ロボット業界は今後どうなる? 2017年の70社以上の事例などから読み解く

2018年も既に1ヶ月。ロボットイベント「第2回ロボデックス」も盛況に終わった。前回のこの連載で取り上げた「mujin」のブースは黒山の人だかり。年々深刻化する高齢化や人手不足、迅速な意思決定を行える中国市場の伸びなどを背景に、自律搬送台車等は本格普及期を迎えつつある。また、どうやら夏頃には50万円程度のアシストスーツの類が新たに数社から製品化されそうだ。ほかにもさまざまな領域で自動化が今年も進むだろう。ここでいったん2017年を振り返るとともに、2018年を展望しておきたい。

●基本資料:まずは事例を眺めることをおすすめ

 この連載は「基礎講座」なので、まずは基本資料を紹介する。国内だけではなく中国などでも進む生産年齢人口の減少、人手不足を背景に、空前のAIブームに後押しされるかたちでロボットブームは続いている。

 各種報道も多いが、具体的にどのように使われているのか知りたい方には、まず「ロボット新戦略」のもと、日本ロボット工業会がまとめている「平成28年度ロボット導入実証事業」採択事例紹介、「同事例紹介ハンドブック2017」をご覧になることをおすすめしたい。企業での最近の活用事例がまとまっている。

 経済産業省と日本ロボット工業会は「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事業」も進めており、その事業者たちによるサービスロボットを集めた場「ロボットセンター」も年末には開き始めた。複数社のロボットを実際に比較検討できる場は、今後も増えると思われる。

 また、経済産業省はロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)のスキル標準・プロセス標準をまとめた。ロボットシステムインテグレーション導入プロセス標準「RIPS」を定め、作業工程や作成するドキュメントを標準化。ロボットシステム構築プロセスの最適化を支援する。各資料はロボット活用ナビからダウンロードできる。

●実証実験:空港、ショッピングモール、都庁などで実施

 空港での実証実験が進められている。サイバーダインは2月に成田で腰装着型を試験導入した。4月以降は2016年11月からANAに提供していた支援用スーツの貸し出し台数を増やした。

 パナソニックも搬送ロボット「HOSPI」を、協栄産業とココロは旅行受付カウンターでアクトロイドを使った受付ロボットの実験を行なった。羽田空港ロボット実験でも中西金属工業など各社の掃除ロボットなどが導入された。

 大阪市は5月に大阪市の「IoT・RTビジネス実証実験支援事業」の一貫として、複合型商業施設「アジア太平洋トレードセンター」をロボット開発事業者などへ実証実験の場として開放する「AIDOR EXPERIMENTATION」を実施すると発表した。2017年5月から2018年3月までが開催期間で、70店舗やオフィス、物流センターなどで実験ができる。

 ノジマとスーパー三和は、アメリカのFive Elements Roboticsの「Budgee(バジー)」を使った実証実験を5月にノジマモール横須賀店内で行った。客のあとをついていくショッピングカートだ。



 パルコも日本ユニシスが開発したロボット「Siriusbot」を使った案内や、RFID(ID情報を埋め込んだタグから、近距離無線通信を使って情報をやり取りする仕組み)を使った棚卸し実験を行った。



 富士通も「自律型店舗ロボットソリューション:MATEY」を開発している。スーパーで実験しているという。

 屋内で人のあとをついていったり、商品の棚卸しを手伝うロボットの実験は今後も続くだろうが、問題は実験をどうやって抜け出すかだ。なおウォルマートは既に全米50店舗以上にBossa Nova Roboticsの棚管理ロボットを導入して試験運用を行っている。



 7月にはJR東日本が有限責任事業組合「JREロボティクスステーション」を設立した。案内や手荷物搬送、清掃や警備など駅構内で使われるサービスロボットの開発促進を行う。

 東京都も「都庁舎サービスロボット実証実験」を2017年11月から2018年2月下旬までの日程で実施している。日立製作所の「EMIEW3」、ハタプロの小型ロボット「ZUKKU」などを使っている。

●NEDOと経済産業省が推進する、ワールドロボットサミット

 NEDOと経済産業省は4月にWorld Robot Summit(WRS)のドラフトを公開。意見募集を行った。また国際ロボット展で展示を行い、未来コンビニや災害対応など各種目についてトライアル競技も行っている。競技内容の詳細はこちらの記事をご覧いただきたい。今後2020年の本番に向けて、各種イベントもさらに行われていくことだろう。




