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zoom RSS 英ロンドンの空港、ターミナルでの仮眠を禁止

<<   作成日時 : 2018/06/30 10:00   >>

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航空便の遅れやキャンセルにより空港で立ち往生してしまい、機内持ち込み荷物を枕にしてターミナルで寝た経験がある人はどれくらいいるだろう? こうしたよくある不運に見舞われた旅行者に同情することなく、施設内での睡眠を禁止した空港が、ロンドンにあることを発表した。同空港では、監視員が睡眠中の旅行客を起こして回る。

この空港は、ロンドン中心部から急行電車「スタンステッド・エクスプレス」で45分の距離にあるロンドン・スタンステッド空港(STN)。2017年の利用客は過去最多の259万人となったが、モスクワのドモジェドボ空港やシェレメチェボ空港、ジュコーフスキー空港に続き、空港での睡眠が禁止された。

空港での睡眠に関するブログ「スリーピング・イン・エアポーツ(Sleeping In Airports)」によると、モスクワの睡眠禁止のルールは、サッカーのW杯ロシア大会に伴って、モスクワ地域のホテルやゲストハウス宿泊料が急上昇したことが理由とのことだ。モスクワ当局は、サッカーファンなどの旅行客が「空港を宿泊施設の代わりとして利用すること」を禁止している。

スタンステッド空港では定期的に、深夜0時から2時までの間に出発ターミナルから旅行客を締め出しているほか、「早朝の便に搭乗する旅行客は予定のチェックイン時間より早く空港に到着してはならない」と警告している。また空港では「座席に横にならないでください」という注意書きもある。英紙デーリー・メールは、スタンステッド空港が「居眠りパトロール」として警備員を10分ごとに巡回させ、睡眠中の人を起こしていると報じている。

それでも他空港と同様、スタンステッド空港発の航空便では定期的にキャンセルや遅延が生じている。落雷で空港の給油設備が一時的に影響を受けた5月27日には、英国の祝日にかけて旅行していた何千人もの搭乗客が同空港で足止めされている。

それでは、スタンステッド空港が乗客に仮眠を許さない理由は何だろう? それはモスクワと同様、経済的・視覚的な問題にたどり着くのかもしれない。ある空港関係者は、同空港で以前寝ていた旅行客の数は毎晩最大で600人に上っていたと主張する。

一つには、同空港が乗客増加に対応するために6億ポンド(約870億円)もの建設費を投じていることがある。同空港のケン・オトゥール最高経営責任者(CEO)は5月、今後10年間にロンドンで予想される乗客増加の50%をスタンステッド空港が担うと述べており、同空港の利用客数は年間4300万人まで増える可能性がある。(ロンドン・ヒースロー空港の利用客数は2017年、7800万人だった)。空港側の主張は、睡眠中の利用客が周囲の状況に気づかないまま、建設作業の影響でけがをする恐れがある、というものだ。

問題はミレニアル世代の利用客?
しかし、もう一つの理由は乗客数ではなく、乗客自身かもしれない。スタンステッド空港では、最大の運行会社であるライアンエアに加え、イージージェット、プリメーラ・エア、ユーロウイングス、ジェットツー・ドットコムが発着便を提供し、欧州接続便数ではミュンヘンに次いで世界第2位だ。

つまり、スタンステッド航空利用客の多くは、できる限り出費を抑えたい、低予算のミレニアル世代なのだ。スタンステッドから「床での寝具や折り畳み式ベッド、寝袋、その他の持ち運び寝具の使用を禁止する」という公式発表がされたのもこのためだ。空港では、旅行客を空港で寝る代わり、近隣の宿泊施設に誘導している。スタンステッドによると最低料金は20ポンド(約3000円)とのことだが、1晩140ポンド(約2万円)かかるという声もある。

スタンステッドの輸送量は昨年、6.5%増加した。エミレーツ航空がドバイとスタンステッドを結ぶ便を6月新たに就航させ、プリメーラ・エアもニューヨークやボストン、トロント行きの便を就航させるため、輸送量は2018年も伸び続ける見通しだ。

就航便が増えれば利用客も増え、フライトの遅延や欠航の増加も避けられない。スタンステッド空港は現在の方針を撤回し、疲れた旅行客に空港での仮眠を許すようになるだろうか? それとも、他空港もスタンステッドとモスクワの各空港に続き、仮眠を禁止するようになるだろうか?

こうした方針が、低予算の旅行客に影響を与えるのは明白だ。しかしそれだけではなく、空港のホテルにたった数時間滞在するために高額な宿泊費を払うことを希望しないあらゆる旅行客に影響を与える可能性もある。だがスタンステッド空港のウェブサイトに書かれているように、「私たちが空港での体験を改善する間、どうぞご理解をお願いします」ということだろう。

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