犬猫の遺棄・殺処分減少へ 静岡県、民間と連携

 猫や犬の遺棄・殺処分減少に向け、県は民間企業、団体との連携を強める。野良猫などが多い42地区(政令市内は除く)を選定し、うち18地区を本年度の対策重点地区とした。警備会社がパトロールを継続実施し、ボランティアによる猫の不妊去勢活動への協力なども活発化させる。
 重点化する18地区は野良猫の情報や苦情が多い「問題地区」。飼い主への広範な啓発活動が中心だった従来の対策から、各地区の生活環境や実情に応じた対策へと軸足を移す。将来的に、自治会などを巻き込んだ恒久的な保護体制整備につなげる。
 パトロールは、東部と中西部の警備会社が2人ずつ雇用した社員が、野良猫の情報が多い海岸沿いや公園などの18地区を計画的に巡回する。動物愛護ボランティアが行う不妊去勢手術に協力するため、パトロールで得た情報は積極的に共有していく。地元住民への啓発にも取り組み、活動を後押しする。
 県は昨年度、野良猫、犬の生息地域などの正確な情報を保健所へ報告してもらうため、警備会社に委託して問題地区を洗い出すパトロールを開始。保健所の業務時間外の平日夜間・早朝と休祝日に巡回し、24時間体制で“監視の目”を光らせたところ、問題がある場所などに特徴があり、重点地区を定めて対策を講じる施策がより効果的と判断した。
 県衛生課は「保健所が主導し、問題地区で成果を出したい。対策のモデル地区を作れれば、住民理解を得た保護策なども軌道に乗せやすい」としている。

県内、昨年度殺処分4915匹 苦情は依然1万件超
 県は2007年度に策定した「県動物愛護管理推進計画」で、08~17年度の10年間で県内の保健所で殺処分する犬・猫の年間殺処分数を6千匹まで半減させる目標を掲げた。
 10年度には5974匹(犬705匹、猫5269匹)と7年前倒しで目標を達成し、11年度は4915匹(犬517匹、猫4398匹)とさらに1千匹以上が減った。
 県衛生課は飼い主への終生飼育の指導▽不妊去勢手術の推進▽飼い主を探す成犬譲渡制度の創設―を減少の主な要因に挙げている。
 また、11年度の登録ボランティア数は目標の2倍以上の212グループまで増えた。各地に存在するボランティアの活動が、県内の動物保護施策を支えているのが現状だ。
 一方で、住民などからの苦情や相談件数は計画策定時からほとんど減らず、11年度も1万2454件に上った。県は進ちょく状況を踏まえ、12年度中に計画の数値目標を見直す。

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