●ヒューマノイド:米、韓、露など世界各国で続々開発

 トヨタや川崎重工業が国際ロボット展で披露した新しいヒューマノイドロボットについては各所で報じられているとおりだ。どちらも研究用プラットフォームだと思うので今後の発展と展開に期待したい。



 Boston Dynamicsは新しいヒューマノイドの「Handle」を2月に投資家向けにビデオで公開。同社は2013年12月にグーグルに買収されていたが、2017年6月にはソフトバンクグループが同社と、脱東大ベンチャーのSchaftを、グーグルの親会社であるAlphabetから買収すると発表した。そしてソフトバンクロボットワールドの前日には次世代Atlasがバク宙する様子を動画で紹介した。



 同社のヒューマノイドがどう使われるかはわからないが、4脚ロボットのSpot miniにはソフトバンクロボットワールドで、竹中工務店ら3社が興味を示していた。



 韓国 Hankook Mirae Technologyの、人が搭乗できる4mヒューマノイド「METHOD-2」はamazonの社内イベント「MARS」カンファレンスに呼ばれ、ジェフ・ベゾスCEOがロボットを操作している様子が報じられた。価格はおよそ10億円程度だという。



 KAISTはヒューマノイドロボット研究センターを1月に開いている。所長は呉俊鎬(オ・ジュンホ)教授。

 オレゴン州立大学発のAgility Roboticsはダチョウのような二脚歩行ロボット「Cassie」を2月に発表。研究用に市販もしている。



 いっぽう4月には、ロシアで開発されている(FEDOR(Final Experimental Demonstration Object Research、ヒョードル)」という軍事用ヒューマノイドロボットが両手で拳銃を撃つ様子が公開された。大きな反動がある拳銃を撃てること自体驚きだが、このヒョードルはハンドル操作そのほか細かい作業もできることがこれまでに動画で公開されている。



●協働ロボット:オリックス・レンテックの「RoboRen」、NECや富士通も

 2017国際ロボット展に関する筆者のレポートでも触れたとおり、協働ロボット市場は拡大を続けている。Inkwood Researchはこの市場は2025年まで年平均49.14%で成長していくとレポートを出した。


 グローリーは2011年からカワダロボティクスの協働ロボットを活用してきた経験を生かし、導入支援事業に参入、事業を開始した。3月には最初の事例として、資生堂が経済産業省「平成28年度ロボット導入実証事業」を活用してメーキャップ製品の組み立て工程に協働ロボットを導入したと発表された。

 アメリカのリシンクロボティクスは「Sawyer(ソーヤー)」をアップグレード。制御ソフトを「Intera 5」にした。ユーザーにとって使いやすいものにしたという。日本国内では2016年以降、住友重機械工業が取り扱っている。



 Chowboticsはサラダロボット「Sally」のために500万ドルを調達。



 3月に行われたイベント「リテールテック2017」では、NECと富士通がそれぞれロボットを使った小売店舗の業務支援ソリューションを出展した。NECはFetchRoboticsのロボットを使い、富士通はMATEYというロボットだった。

 2016年4月から産業用ロボットのレンタルサービス「RoboRen」を展開するオリックス・レンテックは搬送ロボット、人協働ロボットなどの常設ショールーム「Tokyo Robot Lab.」と「Tokyo Robot Lab.2」を開設している。日本電算シンポの「S-CART」や、オムロンの搬送ロボット「LD」シリーズなども取り扱う。今後も各分野に「RoboRen」を拡大していくという。

 スイスABB社は双腕ロボット「YuMi」のアイデアコンテスト「ABB YuMi Cup 2017」を実施した。最優秀は立命館大のチームの「サイダーバー」となった。同様のハッカソンはデンソーも行っている。協働ロボットの使い方、アイデアはまだまだ不足しているのかもしれない。逆に言えばアイデア次第でいくらでも広がるということだ。

●廃炉への取り組み:東芝「ミニマンボウ」、菊池製作所×早大「オクトパス」など

 福島第一原発廃炉のためにロボットを使った燃料デブリの状況調査が行われている。1号機、2号機への自走式ロボットによる調査が行なわれたがロボットやカメラに不具合が発生。結果は芳しくなかった。今後も竿先にカメラをつけた装置で調査を行う予定だ。なお3号機には東芝の水中探査ロボット「ミニマンボウ」が投入された。2019年度にデブリを取り出す方法などを決めるとされているが道のりは遠い。



