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zoom RSS 東京都迷惑防止条例施行初日、条例巡りジャーナリストらが幸福の科学施設前で大揉め

<<   作成日時 : 2018/07/02 16:00   >>

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 今年3月、東京都迷惑防止条例が改正された。住居等の付近を「みだりにうろつく」行為等が新たに様々な禁止行為が追加され、罰則も強化されたため、市民運動や取材活動を規制することもできる危険があるとして批判を浴びた。この条例が7月1日に施行された。果たして、新たな条例は本当に市民運動や取材活動の障害になるのか。東京・白金にある幸福の科学教祖・大川隆法総裁の住居付近で、ジャーナリスト4名が取材を試みた。

⇒【画像】取材者を睨みつける教団職員

◆取材活動は改正都条例違反とされるか?

 有名女子校や小学校が建ち著名人も住む、白金の閑静な住宅街。そのなかに、白壁に金ピカの巨大な仏像などが鎮座する建造物が、異様な存在感を放っている。「大悟館(教祖殿)」。教祖・大川隆法総裁の住居として使用されている、宗教法人幸福の科学の施設だ。

 幸福の科学は昨年10月から、公道から大悟館を撮影する筆者やほかのジャーナリストなどの取材を妨害してきた。大悟館にカメラを向けると、教団職員らが退去して詰めかけカメラの前に立ちはだかったり、手やプラカードをかざしたりして邪魔をする。大声を出したり取り囲んで威圧したりもする。その様子をネット上で公開すると「肖像権の侵害だ」とクレームをつける。

 今年3月に都条例の改正案が都議会で可決されると、禁止行為として新たに追加された住居等の付近を「みだりにうろつく」行為に当たるとして、筆者に対して抗議書を送付してきた。そこで改正条例施行日の7月1日に大悟館前の行動に取材に行ったらどうなるのかという検証を行うのが、今回の取材の目的だった。

 7月1日、4人のジャーナリストが大悟館前に近づくと、すでに数人の職員が待ち構える。何人かはカメラをこちらに向けて撮影している。もちろん、ジャーナリストの側も撮影している。

「やめてください」

「取材はお受けしません」

「迷惑です」

「お帰り下さい」

 口々に抗議しながら、撮影中とわかっているカメラの前に自ら写り込んで、取材を妨害する。いつの間にか教団職員らの数は10人ほどに膨れ上がっていた。

 ジャーナリストたちは公道から大悟館を撮影しようとしただけ。しかし、それだけのことに対して大量の教団職員らが妨害するため、その様子が取材対象になってしまった。教団側が騒げば騒ぐほど、ジャーナリストたちはそれを取材する。

 もともと騒ぎになる要素は何もないのだが。

 大悟館の表側での取材を終えた一行は、裏手に回る。裏側の外壁には、これまた巨大なヘルメス像が天を指さしている。

 大悟館の裏側でも、また教団職員らが立ちはだかる。ジャーナリストたちとの押し問答が続いた。

 ところが、そのうち年配の職員が若い職員らに、こんな声をかけた。

「もういいよ。これ単なる迷惑行為だよ」

 そう言って職員たちを促し、その場を後にしようとする。筆者は思わずツッコミを入れてしまった。

「ちょっと待って。単なる迷惑行為だと引き上げるんだ。取材だと邪魔をするの? おかしくないそれ?」

 結局、職員らは全員引き上げ、その後、ジャーナリストたちは大悟館の表側に周り、誰にも邪魔されず存分に建物の外観を撮影することができた。だったら、職員たちは一体何のためにあんなにたくさん出てきたのだろう。

 取材は30〜40分ほどで終了した。

◆新条例施行でも警察は取り締まらなかったが……

 7月1日に取材を行うことは、ネット上で事前に予告していた。幸福の科学は筆者が住む地元の警察署と、大悟館の所轄である高輪署に「相談」。2つの警察署から筆者に対して連絡が入った。

 しかし取材を行わないようにとの要請はなし。違法行為のないように注意してほしいという内容にとどまった。当日は警察も現場に来るという。

 迷惑防止条例の条文では、つきまとい行為等について「正当な理由なく」という条件がついている。また「都民の権利を不当に侵害しないよう留意し、(略)濫用するようなことがあってはならない」とも定めている。普通に考えれば市民運動や取材活動は規制対象にならない。この条例が批判されている理由は、何が正当な理由であるのか条文が具体的ではないため、警察などによる恣意的解釈も可能だという点にある。権力側にとってなにか都合が悪い事情があれば、市民運動や取材活動を規制することもできてしまう、という批判だ。

 しかし少なくとも今回のケースでは、警察は事前に「取材」を正当な理由とみなした。当日の現場でも、警察官が条例違反の可能性を口にしてジャーナリストらの公道を抑制する場面は一切なかった。ある警察官は、筆者にこんなことを教えてくれた。

「条例が禁じているつきまとい行為は、反復性がある場合です。繰り返して初めて違反になる。住居付近をみだりにうろつくという項目は7月1日に施行される改正条例から追加されたものなので、その回数は施行日から数えるんです。ですから、仮に禁止行為であると解釈された場合であったとしても、1回目である今回、警察が摘発することはない」

 この点は幸福の科学もわかっていたようだ。現場では、大悟館の表側の取材を終えたジャーナリストたちが裏側に回って取材を行った際、教団職員がこう言い放った。

「これ、2回目ですよね」

 つまり、反復しただろうと言いたいわけだ。

 後日、幸福の科学が被害届を出すなどした場合はどうなるかわからないが、今のところ警察による条例の濫用や拡大解釈はない。その点では、一安心だ。

 しかし、今後それが起こらないという保証にはならない。条文上は恣意的運用も可能であることに変わりはないし、条例が施行されて時間が立てば「反復」とみなされるケースも増えるだろう。引き続き、条例の運用について監視する必要がある。

 また、警察が動かなくても、私人が条文を悪用し気に食わない相手に不当な圧力をかけるという形での濫用はすでに起こっている。今回の幸福の科学がやったことが、それだ。

 言うまでもなく公道は幸福の科学が所有、管理するものではない。往来は自由だし、個人のプライバシーに関わるようなものは別として、公道から見える範囲で建物などを撮影する取材も自由だ。教団の許可を取る必要もない。そんな当たり前のことが、白金のこの施設の前の公道ではできない。

 幸福の科学は、沖縄の基地反対運動を暴力的だの何だのと非難している。しかし当の幸福の科学自身が、公道での取材活動を実力行使で妨害し学生を恫喝し、自由な取材や報道をさせないよう圧力をかけているのだ。

 今回、筆者たちは新条例を盾にした教団からの圧力を相手にしなかった。しかし、これが一般市民だったらどうだろう。問題を起こした政治家や官僚などへの抗議活動をしようという時、彼らから「デモを行えば迷惑防止条例違反で刑事告訴する」と予告されたとしたら、それでも一般市民は萎縮することなくデモを行なうことができるだろうか。少なくともデモ参加者が減るなどの悪影響は避けられないだろう。

 警察が実際に摘発を行わなかったとしても、新条例はこうした形で悪用することもできる。

◆逆に幸福の科学が条例違反行為か

 今回の大悟館前での取材時間は30〜40分ほど。午後2時には終わったが、実は、この後が長かった。

 取材後、ジャーナリストや野次馬は少し離れた場所にある喫茶店へ移動。自動車で来ていた筆者はいったん別れて駐車場に向かった。すると、尾行者が2人ついている。取材活動はすでに終えている。近くに幸福の科学施設は1つもない。筆者はたばこ店の喫煙スペースに逃げ込んだが、尾行者は何度も中を覗きながら店の前を行ったり来たりする。

 これこそ単なるつきまといだ。迷惑防止条例違反だし、軽犯罪法違反でもある。筆者の110番通報を受けて制服警官が到着。すると尾行者の1人は現場から逃げ、残り1人が警官の職務質問を受けることに。

 ほどなく、大悟館前にもいた職員らと教団の弁護士が応援に駆けつけ、尾行犯と警察の間に入ってやり取りを始めた。警察によると、尾行犯は「警備をしていただけ」と主張しているという。教団施設でも何でもないマンションの入り口に立って、何を警備しているのか。なぜ尾行ではない警備をしている人間が、筆者が入ったたばこ店の中を見ながら何度も店の前を通るのか。

 一度は筆者と別れたジャーナリストらと野次馬も駆けつけ、つきまとい事件の取材として取材が再開された。

 教団の弁護士が警察官を通じて、筆者に対し「警察署内で2人だけで話し合いをしたい」と伝えてきたが、筆者は警察官に、こう伝えた。

「尾行犯がこの場で幸福の科学の人間であることを認め謝罪し、もう二度とやりませんというのであれば収めてもいいが、そうでないなら刑事告訴して事実関係をはっきりさせたい。話し合うことは何もない。この場で認めるのか認めないのか。それだけだ」

 弁護士と教団職員らは警察官を通じて「話し合いはしない」と言い残し、現場を立ち去っていった。謝罪の言葉もない。

 しかも尾行犯、教団職員、教団の弁護士が一緒に歩いていく。筆者含めジャーナリスト一行は、尾行犯が幸福の科学施設に帰っていくのかどうかを確認するため、「逆尾行」を始めた。その場にいた警察官にその目的を伝え、監視のため警察官も同行した。

 尾行に気づいた幸福の科学一行が引き返して来た。警察官に何か訴えている。どうやら筆者たちの尾行を「つきまとい行為だ」と抗議しているようだ。人様を尾行しておいて、被害者が犯人の正体をつきとめようとすると、これだ。盗人猛々しいとは、まさにこのことだろう。

 結局、尾行犯、教団職員、弁護士らは、同じタクシーに乗り込んで去っていった。尾行犯が教団関係者であることは明らかだ。

 その後、警察による実況見分(現場検証)が行われた。全て終了したのは夕方6時頃だった。

 迷惑防止条例を盾にして取材を妨害する幸福の科学自身が、取材者への報復として迷惑防止条例違反の行為を行なう。ある意味、一貫して「迷惑防止条例」がテーマとなった取材だった。

<取材・文・撮影/藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)・Twitter ID:@daily_cult>

ふじくらよしろう●1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)

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