そう簡単に決められぬ夏の花火大会…悩む主催者

東日本大震災後、被災地に配慮し、群馬県内の各種イベントの中止が相次いだ。そんな中、夏の風物詩である各地の花火大会も中止か実施かで主催者は対応を決めかねている。一方、自粛ありきでなく、イベントの形態を変えて実施に踏み切る流れも出始めている。

 8月13日に開催予定の前橋花火大会。主催する前橋市や商工会議所などが現在、開催の判断について検討を重ねているが結論は見いだせていない。関係者は実施を懸念する要因として、原発事故の長期化で夏に電力不足が心配されることや、計画停電で信号機が消えるなどすれば雑踏警備に支障を来す恐れがあることなどをあげている。

 協賛金が集まるかどうかも見通しが立たない。昨年は約400社から1700万円が集まったが、市観光課の担当者は「企業自体が被災し、東北の事業所などの再建に資金を投入したり、義援金を支出したりしている可能性がある。とても協賛金をお願いできる状況にない」と打ち明ける。

 高崎市で毎年8月に行われる「高崎まつり」でも、名物の花火を行うかについては見通しが立っていない。伊勢崎市は、3万発を打ち上げる北関東最大級の「いせさき花火大会」を10月、3年ぶりに復活させる予定で予算も組んでいたが、「今は白紙の状態」(市文化観光課)という。

 一方、規模を縮小したり、延期したりして実施にこだわった例もある。

 館林市中心部を流れる鶴生田川の上には16日から、被災地復興の願いを込め、こいのぼりが約1000匹掲げられている。

 もともとは恒例の「世界一こいのぼりの里まつり」として6340匹を揚げる予定だったが、縮小して実施。こいのぼりの一部には、子どもたちが「がんばろう日本」などと書き込んでいる。市民からも好評で「こんな時期だからこそ、上り調子の象徴である、こいのぼりから元気を得たい」との声が寄せられたという。

 渋川市では、4月29日~6月5日に市中心部で開催予定だった「花と緑のぐんまづくり2011in渋川」を秋に延期することを決めた。しかし、震災の影響などで景気が落ち込んでいる地元からは「イベントを景気づけにしたかったのに、決定が早すぎた」という声も一部から漏れる。

 前橋市では7月7~10日に恒例の「前橋七夕まつり」が実施されるが、例年の歩行者天国は設けず、範囲を縮小する。市や商工会議所でつくる実施委員会は「震災復興をテーマに来場者に義援金を募りたい。少しでも被災地支援につながれば」と、祭り開催の意味合いを強調する。

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