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zoom RSS 知っておきたい「破産」にまつわる基礎知識

<<   作成日時 : 2018/06/29 07:00   >>

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こんにちは、弁護士の宮川舞です。「なんとなくはわかるんだけど、実際のところ法的にはどうなの?」という話題を取り上げていくこのシリーズ。企業の業績は堅調であっても、非正規雇用の方の雇止めが社会問題化するなど、依然先行き不透明なこのご時世。今回は、「知っておいて損はない、破産にまつわる豆知識」です。
 まず大前提として、破産の簡単な説明を。

 会社でなく個人の破産とは、「借金などの債務を負っている人がそれらを返せない場合、裁判所を通じて、その人の一切の財産を債権者に公平に弁済し、破綻した生活を立て直すことを目的としている制度」のこと。でも、破産手続だけでは、債務はなくなりません。前述の、公平に弁済するという破産手続を経ても残っている債務がある場合、その残っている債務の法的な支払い義務を免除する制度が「免責」です。裁判所が免責を許可した場合、債務の法的な支払い義務はなくなります。でもこれは例外もあるので要注意。最後のほうの項目も読んでくださいね。

■破産すると会社にバレる? 

 「借金をなくして生活を立て直したいけど、破産したことが会社にバレたら困る、嫌だ」という方、かなり多いです。破産すると会社にバレるのでしょうか? 

 勤務先に対して、借入れなどの債務がある場合には破産したことがバレます。でも、こういった債務がない場合には、普通はバレません。

 裁判所が特定の個人について破産手続を開始するという決定をすると、債権者に対し決定がされたことを書面で通知するのです。そのため、勤務先からの借入れなどの債務がある場合には勤務先も債権者ですから、勤務先にも書面で通知がいくことになり、破産したことがバレるわけです。でも、勤務先に対して債務がない場合は、裁判所が勤務先に対し破産手続開始について通知することはありません。

 全部の財産を持っていかれたら生活できない……そんなことはありません。弁済のために持っていかれない、つまり処分しなくてよい自由財産というものがあります。

 会社の破産と違い、個人の破産の場合、破産したとしても毎日を生きていかなきゃいけません。それには一定のおカネが必要、というわけで、個人の破産の場合、生活に必要となる最低限度の財産は、弁済の対象から外れるため持っていかれません。

 例を挙げると「99万円以下の現金」「衣服、寝具、家具など生活に欠くことのできない動産」「裁判所の『破産手続を開始する』という決定の後に得た財産(例:破産手続開始決定の後に得た給料)などは、弁済の対象から外れるため持っていかれません(ほかにも自由財産となるものはありますが、全部の説明は省きます)。

■破産を検討するのはどんな状況? 

 そもそも、破産って、どんな状況になったら検討するものなのでしょうか。

 あくまで目安ですが、自分の資産と、自分の可処分所得(収入から、家賃、食費、光熱費などの生活をするのに必要な支出を差し引いたもの)を計算して、借金などの債務を3〜4年以内で返済することができないという場合は、破産を検討してもいい状況です。

 でも、破産をすると、マイホームがあったら手放すことになります。持ち家だけでなく、車も、高級品なども、全部手放さないといけません。破産は免責という大きなメリットもある一方でデメリットも大きいので、破産を選択するかどうかは、個々人の事情を踏まえてメリット・デメリットを考える必要がありますね。

 一方で、破産すると難しくなること、できなくなることがあります。たとえば、破産した後5〜10年程度経過しないと住宅ローンをはじめとするローンを組むのは難しいです。信用情報機関に破産したことは登録され、金融機関はこの登録情報を把握できます。そして、その登録期間が信用情報機関によって5年だったり10年だったりするというわけです。それと、破産すると、法的には「復権するまでの間」(例:免責許可が出た場合にはそれが確定するまでの間)、宅地建物取引業者、生命保険募集員、警備員など就くことができない職業があります。

 結婚している場合、夫婦の一方だけ破産することはできます。

 夫婦の一方、たとえば夫が破産する場合、妻に影響が発生することは基本的にはありません。でも、形式的には違っても実質的な夫の資産は弁済の対象になるので要注意。夫婦で共有している財産も影響受けます。妻が保証人になっている場合も要注意です。

 破産手続で債権者に弁済する対象となるのは「破産者自身の資産」です。そのため、夫が破産する場合、基本的に妻の資産は夫の債権者への弁済の対象にならず、持っていかれることはありません。

ですが、形式的には妻名義の財産でも、それが夫の資金で購入したものである場合には実質的に見て夫の資産なので、持っていかれてしまいます。

 また「夫婦でマンションの共有持分を2分の1ずつ持っている」という場合、夫が破産したら夫の共有持分2分の1も債権者への弁済の対象となってしまいます。こういうケースの場合は、大体は、「妻に、夫の共有持分2分の1を任意売却で買ってもらう、そしてそのおカネを債権者への弁済に回す」という形か、「マンションを売却して、その売却代金の半分を妻に、残り半分を債権者への弁済に回す」という形で対応することが多いです。

 そして、妻が夫の債務の全部または一部について保証をしている場合、夫が破産した場合には、夫への請求が全部妻にくることになります。こういう場合は、夫だけでなく妻も破産するケースが多いです。

■なんでもチャラになるわけではない

 破産しても、必ず免責が許可されるわけではありません。免責が許可されなかった場合、財産は弁済に回され、しかも、弁済後残った債務の支払い義務もなくならないことになります。踏んだり蹴ったり……。

 たとえば、収入に見合わない浪費、パチンコ・競馬などの賭博、株取引などの射幸行為により著しく財産を減少させまたは過大な債務を負担した場合は、免責が許可されないことがあります。個別具体的な事情によるので、つねに許可されないというわけではありません(ほかにも免責が許可されない事由はあります)。

 免責が認められても、例外的に免責の対象とならない、つまり法的な支払い義務がなくならない債務もあります。なんでもチャラになるわけではないのです。

 たとえば、税金、国民健康保険料、養育費、婚姻費用(結婚してから離婚するまでの、夫婦生活の維持に必要な費用)などは免責の対象とならず支払い義務はなくならないので、ご注意を。

 最後に。上記は破産のほんの一部分についての説明なので、実際に破産を検討される場合には専門家に相談してくださいね。

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