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zoom RSS 金正恩が警戒する「120万朝鮮人民軍の軍部クーデター」

<<   作成日時 : 2018/06/18 00:34   >>

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世界を混乱に陥れてきた「2大巨頭」の初顔合せ。その裏で金正恩委員長の頭の中には、ある「懸念」が消えなかったという――。

建国以来最大のイベント
 米朝首脳会談の開催場所となったのは、シンガポールの外島・セントサ島にある5つ星の最高級リゾート「カペラホテル」。全112室で、436平方メートルのスイートルームは、1泊82万円もする。

 なぜこのホテルが選ばれたのか。アメリカ政府関係者が語る。

 「このホテルを最終的に会談場所に選んだのは、何より警備がしやすいからでした。トランプ大統領は、イスラエルのアメリカ大使館をエルサレムに移転したり、イランの核合意破棄などで、中東の過激派グループから狙われるリスクがある。

 一方の金正恩委員長も、昨年2月に隣のマレーシアで、異母兄の金正男氏を空港で派手に暗殺したばかりで(北朝鮮政府は犯行を否定)、極度に暗殺を恐れている。

 トランプ大統領は当初、自身の大口の支援者であるカジノ王アデルソンが経営するマリーナベイ・サンズで会談を行い、合わせて金正恩委員長とカジノで遊ぼうと考えていた。

 だがこのホテルでは、警備が万全でないのと、カジノ遊びはさすがに不謹慎だろうということで、カペラホテルに変えたのです。二人で中庭を散策したりというサプライズがあるかもしれません」

 朝9時からという早い時間の会談開始にしたのは、アメリカの夜のゴールデンタイムに合わせたものだと、日本では報道されたが、これは違う。北朝鮮は、すべての重要行事を「9」に合わせる習慣があるため、北朝鮮側からアメリカに要求したのだ。

 儒教では「中央が八方を統治する」という思想から、中央プラス八方で「9」をラッキーナンバーとしている。そのため儒教の正統な後継者を自任する北朝鮮では、何でも9に合わせるのである。

 「建国の父」金日成主席は、北朝鮮の建国を、わざわざ(1948年)9月9日に合わせたほどだ。

 金正恩委員長の誕生日も1月8日で、正統な後継者であることを示すため、足すと9になる。父・金正日総書記の誕生日2月16日も同様だ。

 こうしたことから、トランプ大統領との会談日を、6月12日と足して9になる日にし、合わせて開催時間も午前9時を、北朝鮮側が要求したというわけだ。

不穏な動き
 さて、3月8日にトランプ大統領が、米朝首脳会談に応じると発表してから、北朝鮮国内の動きは風雲急を告げた。

 4月20日、金正恩委員長は、朝鮮労働党中央委員会第7期第3回全員会議を招集。「核実験と大陸間弾道ロケット(ミサイル)試験発射の中止」を宣言し、「社会主義経済建設に総力を結集する」とした。2年前に定めた核と経済建設という「並進政策」を、あっさり放棄してしまったのだ。

 さらに、経済建設にあたっては、「党と勤労団体、政権機関、法機関、武力機関などの役割を高めていく」と定めた。

 これまで最優先にされてきた朝鮮人民軍は、5番目の最後尾に後退。しかも「軍」ではなく、人民保安省(警察)や国家保衛省(秘密警察)と一緒くたの「武力機関」とされてしまったのだった。

 韓国の著名な北朝鮮研究者の李永鐘中央日報統一文化研究所長が語る。

 「父親の金正日総書記は、『先軍政治』と呼ばれる軍最優先の政治を行いました。それに対し、金正恩委員長が父親と最も異なる点が、朝鮮人民軍の扱いです。

 軍を重宝するどころか、幹部たちのクビを次々とすげ替えて、軍部の力を骨抜きにしようとしています。

 これに対して、軍の長老たちの不満は、爆発寸前だという情報を得ています」

 120万朝鮮人民軍の「不穏な動き」が起こる可能性があるというのだ。

 このように軍部との対立を深める金委員長は先月、大きな賭けに出た。軍総政治局長、軍総参謀長、人民武力相という「軍トップ3」のクビを、全員すげ替えてしまったのである。

 金正日総書記は、軍幹部の権力を分散させるため、政治思想を統括する総政治局長、実戦部隊を統括する総参謀長、後方支援を統括する人民武力相の「3頭体制」にした。だがこれらトップ3の顔ぶれは、ほぼ固定してきた。

