不景気影響?駅員受難 客の暴力、過去9年で3倍に

駅員や車掌に暴力を振るう乗客があとを絶たない。全国の大手私鉄では9年間で3倍に。鉄道各社は、警備員を配置したり防犯カメラを増やしたりするなど対策に頭を悩ませている。

 「なんで払い戻しできんのや!」。南海電鉄の大阪府内の駅に勤務する30代の男性駅員は4月の夜、酔った男性客に頭突きをされて鼻の骨を折る重傷を負った。運賃の精算をめぐって他の駅員に詰め寄っているのを止めようと割って入った時の出来事だ。

 別の関西の私鉄でも昨年3月の深夜、客の対応をしていた男性駅員が、近寄ってきた別の男性客に「こっちの対応をしろ」といきなり右胸を小突かれた。「座席で眠り込んだ乗客の体をゆすって起こしたら突然殴られた」といった報告例もある。

 日本民営鉄道協会(東京)によると、首都圏や京阪神などにある大手私鉄16社の駅員や車掌が2009年度に客から暴力を受けたのは計231件で、調査を始めた00年度の75件の約3倍に上る。近鉄、南海、京阪、阪急、阪神の在阪5社だけで09年度は3割を占めた。加害者の多くは酔っぱらいで、週末の午後10時から終電までの間に多発している。

京阪の広報担当者は「(08年9月の)リーマン・ショック以降、特に目立つ。不景気で生じる様々なストレスを、酒でも飲んで発散しようとするのでしょうか」と話す。

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 南海は対策として、09年度に大阪市内などにある4駅で、ホームの防犯カメラを増設した。広報担当者は「お客さんであっても犯罪は犯罪。厳しい態度で対処したい」という。

 阪急では約2カ月に1回、新任の駅員や乗務員らを対象に「危険予知トレーニング」を開いている。泥酔した乗客のイラストを見ながら、起こりそうなトラブルの種類とそれを避ける方法を話し合う。駅員全員に防犯ブザーを持たせるなどの対策をとっている私鉄も多い。日本民営鉄道協会の担当者は「暴力は、相手はもちろん、自分自身や家族も不幸にすることを広く社会に知ってもらう活動を続けていくしかない」と話す。

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 JR西日本は「逆恨みなど新たなトラブルの恐れもある」として具体例は明らかにしていないが、09年度は146件で、04年度(45件)と比べて3倍以上になった。社員の防衛策のため、棒の先のU字状の金具で相手の動きを封じ込める「さすまた」を全駅に常備している。

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