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zoom RSS 増え続ける警察官と不祥事にみる日本の問題

<<   作成日時 : 2018/09/04 21:28   >>

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 東京オリンピックが近づいてきた。テロなどの事前把握や雑踏防止による安全・安心な運営が至上の命題である。

 また、今年経験したような酷暑が予測され、熱中症患者が思わず同時多数発生した場合の搬送などがスムーズに行わなければならない。

 一時的にせよ、今年の2倍の観光客(最大6000万人)も予測される。オリンピックの興奮と暑さによる緊張感の緩みなどから、思いもかけない状況が起こる可能性もある。

 警察の臨機応変の対処が重要であり、人員増などが要求されるに違いない。しかし、最近の幾つかの失態からは、単純な人員増以前に、根本的な在り方が問われているのではないだろうか。

■ 最近の3つの事例

 (1)富山市内の交番襲撃

 今年6月26日、富山市久方町の奥田交番が襲われ、警察官らが殺される事件が発生した。犯人と件の警官は顔見知りであった。裏口からのノックに対し、警戒心を解き大変困った事情ではないかと忖度したのかもしれない。

 刺殺された警官にとっては全く合点のいかない理不尽かつ悲惨な事件であるが、市民に親しまれる交番の、市民への対応の難しさを示している。

 殺された警察官に非がないことは言うまでもないが、交番ではこれまでも幾つもの事件が繰り返されてきた。奥田交番のような拳銃盗みの事件も起きている。

 そうした過去の経験から、拳銃が簡単に奪われないよう工夫されたというが、逆にいざという時に即応できない状況に置かれたのであれば、言語道断であったという以外にない。

 想定外の状況で不可抗力だったという見方もあり得ようが、そもそも警官の仕事は善意だけでは対処できない範疇のことも多いだろう。

 優れた運動神経の持ち主であった警官さえ対処できない状況があり得ることなど、周知徹底されていたかどうか。周知されていなかったとすれば、拳銃などを携帯する警察として大きな問題であろう。

 (2)大阪府警富田林署からの拘留犯逃走

 大阪府富田林署内で樋田淳也容疑者が面会室のアクリル板を外して脱走したのは、8月12日のことである。間もなく3週間になり、容疑者の犯行と疑われる事案が幾つも発生しているにもかかわらずいまだに見つかっていない。

 管理態勢の不備のほか、初動捜査や近隣住民への周知の遅れなど、杜撰な対応が相次いで発覚しており、失態以上の醜態続きに市民はあきれ果てていると聞く。

 容疑者は女性のマンションに侵入し、ナイフを突きつけて暴行するなどを繰り返して4回逮捕され、強制性交罪、強盗致傷罪及び3の窃盗罪で起訴されていた。いまは加重逃走容疑で指名手配されている。

 警察署内の規律が緩んでいたとしか思えない以下のような失態が幾重にも重なっている。

 ア.接見室のアクリル板がきちんとはまっているかどうかの点検は年1回行うようになっているが、点検項目にさえなっていなかった。

 イ.接見室ドアには開閉時にブザーが鳴る装置があるが、富田林署だけが全国で唯一、「弁護士が接見終了時に声がけするから不要」として、電池を抜いていた。

 ウ.署のコンクリート壁は高さ3メートル近いが、容疑者は署員のスニーカーに履き替え、近くに置き捨てられていた脚立を使い、自転車を盗んで逃げた可能性が高いとされる。容疑者のために、まるで誰かが逃走を手助けする準備でもしていたかのようだ。

 エ、逃走したことに気づくのが遅すぎ、1時間半という逃走時間まで与えてしまっている。また住民への事件発生のメール配信や防災無線で知らせる市への要請など、およそ警察と思えない後手後手の頓馬ぶりである。

 大阪府警はメール配信の遅れは「住民の不安を助長しないよう、事実確認を優先させた結果」であり、無線の要請遅れは「要請する文書内容の検討に時間がかかった」との由であるが、府民は「隠蔽を図った」というように冷めた見方をしているとも言われる。

(3)藤本理稀ちゃん事案

 藤本理稀(よしき、2歳男児)が祖父と連れ立って家を出た後、途中で別れて独りで帰路に就くが、帰宅していないと警察が連絡を受けたのは8月12日午後1時過ぎだったという。

 山口県警は地元消防団ともども、この日の午後から14日までの3日間、延べ380人で捜索に当る。13日は90人態勢でため池、側溝、古井戸、空き家などに重点をおき捜索したという。

 その後はヘリコプターや体温感知センサー付きドローンなども使い、集落の周囲のすべての山を捜索範囲に加え、数十人づつの捜索班に分かれて捜索している。発見現場一帯も探したが、手がかりは得られなかったという。