 それが金正恩時代になってからは、わずか6年あまりで、それぞれ4人目、6人目、7人目。しかも先月は、前代未聞の総交替させてしまった。特に、76歳の金正覚総政治局長と84歳の李明秀総参謀長は、金正恩元帥に次ぐ次帥であり、軍元老の代表格だ。

 金正恩委員長は5月18日に、中央軍事委員会拡大会議を招集。軍幹部を一堂に集めて、引き締めを図った。

 その際、最高司令官であるはずの金委員長は、軍服を着ることもなく、涼しげな白の韓服で訓示を垂れたのだった。

何が起きるか分からない
 金委員長とて、ムチだけを振るっていても、北朝鮮最強集団の120万朝鮮人民軍を統治できないことは、百も承知だ。

 そこで米朝首脳会談が決まって以降、急遽、国を挙げて取り組み始めているのが、元山葛麻海岸観光地区の建設だ。日本海側にある港町・元山で、象の鼻のように伸びている葛麻半島全体を、巨大なリゾート地に変えようという計画なのだ。

 5月14日付の朝鮮労働党機関紙『労働新聞』に、初めて4本の関連記事が出た。

 〈元山葛麻海岸観光地区の総敷地面積は数百万平方メートルで、延べ建築面積は数十万平方メートルに達する。40里の海岸に沿って、ホテルとキャンプ地、民泊施設など、数百棟を建設する。

 建設現場にやって来た朝鮮人民軍の軍人たちは、東海岸の名勝地に、時代を代表する記念碑的建築物を建てる闘争に対して、大衆的英雄主義と愛国的献身性を高く発揮しているのだ〉

 元山の海岸沿いに数百棟のリゾートを、軍人たちが建設中だというのだ。

 続いて、5月26日付『労働新聞』には、金正恩委員長が工事現場を現地視察し、満面の笑みを浮かべている写真と記事が掲載された。

 〈敬愛する最高領導者同志(金委員長)におかれては、元山葛麻海岸観光地区を、この世に二つとないわれわれ式の海岸都市に作りかえ、わが人民が最上の文明を最高の水準で享受できるようにすることは、党の決心であるとした。

 そして、この建設を、来年の太陽節(4月15日の金日成主席誕生日)までに竣工することを指示された〉

 さらに6月5日付『労働新聞』に、三たび関連記事が載った。今度は海岸一杯に、数万人の軍人が整列している写真も添えられていた。

 〈敬愛する最高領導者・金正恩同志の現地視察でのお言葉を高く掲げて、元山葛麻海岸観光地区建設を、来年の太陽節までに、最高水準で竣工するための軍民決起集会が4日、現地で挙行された〉

 この降って湧いたような軍を挙げてのリゾート建設について、平壌駐在歴がある中国の元外交官が解説する。

 「金正恩委員長は、カジノ経営者でもあるトランプ大統領に助力を要請し、元山に大型カジノを建設して、中国人や韓国人観光客を呼び込もうとしているのです。そしてその利権を朝鮮人民軍と分け合うことで、軍を懐柔しようとしています」

 だが、この元外交官は、金正恩委員長の策略はハイリスクだと指摘する。

 「中国は40年前に、ケ小平が改革開放政策を始めました。それは、アメリカとの国交正常化、沿岸部の経済特区設立、農村部の生産請負制を、順番に時間をかけて行い、その上で慎重に軍人削減を断行していった。

 ところが金委員長は、これら4つを一気呵成にやってしまおうとしている。そんなことをしたら、朝鮮人民軍が反乱を起こす可能性が高まる」

 金正恩委員長にとって当面の心配は、シンガポールに行っている間に、北朝鮮で「有事」が発生することだったという。

 「南北首脳会談を4月と5月に2度行った文在寅大統領は、そうした『北朝鮮リスク』を減らすため、自らもシンガポールに赴き、3ヵ国で『朝鮮戦争終結宣言』を出すことを、米朝両首脳に提案しています。

 国際社会が金正恩委員長をバックアップしていく姿勢を、北朝鮮国内にも見せつけることで、北朝鮮をソフトランディングさせていこうという狙いです」(在ソウルジャーナリスト・金敬哲氏)

 何が起こるか分からない緊張状態は、いまも続いているとみるべきだろう。

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近藤大介(こんどう・だいすけ)
中国・朝鮮半島取材をライフワークとする。
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