全駅導入に向け「加速」 東急田園都市線のホームドア設置工事に密着

終電の直後に「ホームドアを載せた電車」
 東急電鉄は転落事故の防止など安全対策の強化を図るため、ホームドアの設置工事を進めています。2018年8月26日(日)未明、田園都市線のたまプラーザ駅(横浜市青葉区)で行われた設置工事の様子を取材しました。

 今回工事が行われたのは、渋谷方面に向かう上り列車が発着する2番線ホームです。0時45分、鷺沼行きの最終列車が2番線を発車。それから数分後、ホームドアを積み込んだ列車が入ってきました。窓からのぞき込んでみると、ホームドアはロープで固定され、気泡緩衝材が巻かれています。その両脇にある座席も段ボール紙で覆われていて、ホームドアと座席に傷が付かないようにしていました。

 1時を過ぎたころ、作業員が2番線ホームに続々と姿を現し、列車のドアが開きました。設置工事は1時半ごろ開始。まずはホームの床にあらかじめ設置しておいた、ホームドアの台座をふさぐカバーの取り外しが行われました。

 これと並行してホームドアを列車から降ろす作業も始まりました。ホームドアの下にはキャスターが付けられていますが、その重さはひとつにつき400kg以上もあります。作業員は数人がかりで慎重に押して、ドアを設置場所の近くに並べていきました。

 続いて列車の車体の窓下に段ボール紙を巻く作業が行われました。といっても、座席を覆っていた段ボール紙を裏返すようにして車体の外側に回し、それをテープで固定し直すだけ。作業を効率的に行うための、ちょっとした工夫といえるでしょう。

 ホーム床の台座に絶縁体を設置し、2時少し前からホームドアの固定作業が始まりました。まずはキャスターを付けたままホームドアを台座の上まで移動。続いて数人がかりでホームドアを持ち上げ、その下に直方体の大きな木製ブロックを入れます。ブロックの上にホームドアを置いてから、キャスターが取り外されました。

「さまざまな工夫」導入して計画を前倒し
 その後もホームドアを持ち上げては木製ブロックの向きを変えたり、細い鉄の棒に入れ替えるなどして高さを少しずつ低くし、ホームドアの位置を調整しながら台座に近づけていきます。こうしてホームドアと台座の絶縁体が完全に接触し、ボルトを使って固定。ひとつのホームドアを固定するのに、おおむね10分くらいかかっていました。

 固定作業は2番線ホームの端から端まで同時進行で進み、3時になる少し前にはほぼ完了。その後はホームドアのカバーを取り付けたり、作業で発生したゴミを片付けるなどの細かな作業を経て、4時前には設置工事が終了しました。

 しかし、これですぐにホームドアが使えるようになるわけではありません。ホームドアを動かすための電気部品の調整を数か月かけて行い、ようやく使用できるようになるのです。しばらくはドアが開いたままの状態になるため、営業時間中は警備員が監視することになります。

 東急が運営する路線のうち、目黒線は全駅にホームドアを導入済み。池上線と東急多摩川線にもセンサー付きの固定式ホーム柵が導入されています。東横線、大井町線、田園都市線の3線は一部の駅にホームドアが導入されましたが、2015年に東急は3線の全64駅にホームドアを設置すると発表。これ以降、設置工事が加速しています。2017年には工事計画を1年前倒しし、設置完了の予定時期を2019年度に変更しました。

 取材に対応した東急の工事関係者は「かつては営業運転が完全に終了して線路の閉鎖措置を行ってから、ホームドアを積み込んだ列車を駅まで運転していました。いまは終電の発車後、線路の閉鎖措置を行う前に運転して、作業時間の確保など工事の効率化を図っています。ホームドアを降ろした列車は設置工事の完了後、そのまま早朝の始発列車として運転されることもあります」と話し、さまざまな工夫を凝らして工事の効率化や工事期間の短縮を図っている様子がうかがえました。

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