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zoom RSS 3文字英語を駆使する「ガイジン」マーケター 「ケータイ屋」KDDIをどう変える?

<<   作成日時 : 2018/07/12 07:47   >>

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 KDDIのソリューションマーケティング部部長として法人マーケティング部門を率いる中東孝夫氏は、外資系IT企業などでBtoB(企業向け)マーケティングを進めてきた手腕を買われ、2016年に入社した。携帯電話の国内市場が飽和状態とされるなか、自身の役割を「社員の意識を変革してKDDIの立ち位置を変えること」と話す中東氏に、マーケティングの要点を聞いた。

■「ケータイ屋」脱却こそ使命、市場見る目を前向きに
 ――KDDIで、どんな役割を求められていますか。
 「経営陣が私を入社させたのは、マーケティングの目を入れてKDDIの変化や成長を加速させるためだと思っています。KDDIを単なる『ケータイ屋』でなく、通信関連なら何でもできる企業、という立ち位置に変えるのがマーケティング責任者としての私の仕事です」
 「マーケティングの目とは、市場に対する見方をポジティブにすることです。例えば、日本の市場を『人口減少は避けられない』と分析するとします。それをケータイが売れなくなるとネガティブにとらえるのでなく、むしろビジネスチャンスが広がると考えるのです」
 「ビジネスチャンスのひとつの例がドローン(小型無人機)です。携帯通信用のネットワークを使えば、ドローンをかなり遠くまで飛ばせるので、小口配送や広範囲の警備、農業の生産管理など多くの分野で人手不足をカバーできます。落ちたときの保険には、グループの金融機能を使うといったように幅広く対応できます。今いる社員やグループ企業などの能力や強みを生かせると考えるのです」。
 ――企業にとってマーケティングの意味は何でしょう。
 「世の中に働きかけるのに一番いいのがマーケティングだと思います。営業部門だけでなく、経営にも関わって会社のあり方や方向を変えられるのがマーケティングだからです。私がアドビシステムズにいた当時、CMO(最高マーケティング責任者)のアン・ルネス氏は『会社がなぜそこを目指すのか、理念をどう世界に浸透させるのか』という課題に取り組んでいました。世界一のマーケティングカンパニーといえるアドビで、マーケティングの可能性に気づきました」
 「経営の方向を変えるといっても、日本企業は外資系と違ってすぐ人員削減をするようなことはありません。既存の人材を大事にする日本企業のなかで、方向をどう変えるのか。むしろそこがマーケティングとして面白いと感じます。KDDIの社員は能力が高いので、意識を変える仕掛けをつくり、行動を変えていくことがマーケティング部門の役割だと考えています」
■社内を納得させる「武器」を提供
 ――BtoBマーケターは具体的に何をするのですか。
 「マーケターの仕事の本質は、価値を創ってお客に届けるということです。この点では、BtoBもBtoC(消費者向け)も変わりません。BtoCでは、消費者の意思決定に感情的、情緒的な要因が大きく関わるので、マーケターはそこを考えます。一方、BtoBでの意思決定では、論理的な要因が大きい。買う側の担当者は、なぜこの企業と契約するのか、社内に説明しなければならないからです。BtoBマーケターは、その説明材料という『武器』をどう提供するかが重要なのです」
 ――これまでKDDIで取り組んできたことは。
 「大きく分けて3つあります。1つ目は私の属する組織のミッションをはっきり定義し、社内に浸透させることです。2つ目は社員とのコミュニケーションを深めること。3つ目が業務や組織を変革するためのマネジメント手法を導入することです」
 「まず組織のミッションを『法人事業へのビジネス貢献』と定めました。これは『ケータイ屋・回線屋』というイメージを脱却し、BtoB企業として顧客企業の購買サイクルにがっちり入り込むことです。(デジタル技術でビジネスモデルを変革する)デジタルトランスフォーメーションやクラウド、セキュリティーなど通信が関わるすべての分野で、顧客企業に『KDDIはリーダー的存在であり、取り引きを拡大したい』と思ってもらうことから始まります。そのために私の部署で、専門誌や調査機関といった第三者からの評価を高めたり、広告や宣伝などを強化したりする統合コミュニケーション戦略(IMC)を手がけます」

