巨人開幕戦の宇部開催にプロ野球の未来のヒントあり

東日本大震災の影響を受け開幕延期となった2011年のシーズンが、4月12日、セ・パ同時に開幕。約3週間の開幕延期となったことによって組み替えられた全日程表が先日発表されたが、注目すべきは、なんといっても巨人の開幕戦がユーピーアールスタジアム(山口県宇部市)で行われることだ。1952年にフランチャイズ制が確立して以降、巨人が地方球場で開幕戦を行うのは初めてのこと。宇部に決まるまでに世論を敵に回した巨人だが、この決断には今後のプロ野球の在り方のヒントがある。


46年ぶりのプロ野球公式戦の開催に興奮する宇部
二転三転し、パ・リーグとの同時開幕をセ・リーグが決定した日、「巨人の開幕戦は宇部、2戦目は北九州」と発表された。この報道にピンと来なかった野球ファンも多いことだろう。地方球場での開幕戦というだけでも驚きだが、オールスター戦が開催されたことがある松山や新潟、プロ野球の公式戦が開催されることが多い静岡や富山ならともかく、宇部である。宇部と野球場がつながらないのも無理はない。宇部でプロ野球1軍の公式戦が行われるのは46年ぶりのことなのだ。

東京ドームにこだわっていた巨人が当初のスケジュールどおりユーピーアールスタジアムを選択した真の理由は分からないが、この決定には今後のプロ野球の興行の在り方のヒントがあるような気がしてならない。

「46年ぶりの1軍公式戦開催ということだけでも光栄なことでしたが、開幕戦となればなおさらです」と新聞に語ったのは、宇部市体育協会の統括者・山根隆義氏。事務局の上野豪之氏は「周辺警備に80~90人を充てる計画だったが、増員しなければ。グラウンド整備にも、さらに力を入れないと」と語る。突然、開幕戦の場所となったことに対する緊張感が伝わる言葉である。チケットを購入していたファンは、あり得なかった話に「夢の夢が実現した」「開幕投手は誰になるのかな」と今から開幕が待ちきれないといった様子である。

プロ野球をいつでも見に行ける環境にある都市部の人たちにとっては理解できないことかもしれないが、日頃、間近でプロ野球の公式戦を見る機会が少ない人たちにとって、プロ野球は特別なイベントなのだ。衛星放送のインフラが整備され、ひいきのチームの試合を毎日テレビで見ることは可能になったが、やはりテレビ観戦と球場での生観戦はまったく異なる。どんなに放送技術が進化したとしても、球場の臨場感を100%伝えることは難しいだろう。プロ野球に限ったことではないが、プロスポーツはライブで見るのが一番楽しめるコンテンツなのだ。

今回は、開幕戦という特別な試合となったが、何も開幕戦にこだわることはない。主催試合の数試合を、毎年プロ野球公式戦が開催されない地方球場で開催することをプロ野球全体で取り組んではどうだろうか。収容人数の違いによる収入減、移動や宿泊にかかる経費などクリアしなければならない課題はあるが、あえて今以上に地方球場開催を増やすことが結果的にプロ野球にもたらす影響は大きいと思う。


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