山形地本 他機関との調整重ね 庁舎内で24時間態勢

宿泊場所や燃料確保、夜間警備…複数の官署同居で課題



 3月11日の東日本大震災の発災以来、24時間態勢の指揮所でミーティングを行う山形地本の部員。机を囲んで中央奥は小泉地本長

 東日本大震災から2カ月。被災地に隣接する山形地方協力本部(本部長・小泉秀充事務官)は3月11日の発災当初から現在も24時間の非常勤務態勢を維持している。地本が所在する山形地方合同庁舎は法務局など5官署約130人が勤務するが、緊急事態に伴う「庁舎内の宿泊」が想定されていないため、24時間態勢を整える上で課題もあった。山形地本では「今回初のケースで得られた教訓や問題点を検討して今後に生かしたい」としており、合同庁舎に所在する全国の地本にとってはモデルケースとなりそうだ。

「教訓や問題点検討し、今後に生かしたい」
 山形地本は発災当初から現在まで24時間の非常勤務態勢で指揮所を開設、通常業務の募集広報活動と並行して震災関係で県の災害対策本部などとの連絡調整も引き続き行っている。被災地に派遣されている災派部隊の輸送支援なども行ってきた。
 山形県では現在、約20施設で500人弱の被災者を受け入れるなど県を挙げて被災者支援を行っている。
 地震発生直後、全部員は避難指示に従って屋外に一時避難。安全が確認されるまで庁舎への立ち入りが禁止されるなど混乱が続く中、地本は小泉本部長の指揮で県庁に連絡要員(LO)を派遣するとともに、部員は官用車のラジオなどを使って情報収集に当たった。
 安全が確認され、庁舎への立ち入りが許可されると、部員は直ちに指揮所の開設、職員の安否確認、各出張所とその周辺の被災状況の把握など一連の行動に取り掛かった。
 ところが、ライフラインが断絶し、肝心の指揮システムがダウンしていることが判明。停電、断水に加え、自衛隊の専用電話回線も不通となり、携帯や一般電話の通信も制限されてしまった。部員は予想をはるかに超える被害に戸惑いながらも、車載ラジオや個人の携帯電話のワンセグ機能でテレビ放送を受信して情報収集に当たるとともに、近傍の事務所と本部間の連絡にはその都度「伝令」を走らせ、つながる気配のない災害用PHSに望みをかけてひたすらメールを送り続けた。
 これとともに問題点も浮き彫りに。地方合同庁舎は複数の官署が同居しているため、即応態勢を取る自衛隊の駐屯地や基地と違って24時間の勤務態勢は想定されていない。夜は閉鎖される決まりで、「庁舎内での宿泊」という概念がなく、いざ地本が24時間態勢を確立しようとすると、庁舎内での宿泊場所の確保や夜間の警備などに他官署との細かな調整や取り決めが必要となった。
 また、停電が長期化したため、非常用発電機の燃料が不足するという想定外の事態も発生し、合同庁舎に入居する各機関の長が緊急会議を開催。この結果、地本が燃料確保を実施することに決まった。
 さまざまな調整を重ねて24時間の緊急態勢を敷くことができた山形地本。「地本が自衛隊の組織である以上、非常事態に対応するための装備等が不可欠」とした上で、「合同庁舎に入居する自衛隊組織の問題点と在り方を明確にし、いかなる事態にも即応できる態勢の構築を図っていきたい」と話している。


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