■「チェンジモンスター」は要らない
 ――あとの2つはどうでしょう。
 「社員とのコミュニケーションは、まず部内から始めました。私は外資系企業からやってきて、英語3文字のマーケティング用語をよく使う『ガイジン』で、すぐには信頼してもらえません。そこで顔を合わせる頻度と回数を増やし、信頼関係を築く努力をしました。心理学でも、繰り返し接すると好意が増すといいますよね。具体的には、部員と1対1で週1回、30分間話を聞いています。外資系企業でよく使う1on1(ワン・オン・ワン)という手法です。デジタルはツールでしかありません。直接顔を合わせて理解と共感を得ることが重要です」
 「1on1の効果で、『部長が何を考えているか分かった』とか、『こんな課題解決策を考えました』といった部員の声が増え、受け身で仕事をとらえる態度が減りました。これは顧客の悩みを自分のこととして考える、という姿勢につながります」
 「3つ目の組織変革では、チェンジマネジメントという手法を取り入れました。部員に『意識や組織を変えて前向きに』と言っても、意識せずに否定的な姿勢をとってしまいがちです。人の心の中には、変わることへの恐れや反発が必ずあるからです。例えば『これは私の仕事ではない』と枠に閉じこもったり、『どうせ掛け声だけだ』と冷ややかにやり過ごそうとしたりすることです。これは私自身も陥ってしまいがちな態度です」
 「こういう否定的な態度をチェンジモンスターと名付けました。ちょっとおかしみのある名前をつけることで、第三者化して受け入れやすくなり、個人攻撃につながらないようにもなります。部長として『チェンジモンスターは評価しない。変革を引っ張るチェンジリーダーになろう』と呼びかけやすくなる効果もあります」

■ビジネス創出の「場」を設定
 ――社外に対しての働きかけはどうですか。
 マーケターには「軸」と「場」を設定する力が必要です。KDDIは膨大なデータを持ち、開発も機敏にこなしています。この取り組みをデジタルトランスフォーメーションという軸で位置付けられないかと考えていました。社内には適したコンテンツが無く、専門家もいませんが、それでも「be CONNECTED」という定期刊行誌と自社サイトをつくり始めました。
 コンテンツは「場」をつくることで生まれます。最初は稚拙でも、期限を決めて必要な時間をかけ、コンテンツを生み出していく仕掛けです。コンテンツの担当者が育ってくれば、「場」で語る人が増えて、徐々に組織自ら動き始めるようになります。
 次の「場」は今夏、東京の虎ノ門に誕生させる「KDDI DIGITAL GATE」です。KDDIの開発メンバーやグループ会社、スタートアップ企業支援プログラムの「無限ラボ」の参加企業などが集まり、法人の顧客と一緒になって革新的な商品やサービスを生み出す「デザインシンキング」に挑戦しようという空間です。これはKDDIが顧客企業とともに、ビジネス創出という軸に挑戦するための場だと考えています。
 ――社内の改革の効果は出ていますか。
 「部内では一定の理解が進みましたが、社内全体ではまだ悪戦苦闘しているのが実情です。マーケティング組織の役割を社内に浸透させる必要があり、今それに取り組んでいます」
 「私のいるマーケティング部門が手がける業務と、社内から『これをやってくれるんだろう』という期待にはギャップがあります。このギャップを埋めるには、例えば過大な期待については『できません』とはっきり伝えるべきでしょうし、関係者の満足度を調べるといった地道な取り組みも大切です。『マーケティングは金ばかり使って……』と言われないためにも組織間の無用ないざこざや対立を避けたり、解消する努力が欠かせません」
中東孝夫 消費財メーカーの宣伝部でブランドマネジメントなどを手がけた後、外資系IT企業でBtoBマーケターとして活動。2001年からリードジェネレーション(見込み顧客の獲得活動)や顧客データベースづくりなどBtoBマーケティングの立ち上げに携わった。16年8月にKDDIに入り、現在ソリューション事業本部のソリューション事業企画本部ソリューションマーケティング部部長。

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