【伸びる企業の法則】機械警備&ロボット開発に注力!時代のニーズ先取り

セコムの前身、日本警備保障の創立は1962(昭和37)年。「東京オリンピックの選手村などの警備を担当したことでビジネスとして認知されました」とセコム理事の安田稔氏は話す。

 「その後、テレビドラマ『ザ・ガードマン』が人気を集め、そのモデルとなった当社の知名度は向上しました」

 セコムが当初から力を入れてきたのが「機械警備」だった。センサーと通信回線を組み合わせたシステムを構築し、異常を感知するとセンターの指示で緊急発進拠点から人が駆けつけるという、いまでは当たり前になっているオンライン・セキュリティーシステムを、66年という早い時期から始めている。

 その基盤技術を研究しているのが東京三鷹市にある「セコムIS(インテリジェントシステムズ)研究所」である。

 「この研究所の設立が1986年、セコムが『社会システム産業元年』を宣言したのが89年です。警備はもちろんのこと、情報通信ネットワークをベースに世の中のさまざまな安全・安心をわれわれの技術で守ろうという使命のもとに研究活動を行い、必要な商品を送り出しています」と、セコム執行役員でIS研究所所長の小松崎常夫氏。

 この研究所では、あらかじめ顔を認証している人しか部屋に入ることを認めない「顔認証システム」の研究や、工場などの施設の外を巡回監視するロボットの開発といった最新のセキュリティー技術の研究をはじめ、医療や介護のロボット開発にも熱心に取り組んでいる。

 「食事支援のロボットもその一つです。頸椎損傷や筋ジストロフィーなどで四肢を動かせない人でも、介添えなしに自分で食事ができるようにお手伝いをすることから『マイスプーン』と名付けました」(小松崎氏)

 卓上に置かれた容器に盛り付けた料理を、あごによる操作でロボットのアームを動かし、フォークを操作して口まで運ぶ。あたかもゲームセンターにある『UFOキャッチャー』のようだ。

 「家族やヘルパーさんに食べさせてもらうのではなく、自分の意志で食事をしたいという願いは障害を持つ人にとっては切実な思いです。購入価格は40万円ほどですが、介護保険の適用も受けられますし、月々6000円でレンタルもできます。こうしたロボットは、必要性は認められながらも、大量の需要が見込める商品ではないため量産効果は期待できません。しかしわれわれは自らも老人施設などを運営する企業でもあり、こうした機器開発の社会的使命を認識しています」

 こう話す小松崎氏は「困ったときはセコム、といわれるようになりたい」と強調した。

 ココセコムやマイスプーンを生んだ研究所は、高齢社会、一人暮らしの増加など時代のニーズを先取りしたさらなる新商品の開発に邁進(まいしん)している。

 ■西村晃 1956年生まれ。NHK、テレビ東京を経て、経済評論家。「GS世代攻略術」(PHPビジネス新書)、「ポスト・イット知的生産術」、「ルート16の法則」など著書多数。

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