 捜索では理稀ちゃんの年齢を考え、まずは近くの井戸など事故に巻き込まれそうな場所を中心に捜索した由である。

 14日夜、現地入りした尾畠春夫氏(78歳)は理稀ちゃんの母親に面会し、翌15日早朝から1人で捜索開始する。そして約30分後の6時半頃、帰省していた祖父宅から約560メートル離れた山中の沢周辺で理稀ちゃんを発見する。

 たった半時間で理稀ちゃんの所在を突き止めたことは驚異であるが、警察にとっては面目失墜の瞬間だった。

 警察の捜索隊は「一刻も早く見つけてあげたい」という一心で探したというが、その裏面には、「事故に巻き込まれている」という先入観があり、事故に巻き込まれそうな場所を中心に捜索してきた。

 インターネット上では井上怜という人が、「初めから死んでる前提で、死んでてほしい場所を探すから見つからない。馬鹿としか言いようがない。(中略)居ると思って探すのと、居ないと思って探すのとの違い」などと厳しい物言いをしているが、先入観が捜索場所などに影響した面は否めないであろう。

 以上の、直近に報道された3つの事案だけからも、警察は人手不足だけが問題ではないことが分かる。

■ 年々増員してきた警察

 警察は大きな事件が発生したり、伊勢志摩サミットやオリンピックのような国際的あるいは国家的なイベントがあるごとに、警備の徹底などを理由に増員を図ってきた。

 なお、警察職員は警察庁職員と地方警察職員に区分され、警察庁は警察官と皇宮護衛官及び一般職員からなり、地方警察は地方警務官(県警本部長などの国家公務員)、地方警察官および一般職員で構成されている。

 このうち、皇宮護衛官約900人、一般職員約3万5000人(警察庁約5000人、地方警察約3万人)はほぼ一定しており、残りが警察官である。

 平成元年12月末の警察職員総数は25万7375人で、皇宮護衛官(916人)と一般職員(35575人)を除く警察官は22万884人(警察庁1203人、地方警察官21万9681人)であった。

 平成18年以降の警察官の状況を見ると、警察庁は平成18年度1708人から、毎年平均50人前後増員され、平成28年は 2149人であった。

 他方、各都道府県に所属する地方警察官は平成18年度25万1349人であったが、爾後平均約700人づつの増員で平成28年には25万8875人となる。

 以上から平成18年度以降、警察官は平均して年間約750人の増員が続いてきたことになる。

 余談であるが、警察は国内問題対処で国民の目に見えやすいが、自衛隊の対処は諸外国相手で「抑止」を前提にしており、「こと」が起きないということから国民の目に見えにくい。

 そこで、PKO(平和維持活動)や国際的大災害などへの自衛隊派遣で任務は増加してきたが、民主党政権時代は自衛隊の定員と予算の削減さえ行われた。

 今日では、警察職員の総数は約30万人であるのに対し防衛省・自衛隊の総数は約27万人である。

 一般職員(背広組)を除く制服警察官総数は25万9745人(平成30年)に対し、自衛官総数24万7154人であるが、91%の充足率で、22万4422人である。

■ 組織防衛を優先する? 

 交番を拠点に、警察が市民に密着して安全安心に寄与していることは言うまでもない。また、テロ防止や重要人物の警護などにも尽力している。

 他方で、表に出ることはほとんどないが、政府に対する犯罪や反社会的活動の取り締まりなど治安維持に任ずる公安部門も活躍しており、国民は安心して日常生活ができる。

 そうした一方で、警察が組織維持のために、世間的には「ノー」が突きつけられるような行動もあえてとる場合がある。

 韓国はパチンコをきっぱり禁止したが、日本ではなかなか禁止できない。今国会ではIR法が成立し、数年後には総合型リゾート施設が展開されよう。その中にカジノも運営されることになる。

 パチンコやカジノには監督や監視などを名目に必然的に警察が絡み、また引退した警察幹部の天下り組織が存在する。

 多くの国民を犠牲にしないための組織という名目であろうが、実際はパチンコでかなりの国民が犠牲になっているとも仄聞する。

 パチンコ業界が政治家への献金や警察幹部の天下り先の確保のために存続するというのであれば、本末転倒という以外にない。多くの若者が朝からパチンコに打ち込む姿は異様で、「非生産的」という以外にない。

 金持ちに投資させて国家を潤すという発想がIR法の目指すところで、カジノ容認もその一環であろうが、その裏にはパチンコ容認同様に、警察組織の拡充や退職警察幹部の天下り先の確保なども伏在することになるのではなかろうか。

 外務省で要人外国訪問支援室長をしていた松尾克俊なる人物がいた。政治家や職員の外国出張などに便宜を図っていた由で、かけ替えのない人物になっていた。

 麻雀はプロ並みで、一晩に300万円動いて、大使が若い事務官から取り立てるようなこともあったといわれる。

 松尾麻雀は通算で数千億円を超える常習賭博で、幹部も連座しており、結構スキャンダル性も高かったとされる。

 中には数千万円の借金を背負い、在外俸を貯めて返済のためにアフリカに赴任した人もあるそうで、人事にまで影響していたことになる。

 ノンキャリアでありながら外務省から官邸に上納されていた機密費を自在に操り、大金(10億円ともいう)を着服し、愛人を囲い、競走馬につぎ込む豪奢な生活を送っていたことが発覚する。