 菊池製作所と早稲田大学発のフューチャーロボティックスは「オクトパス」という4腕4脚ロボットを開発している。2019年度の実用化が目標だ。

 日立GEニュークリア・エナジーや中外テクノスらはデブリ取り出しを視野に入れた水圧を使った「筋肉ロボット」を開発している。

●建設・土木:大成建設「T-iROBO」、竹中工務店「TOギャザー」、清水建設「シミズスマートサイト」

 大成建設は千葉工大と天井裏を点検するロボットや、鉄筋結束ロボット「T-iROBORevar」を開発。大成建設はほかにもコンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」や自律型清掃ロボット「T-iROBO Cleaner」などを開発している。現場作業の負担軽減が目的だ。



 竹中工務店も清掃ロボット「TOギャザー」、トピー工業の台車を使った搬送ロボット「クローラーTO」を開発中だ。建築会社は自分たち自身がユーザーでもあるので現場で使い続けることができるし改良も進みやすい。

 清水建設は7月に次世代型生産システム「シミズ スマートサイト」を発表した。溶接や多能工ロボット、搬送ロボットなど自律型ロボットと人がコラボしながら作業するシステムで7割以上の省人化を目指す。

 フジタは2月に建機を遠隔操縦できる「ロボQ II」を発表。従来機より設置が簡単になり、メンテナンス性を向上させた。

 カナモト、KGフローテクノ、富士建も「DOKA ROBO」を開発した。アスラテックのソフトウェア「V-Sido」を使って建機を遠隔操作できる。

 三菱電機は2月に発電機の点検に用いる「発電機用薄型点検ロボット」を発表した。発電機内部を短期間で高精度に点検し、稼働率向上に貢献できるという。自社の点検作業で活用する。

 建機部品などを事業とする北菱は、下水道菅維持管理ロボット「メカモグ」シリーズをマレーシアなど、東南アジアで販売すると報じられた。異業種からの参入は今後も続きそうだ。

 総務省消防庁は4月に石油コンビナートなど大規模火災現場で使うことを想定した、消防ロボットシステムを公開した。

 三井住友建設は日立産業制御ソリューションズと共同で、橋梁の側面点検を行う自走装置型のロボットを開発したと10月に発表した。

 2015 年以降「スマートコンストラクション」事業を展開し、この分野で先行しているコマツは12月に、GPUのNVIDIAとAIの導入で協業すると発表した。建設現場の安全と生産性の向上を目指す。

●物流:ヤマト運輸×DeNA「ロボネコヤマト」、ZMP「CarriRo Delivery」、ギークプラスは日本法人設立

 GROUNDはニトリグループの西日本通販発送センターにインドのロボットベンチャーGreyOrange社の物流ロボット「Butler(バトラー)」を10月におよそ80台導入した。ニトリとしては東日本拠点に岡村製作所から導入した「オートストア」に次ぐ物流ロボットとなる。作業効率は4倍以上になったと報じられている。

 大和ハウス工業も搬送用ロボットを活用した物流センターを構築し、2018年から導入すると報じられている。

 DHLサプライチェーンはLocus Robotics(ローカス・ロボティクス)の「LocusBots」を使って実証実験をすると発表。DHLはそれ以外のロボットも積極的に活用して自動化を進めている。11月にはLocus RoboticsはシリーズBラウンドで2500万ドルを調達したと発表があった。



 アリババが採用している倉庫ロボット「EVEシリーズ」を展開する中国ギークプラスは8月に日本法人を設立した。第一号クライアントはフルフィルメントプロバイダーの株式会社アッカ・インターナショナル。ビルケンシュトックジャパンの通販サイト案件で導入された。



 ヤマト運輸とディー・エヌ・エー(DeNA)は、自動運転車を使った宅配「ロボネコヤマト」の実証実験を神奈川県藤沢市で4月から始めた。車が特定のポイントまでやってきて、そこからスマホとQRコードを使って荷物を取り出すのはユーザー自身。いわば「動く宅配ロッカー」のようなサービスだ。

 12月には、ロボネコヤマトでピザーラのピザを注文できるようになった。ピザ配達は宅配よりもむしろ現実的な落とし所かもしれない。



 ZMPは7月に自走ロボット「CarriRo Delivery」を開発。ライドオン・エクスプレスの宅配寿司「銀のさら」の宅配実証や、六本木ヒルズで書類を運ぶ実証実験を行った。12月には、日本郵便、ローソン、ZMP、東北日立によって福島県南相馬市でゆうパックなどを運ぶ実証事件も行われた。

 市場調査会社Tracticaは「Warehousing and Logistics Robots」というレポートを発表した。この分野のロボットが2021年には62万台出荷されると予想している。

