路駐自転車が倍増 震災後の仙台中心部 撤去一時見合わせ

仙台市中心部の放置自転車が、例年の2倍近くに増えている。東日本大震災をきっかけに自転車利用者が増えたのに加え、仙台市も公共交通機関の復旧状況に配慮し、5月下旬まで自転車の撤去を見合わせていたことが原因とみられる。震災を機に自転車で通勤・通学を始めた人の中には、駐輪場の利用に不慣れな人が多いことも背景にありそうだ。
 JR仙台駅西口近くの歩道。駐輪禁止区域の商業施設周辺には、100台以上がまとまって止められている場所が点在する。市から撤去業務を請け負う警備会社の大久保知之さん(63)は「路上駐輪が減らず、困っている。自転車につまづき、けがをする歩行者もいて危ない」と話す。
 市は震災による公共交通機関の被災やガソリン不足の影響で、自転車で通勤・通学を始めた市民に配慮し、自転車の撤去を一時見合わせていた。
 撤去は5月23日に再開したが、撤去した後に別の自転車が次々と禁止区域に止められ、震災前の状態には戻っていない。
 市によると、JR仙台駅西口周辺の路上駐輪台数は昨年6月上旬には1日当たり約150台だったが、ことしは約320台に倍増。青葉通周辺は昨年の約450台から、ことしは約780台。中心部全域では昨年より1.7倍の増加となった。
 一方、自転車利用者が増えたにもかかわらず、駐輪場の利用は激減している。ことし3~4月の市の駐輪場の利用台数は延べ108万台で、昨年より27万台少なかった。
 これまで電車通勤だった青葉区の会社員男性(31)は震災を機に自転車通勤を始め、今も続けている。帰宅途中に気軽に買い物などに寄れる自転車の便利さに気付いたからだという。
 男性は「いままで撤去されたことがないから、つい歩道に止めてしまう。まだ駐輪場がどこにあるのか分からず、利用していない」と話す。
 市は「環境、健康意識が高まる中で、震災を機に自転車の利点を実感した市民が多い」(道路管理課)と分析。路上駐輪の増加は「撤去を控えた間に、どこにでも駐輪できるという意識が定着してしまったからではないか」(同)とみている。
 今後、路上駐輪が常態化している場所に集中的に人員を配置して、撤去活動を続ける方針だ。

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