41回目の10円カレー 日比谷松本楼、今年も25日に

【橋田正城】日比谷公園(東京都千代田区)のレストラン日比谷松本楼で25日、今年も「10円カレー」が振る舞われる。沖縄返還闘争の学生デモ隊が放火して1971(昭和46)年に建物が焼失。営業再開を求める励ましが相次いだことに感謝して始まったチャリティーで、41回目になる。

 松本楼は1903(明治36)年の創業。日本初の洋式庭園として日比谷公園が完成した年のことだ。小坂哲瑯(てつろう)社長(81)にとって、焼き打ちに遭った71年11月19日は、経営の考え方を改める転機になった。

 「あの頃は若造でね。売り上げをどう伸ばすかばかりを考えていた。こんな古い店、いずれつぶれると思っていた」

 そこに事件が起きた。当時は仕事で外出していたが、警備員が1人亡くなった。生家で、仕事場でもあった店が焼かれる様子を見ると、自分の体が燃えるようなショックを受けた。翌日、店に行くと年老いた女性が一升瓶を持って見舞いにきた。「夫は弁護士で、お宅のレストランの2階で官憲に捕まったことがある。でも、店には思い出がある。焼かれて悔しい」。涙を流していた。別の女性は「親子三代、ここで結婚式を挙げた。今度は私が結婚する寸前だった。一日も早い再開を」と言ってきた。

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