社)に送付している「抵触日通知」の内容を確認する必要があるのです。

6.スケジュールを組む

 15年の改定労働者派遣法の施行によって、派遣先が同一事業所内で派遣労働者を継続して受け入れることができる期間は原則3年となりました。しかし「事業所単位の期間制限」では、期間制限の抵触日の1カ月前までの間(意見聴取期間)に「派遣先の過半数労働組合又は過半数代表者(過半数組合等)」からの意見聴取をすれば、派遣期間を延長できます(労働者派遣法40条の2第3項および第4項)。

 この意見聴取は、書面通知により行う必要があります(同法施行規則33条の3)。これらの書面の作成・通知には一定の時間を要しますし、過半数組合などで意見を述べるに当たっての考慮期間も必要です。

 また、過半数組合などが異議を述べた際には、抵触日の前日までに、延長理由などを説明する必要があり(次の「7.必要な書類を準備する」参照)、そのための準備も必要です。

7.必要な書類を準備する

 過半数労働組合などに意見を聴取するためには以下の事項を書面で通知する必要があります。

(1)派遣可能期間を延長しようとする事業所(2)延長しようとする期間

 これに加えて(3)事業所における派遣労働者の受け入れ状況、(4)回答期限も記載することがあります。(4)回答期限までには、回答がない場合は意見がないものとみなす旨の記載もしておいた方がよいでしょう。

 派遣先は、過半数労働組合から異議が出たときは、抵触日の前日までに(i)延長理由と延長期間、(ii)異議への対応方針を説明する必要があります(労働者派遣法40条の2第5項、同法施行規則33条の4第1項)。

8.書類の通知や周知、保管義務を確認する

 派遣先が意見聴取の際に、過半数組合などに通知した事項や異議に対して説明した内容については、3年間の保存と、事業所における周知が義務付けられていいます(労働者派遣法施行規則33条の3、33条の4)。また派遣先は、派遣可能期間を延長したときは、延長手続きによる延長後の新たな抵触日を速やかに派遣元に通知しなければなりません(労働者派遣法40条の2第7項)。

派遣元と共通認識を持つ
9.違反時のリスク(効果)を確認する

 派遣期間制限や延長手続きについて違反があった場合のリスクには、労働者派遣法における「勧告」や「企業名公表」の制度があります(同法49条の2第1項、同条2項)。

 もっとも、最大のリスクとして捉えるべきなのは、派遣先において派遣労働者の直接雇用が強制されるという「労働契約の申込みみなし制度」の適用です(労働者派遣法40条の6)。この制度は、(1)派遣禁止業務(港湾運送、建設、警備、医療など)に従事させる(2)無許可の事業主から派遣を受け入れる(3)事業所単位の期間制限に違反する(4)個人単位の期間制限に違反する(5)いわゆる偽装請負(派遣の規制を逃れるために請負を装う)――などの場合に適用され、派遣先が派遣労働者に直接雇用を申し込んだものとみなされます。労働者がこの申込みを承諾すれば、労働契約が成立し、派遣先に直接雇用されることになるのです。

10.派遣元と派遣先で共通認識をもつ

 労働者派遣では、派遣元(派遣会社)が各種手続きや書類作成のノウハウを有していることが多いのですが、小規模の派遣会社の場合、これらが不十分なケースもあります。そこで、派遣先としても、派遣元(派遣会社)に任せきりにするのではなく、派遣の取扱いについてパンフレットなどで最新の情報を確認し、派遣元(派遣会社)と情報交換をきちんとしながら対応する必要があります。

 18年6月に成立した「働き方改革関連法」により、労働者派遣法も改正されました。この改正による「派遣先労働者との均等・均衡規制」の制度は、派遣先としても影響が大きい改正です。派遣先の企業は派遣元(派遣会社)と連携し、共通認識を持って法改正に対応してください。

 事業所単位の派遣期間の制限・延長手続きの手順を以下にまとめます。

1.派遣法における期間制限の内容確認

(1)事業所単位の期間制限/延長

(2)個人単位の期間制限

上記(1)(2)の例外(無期雇用労働者、60歳以上の労働者派遣など)

2.抵触日通知/抵触日の確認

3.過半数組合等への意見聴取手続きの確認

(1)過半数組合/過半数代表の確認

(2)過半数代表等への通知事項の検討

4.過半数代表等からの異議があった場合の対応(説明)を踏まえたスケジュール設定

5.延長後の対応

(1)派遣元(派遣会社)への新たな抵触日を通知

(2)書類の保管・事業所における周知

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