●ビル清掃:ソフトバンクが本格参入、ケルヒャーなど海外も注目

 ソフトバンクは11月にBrain Corp.のロボットを使って、2018年から本格的に業務用清掃ロボット業界に参入すると発表した。



 業務用ロボット掃除機には中西金属工業やアマノ、フィグラなどが既にロボットを開発している。「ビルメンロボット普及促進コンソーシアム」は12月に各種ロボット掃除機を試せる場を設立した。

 2004年からロボット掃除機を出しているケルヒャーや、2017年に「リバティA50」を出したデンマークのNilfisk(ニルフィスク)など海外からも屋内清掃ロボットには参入企業が増えつつあるので、今後、ロボットが掃除をする姿も普通に見られるようになるかもしれない。



●介護:トヨタ「ポコピィ」、RT.ワークス「ロボットアシストウォーカーRT.2」、テムザック「RODEM」

 厚生労働省も支援してロボット導入の介護への検証が進められている。目標は職員の負担軽減だ。ベッドから車椅子、車いすから風呂などに移動する移譲を補助するためのリフト活用やロボット技術の応用が期待されている。2018年度からは介護報酬も増やし、現場ニーズを開発に活かす「プロジェクト・コーディネーター」を育成するとされている。

 RT.ワークスの「ロボットアシストウォーカー RT.2」は生活支援ロボットの安全性に関するISO13482を取得。自動制御機能付きの歩行器としては初の認証取得製品だという。

 トヨタは藤田保健衛生大学と共同開発したリハビリ用歩行支援ロボットのレンタルを医療機関向けに行っている。また「ポコビィ」という対話ロボットを開発している。高齢者向けで、回想法で認知力を維持することを目指す。

 テムザックは長年開発してきた後ろから乗る電動車椅子「RODEM」を11月に製品化した。価格は98万円。NEDOとデンマークで実証実験を行って製品化にこぎつけた。



●次世代家電、コンシューマー向け:ホンダ「Miimo」、シャープ「ロボホン」、Sphero社は新会社設立

 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズの衣類折りたたみロボット「ランドロイド」は価格200万円程度からというかたちで3月から予約を開始したが、発売は2018年度後半に延期となった。2019年3月ごろになると見たほうが良さそうだ。

 ホンダは以前からヨーロッパで発売していた芝刈りロボット「Miimo(ミーモ)」を国内でも販売開始した。価格は537,840円。またモーターショーではMiimoをベースにしたコンセプトロボットなども披露した。



 アイロボット社は日本法人アイロボットジャパン合同会社を設立して、4月にローンチイベントとして記者会見を行った。代表取締役は挽野元(ひきの・はじめ)氏。200万台以上の販売実績をベースに、日本でのロボット掃除機の世帯普及率を4%から10%へと引き上げることを目標とする。コリン・アングルCEOも米国での世帯普及率を30%近くに引き上げることを目指すと語った。ロボット掃除機市場の1/3、日本では半分以上がルンバという状況を維持し、IoT化も進める。

 シャープは「ロボホン」を使った外国人旅行客向け観光案内サービスを3月に発表し4月からサービスインした。日本人もレンタルできるという。12月にはJTBと提携し、ロボホンをレンタルして京都を旅するというツアー商品も出している。

 2月には講談社や富士ソフトらがパートワークの「ATOM」を、6月にはデアゴスティーニは「ロビ2」を発売した。記事はこちら。いまも多くの人がロボットを組み立てているはずだ。


 さらにデアゴスティーニからは2018年1月から「週刊スターウォーズ R2-D2」が発売される。全100号で、総額19万8,301円(税込)。



 11月にはソニーが自律型エンタテインメントロボットとして新生「aibo」を2018年1月11日に発売すると発表した。税別価格は198,000円。別途「aiboベーシックプラン」への加入が必要となる。ソニーのロボット、人工知能関連事業のフラッグシップとしての役割も担う。



 ベンチャーのCerevoは「1/8 タチコマ」を発売した。ラジコン操作もできるしコミュニケーションもできる。クラウドを使ってほかのロボットとの並列化も可能としている。

 Anki社が2016年に出したCozmoはタカラトミーから発売され、SDKが公開されていることから、一部のロボットマニアや本職の人たちのホビー対象としても人気となっている。

 注目しておきたいのは映画『カーズ』や『スターウォーズ』のトイロボットなどで知られるSphero社の動向だ。SpheroのCTOのIan Bernstein氏とTim Enwall氏は共同で、Misty Roboticsを設立した。同社は1,150万ドルを調達し、マルチタスクが可能な家庭用ロボットを開発することを目指すという。