 公金横領となれば外務省の組織としての金の運用が調べられ、幹部が連座すれば在外公館にも飛び火し、在外公館にある警察のキャリアやノンキャリアのポストが減るとみられた。

 そこで、警察は火の粉をかぶらないために、横領ではなく詐欺という個人犯罪に収め、在外公館の警察ポストの安泰を優先したとされる(清武英利・佐藤優対談「公金にたかる外交ゾンビ″たち」、『WiLL』2017年10月号所収)。

■ 捜索対象者の心理研究が必要

 このようにみると、警察は組織防衛のために国民の犠牲も厭わない一面が伺える。

 その一方で、先に見たような失態・醜態も繰り返している。国民の目に触れてはまずく、報道規制されるような諸々の事案も多々生じているに違いない。

 してみれば、増員以前に警察の在り方が問われているといえる。

 端的に言えば、事案に対する警察官の動員をより効果的にするための人間心理の研究・応用なども欠かせないということではないだろうか。

 そのことを端的に教えたのが理稀ちゃんの発見に至る過程である。

発見した尾畠氏によると、子供は先天的に、高い方へ向かうそうである。

 ところが今回の警察の捜索は、年齢を考え、まずは近くの井戸など事故に巻き込まれそうな場所を中心に捜索したというように、先入観が先に立ち、捜索場所は下方へ下方へと向かったように思われる。

 尾畠氏は「名前を呼びながら探していた」ところ、「ぼく、ここ」と返事があったという。2歳児とは言え、ガヤガヤとした騒々しい声には反応し難くても、「よしきく〜ん」という声には反応しやすかったに違いない。

 多勢の動員にもかかわらず、対象者の心理状況を考慮しない行動が無勢にも等しい結果をもたらしたということであろう。

 捜索や捜査対象の増大、更にはイベントなどで増勢一方であった警察であるが、大いに反省が求められているのではないだろうか。

■ 天晴れな尾畠氏の生き方

 それにしても、尾畠流生き方は「素晴らしい」の一語に尽きる。

 老後の生き方は、若者時代からの意識が大いに関係する。尾畠氏は鮮魚店を営むかたわら、長年地元の登山道の整備などを続けてきたそうである。若い時代からボランティア精神が強かったといえる。

 65歳で店を畳んだ後は、ボランティア一筋の生活だそうである。金持ちかといえば、そうではなく、月5万5000円の国民年金が収入のすべてというから恐れ入る。金がないときは食事を抜くだけと平然たる姿勢である。

 虫が食べる野菜は農薬が使われていない証の健康食ということで、家の裏庭に自生しているサトイモやツルムラサキ、ニガウリ(近年はゴーヤの名称で知られている)などを好んで食べ、魚ではキビナゴやイカナゴのように骨の多い小魚が全体食ということから好みらしい。

 1日2箱を吸うヘビースモーカーであったが、東日本大震災を機にきっぱりやめ、また、酒も被災地から仮設住宅がなくなる日までは一滴も飲まない決心という。聞かれない限り、人のことは一切言わないという心の高潔さも持ち合わせる。

 ボランティア活動には食料・水・寝袋などを積み込んだ軽ワゴン車で出かけ、助けられる側から一切力を借りない「自己完結するのが、真のボランティアだ」という心得は、世のボランティア族への厳しいメッセージでもあろう。

 最近「学はあってもバカはバカ」などがよく言われるが、最高学府を出て次官までなりながら、「面従腹背」が座右の銘だったというに至っては、評価の言葉も出ない。

 金と名誉にこだわりすぎる人間をこのところ多く見てきただけに、尾畠氏の生き方は、「人間とは?」「心の清らかさとは?」などしみじみ考えさせるものとなった。

 最近、「LGBTは生産的でない」が議論になっているが、筆者はDINKS(健康な共働きで、セレブは生活をするために子供を敢えてつくらない人)こそ「生産的でない」とみている。

 若いときは楽しい日々でいいかもしれないが、必ず老後がやってくる。その時、介護で支えてくれるのは、他の家族が育てた子供であろう。そのことへの配慮を欠き、自分の楽しみ本位にしか思考を回らせていないからである。

 また、国民であるからには国家を背負う義務が必然的に伴う。しかし、LGBTやDINKSは権利だけを主張する我が儘にしか思えない。

 ともあれ、尾畠氏の心の芯の強さは、若いときに創られたものであるらしい。特に老後の生き方は、多くの日本人に感動や示唆を与えずにはおかないであろうし、生き方にさえ好影響を及ぼすに違いない。

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