検察官の判断おかしい! 審査会強化は司法変えるか

検察官が不起訴処分にした容疑者を市民の代表が再度審査する検察審査会制度。これまで拘束力がなかった審査会の「起訴相当」議決に法的拘束力が与えられ、裁判への道が開かれることになった。

「裁判員制度に匹敵するぐらい大きな意味を持つ」(法学者)というこの制度の強化が、刑事司法に何をもたらすのか。

番組はその背景と課題を取り上げた。

「起訴へ変更」7%だけ
検察官が犯罪の被疑者に対し有罪を求める公訴権に、民意を反映させる趣旨で検察審査会制度が始まったのは60年以上も前の1948年7月。

しかし、検察審査会が出す「起訴相当」の議決については拘束力を持たないままできた。

このため「起訴相当」の議決を受けて検察官が「不起訴」から「起訴」に変えたのは、番組によるとこれまでわずか7%という。

その「不起訴」が変えられなかった典型的な例が2001年7月に起きた兵庫県明石の花火大会事故。見物客が折り重なって倒れ子供やお年寄り11人が犠牲になった事故だ。

この事故で、現場の警備を担当していた明石署の警察官5人が業務上過失致死傷の疑いで起訴されたが、警備の最高責任者である署長や副署長は「現場の状況を知ることができなかった」として不起訴となった。

この不起訴処分に納得できない遺族が検察審査会に申し立てを行った。

審査の結果、「積極的に適切で有効な対応を何一つしなかった」として、2004年と05年の2度にわたり「起訴相当」の議決を行っている。が、検察側は、不起訴の判断を変えることはなかった。

一方、起訴された5人の警察官は1、2審とも有罪の判決を言い渡された。ただ、2審の判決ではこの不起訴処分に疑問を投げかける、次のような異例の言及がなされた。

「被告らのみが処罰されることについて公平の観点から正義に反する側面があることも否定できない」
この判決文を書いた当時の裁判長は番組のインタビューに、一般論としたうえで次のように語っている。「『起訴しなさい』とは言えないわけで、虚しさがあるかな~と思いましたね」。

捜査権ない指定弁護士で大丈夫?
こうした状況の中、これまで「どういう基準で起訴、不起訴を判断しているのでしょうかね」(国谷)という疑問がつきまとってきた。

今回の司法制度改革の検討会に参加し、制度設計に携わってきた東京経済大の大出良知教授はこの疑問に……

「(その判断基準は)ブラックボックスといっていい。(検察側は)適切な判断で行われているから99%有罪になるというが、有罪かどうかは裁判が決めること。それが前倒しで行われてきており、不透明感はぬぐえない」。
今後は、検察審査会が「起訴相当」の議決を2度重ねて判断すれば、検察官に代わって指定弁護士が被疑者を起訴し、裁判が開かれる。

ただし、残る課題も大きい。捜査権が付与されていない指定弁護士が「検察官」の職務を行う場合、捜査を直接指揮することはできない。

必ず検察官に嘱託して補充捜査を行う必要がある。その際、検察官の協力を十分得られるかどうか…。「そこが大きなカギになる」と、大出教授は指摘する。

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