 課題も現実になった。LGエレクトロニクスのスマホアプリに脆弱性があることがセキュリティ企業のCheck Point Software Technologiesから指摘された。

 アカウントに紐づけられた家電が攻撃対象になり、たとえばロボット掃除機「Hom-Bot」のカメラで自宅がのぞかれるようなことが現実になってしまうというものだ。LGは9月末にこのセキュリティホールには対策したが、11月にはシャープのロボット掃除「COCOROBO」の一部機種にも危険性があると報じられた。今後も同様の問題は続く可能性が高い。



●ベンチャー:TIS・ジャフコがベンチャーに出資、パナソニック発ベンチャーにも期待

 産業革新機構は動作生成技術のリンクウィズに出資。またTISとジャフコは2月に明治大学発の警備ロボットベンチャーのSEQSENSE(シークセンス)に出資した。

 パナソニック発ベンチャーのアクティブリンクは社名を「ATOUN」に変更。ヨーロッパなどへの進出を検討していると報じられている。年末には従来機より4割軽量化した腰サポートのアシストスーツを発表した。介護領域にも出て行くという。

●大学・研究機関:慶大「General Purpose Arm」、JAXA「Int-Ball」、コロンビア大の人工筋肉

 慶應義塾大学の野崎貴裕助教らはハプティクスを使った汎用ロボットアーム「General Purpose Arm」を開発したと9月に発表し、CEATEC JAPAN 2017に出展した。「リアルハプティクス技術」と名付けた加速度規範の双方向制御で力を伝達する高精度力触覚技術で触覚のほか、視覚、聴覚を伝送できる。

 なおこの技術はすでに実用化されており、シブヤ精機と共同開発した選果機のロボットハンドに使われている。対象の柔らかさに最適な力加減で物体をつかめるという。



 九州の福岡県宗像市を中心に漂着ごみを清掃する「ビーチクリーン・ロボットプロジェクト」の様子も報じられた。『エコカメくん』という自走ロボットを使って海岸のゴミを運ぶ実験を行っている。



 信州大学繊維学部橋本・塚原研究室はロボティックウェア「curara」の新型を9月に発表し、福祉機器展に出展した。着脱しやすいように専用の椅子も開発した点が面白い。橋本教授を代表としたAssistMotion社を中心に事業化を進める。

 千葉工大はパナソニックと連携し、SLAM技術やモーター制御技術を使った次世代ロボット家電の開発を行うと12月に発表した。製品開発までを目指した大学の連携センター設置は日本では珍しい。

 JAXAは国際宇宙ステーション(ISS)内をファンで移動し、カメラで撮影する球形ロボット「Int-Ball」を開発。補給船でISSに運ばれて実験されたあと、12月には改めて金井宣茂飛行士がISSに持参した。

 コロンビア大は9月にシリコン素材を使った新たな人工筋肉を開発したと発表した。安上がりで、埋め込まれたワイヤーに電気を通すだけで動くという。特に80度にした場合は900%膨張させることができ、自重の1,000倍持ち上げることができるとしている。



●食品、警備、バイオ……多様な産業への広がり

 川崎重工業はシスメックスと共同出資して設立したメディカロイドからロボットベッドを開発。2017国際ロボット展でも出展された。

 アメリカではハンバーガーチェーンのCaliBurger(カリバーガー)がMISO ROBOTICSのロボット「FLIPPY」を導入したと話題になった。



 技術商社のマクニカは4月にアメリカSaviokeと代理店契約を締結。同社の屋内向け配送ロボット「Relay」を導入、サポート、保守、メンテナンスを含めたRaaS(Robotics As A Service)というワンストップパッケージで提供開始するとリリースした。Relayはプリンスホテルの「品川プリンスホテル Nタワー」に導入された。

 キユーピーと三菱商事が設立したパッケージサラダを事業とするサラダクラブは、レタスやキャベツなどをカットする過程にロボットを導入すると発表した。全自動化を目指すという。食品業界での取り組みは今後どんどん増えると思われる。

 シャープは北米市場で警備ロボット事業に乗り出した。「SV-S500」は屋外を自律走行する。データセンターや湾岸設備、空港、倉庫などの警備に用いる。

 メディカル、バイオ関連へのロボットメーカーの進出も続いている。2017年にもヤマハ発動機が細胞(塊)ピッキング&イメージングシステム「CELL HANDLER」を発売した。表面実装機の技術を応用して、高密度培養プレートへの移動、画像解析を行う。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック