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zoom RSS 拡大する「グレーゾーン事態」 対処は万全か 中国公船、軍指揮下に置く改革

<<   作成日時 : 2018/07/05 17:01   >>

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 公益財団法人・中曽根康弘世界平和研究所(藤崎一郎理事長)が6月末、「海と空のグレーゾーン事態への対処」と題した提言書を発表した。中国公船の領海侵入が続く尖閣諸島(沖縄県石垣市)の状況を念頭に、海上自衛隊と海上保安庁の連携を強化し、平時でも有事でもないグレーゾーン事態への対応に万全を期すよう求めた。中国は7月から公船を軍の指揮系統下に置く機構改革を実施。尖閣周辺でも活動をさらに活発化させる恐れがあり、専門家は警戒を強めている。

 提言書は防衛省・自衛隊OBら6人の「グレーゾーン事態研究会」(委員長=斎藤隆・元統合幕僚長)がまとめ、6月26日に発表した。同日、東京・市谷の防衛研究所で発表を兼ねたシンポジウムも開催。佐藤謙理事長(当時)は「グレーゾーン事態は、わが国周辺でいつ起こってもおかしくない。対処は最重要課題だ」と強調した。

 グレーゾーン事態とは、自衛隊に防衛出動が命じられる「有事」とまでは言えないが、治安維持を担う海上保安庁や警察だけでは対応しきれない事態を指す。尖閣諸島に武装漁民が上陸する事態などが想定されている。

 その尖閣周辺海域で、中国は「管轄海域でのパトロール」と称する公船の領海侵入を常態化させた。6月29日には尖閣・大正島の接続水域で海軍の病院船を航行させるなど、じわじわと行動を積み重ねている。

 さらに、日本の安全保障関係者が懸念しているのが7月1日に中国が行った機構改編だ。公船を所管する中国海警局が、中央軍事委員会が指揮する人民武装警察(武警)に編入された。つまり中国公船は海上法執行機関という外形を保ったまま、事実上、軍の指揮下に置かれたことになる。

 「これまで通り白い公船が尖閣周辺にいるが、実はそれは軍に属する船だという状況が起こる。公船を装う軍艦による現状変更を進めてくる可能性もある。われわれも軍事的対応をしなければいけないこともあるかもしれない。それがエスカレーションの引き金になることもある」

 シンポジウムで、防衛研究所の飯田将史主任研究官はそう指摘し、「新たにグレーなゾーンが拡大している」と懸念した。

 一方、中国公船と日々、向き合う海保は量的に劣勢を強いられつつある。中国公船は大型化・武装強化が進んでおり、2019年には1000トン級以上の船舶が145隻と、海保(66隻)の2倍以上になる見通しだ。

 「海保だけの努力では、事態をコントロールし、エスカレーションを回避することはますます困難になりつつある。そこで、自衛隊が海保を支援して、海保が現場でより大きな力を発揮できるようにすることが必要となる」

 グレーゾーン事態研究会の提言書は、そうした問題意識のもと、10項目の方策を提案した。

 海保の能力向上では、艦齢に余裕のある海自護衛艦を海保巡視船に転用することや、海自の警戒監視情報をリアルタイムで共有できるよう、海保巡視船の機器の強化を提言。また、海保巡視船に対し、海自護衛艦が食糧や燃料などを洋上補給することで、巡視船の連続行動可能日数を大きく増やす案も盛り込んだ。

 海警行動が発令された場合に、海自と海保を統一的に統制(指揮)する仕組みも提唱した。海保の巡視船より通信などの能力にまさる海自護衛艦を拠点に、海上での警察活動を熟知した海保側が全体を統制し、海自がそれを補佐する仕組みだ。

 対応が必要なのは海だけではない。艦載ヘリコプターやドローン(無人機)による領空侵犯への対応も喫緊の課題だ。平成29年5月には、プロパガンダ動画撮影のため中国公船から飛び立ったドローンが領空侵犯した事案も発生している。

 このため提言書は、空自だけでなく、ドローンなどの発進を現場で察知した海保や海自が緊急発進(スクランブル)任務を行えるようにし、警告などの対応ができるようにすることを提案。いちはやく事案に対処できる態勢の構築を求めた。

 政府・与党は27年の安全保障関連法の制定時に、グレーゾーン事態については法的な手当てを見送った。逆に、当時の野党(民主党と維新の党)がグレーゾーン事態対処のための「領域警備法案」を共同提案していた経緯もある。民間シンクタンクにとどまらず、国会や9月の自民党総裁選などでも議論され、備えが進むことを期待したい。 

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