被災者の就業支援を急ごう

東日本大震災で被災した人たちには就業支援も欠かせない。勤め先が津波に流されるなどで収入を失った人や、農業や漁業が営めなくなった人は膨大だ。政府と自治体は雇用の場の確保を急ぐ必要がある。

 岩手、宮城、福島3県では被害が特に大きかった臨海部の市町村だけでも、水産加工や製造、卸小売など全業種合わせ、84万人が就業していた。職を失った人数はまだ明らかでないが、大規模なことは確実だ。

 厚生労働省は震災を受け、勤め先の事業所が被災して休業を余儀なくされている場合にも、雇用保険の失業給付が受けられるようにした。

 加えて、これまで就いていた仕事に当面は戻れない人たちへの就業支援策が要る。被災した各県での雇用の受け皿確保と、首都圏や関西など遠方の避難先で仕事に就きやすくすることの両方が必要だ。

 被災地では復興の公共事業が増える。政府や自治体は土木作業や建設機械の運転、警備などに被災者が優先的に就労できるようにすべきだ。

 阪神大震災では特別立法で、被災地での公共事業を受注した企業に、資材運びなどの単純労働者の4割以上は被災して失業中の人を雇うよう義務づけた。だが単純労働者は建機の運転技術者などに比べ需要が少ない。日ごろから確保している労働者で足りれば企業は雇用義務を免れることもあって、実際に雇われたのは105人だけだった。

 公共事業への被災者の就業を促す特別立法は今回の震災でも検討すべきだが、人材の需要がある分野を対象にし、雇用義務を課す場合は就労促進の効果が上がるようにしてほしい。機械操作などを習得できる職業訓練も国や県は用意してほしい。

 被災地を離れ遠方へ避難した人たちには、避難所で職業紹介が受けられ、派遣労働者の登録もできるようにすべきだ。ハローワークが避難所で就職相談を始めているが、民間の人材紹介や派遣会社は業務が営業所内だけに限られ、出張窓口を設けることが事実上認められていない。

 被災者の就業支援に、民間の力をもっと活用する必要がある。それを阻む規制を見直してはどうか。被災者が生計を立てられるよう政府はあらゆる手を打ってほしい。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック