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zoom RSS 米製無人機に防衛関係各所が注目のワケ 長崎で試験飛行実施 背景に少子化問題も

<<   作成日時 : 2018/06/01 16:10   >>

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米製大型無人機が長崎でデモンストレーション
 2018年5月9日から24日まで、アメリカの無人航空機メーカー、GA-ASI(ジェネラルアトミクス・エアロノーティカルシステムズ)が、長崎県壱岐市の壱岐空港で、同社の無人航空機「ガーディアン」の飛行実証試験を実施しました。防衛省を除くと、日本国内の大型の無人航空機の飛行実証試験が行なわれたのは、今回が初めてです。

 GA-ASIは今回の飛行実証試験を実施するにあたって、壱岐空港と新潟空港、下地島空港の3空港を調査しましたが、新潟空港は人口密集地域に近く、宮古島の下地島空港は中国を刺激する可能性が高かったことや、地元自治体の協力度などから、壱岐空港が実証試験地に選ばれたようです。

 今回の試験は単に「ガーディアン」を飛行させるだけではなく、搭載する監視用の「シービュー」レーダーと光学/赤外線センサーを使った壱岐島や五島列島の観測実験、船舶の往来の多い玄界灘の上空を飛行して、一定規模以上の船舶に搭載が義務付けられている、船舶自動識別装置から発信された船名や位置、速力、目的地などの情報が虚偽のものではないかを、搭載する光学/赤外線センサーを使って照合する実験、玄海原子力発電所や普賢岳の観測試験などが行われました。

 これらのデータは官公庁や研究機関などに提供される予定で、とりわけ「シービュー」レーダーが作成した壱岐島や五島列島の海地図は、波や川の流れの影響によって海岸線の地形がどのように変化しているかを研究する上で、大変貴重なデータと言えます。

 今回飛行した「ガーディアン」には、レーダーで近くを飛行する航空機を探知すると、「ガーディアン」が自動的に回避して、衝突を防止するシステムが搭載されていました。民間航空機の飛行する高度での無人航空機の運用にあたっては、同じ空域を飛行する航空機との衝突をいかにして回避するかという問題が存在していますが、今回、衝突防止 探知・回避システムを搭載した「ガーディアン」が飛行試験に成功したことで、民間航空機の飛行する高度での無人航空機の飛行の、道が開けたといっても過言ではありません。

「ガーディアン」の活用実績は…?
 今回飛行実証試験を行なった「ガーディアン」は、GA-ASIが開発した無人航空機「プレデター」の発展型です。「プレデター」と、その改良型の「リーパー」は、アフガニスタンやイラクでの対テロ戦争に投入され、搭載するヘルファイア対戦車ミサイルによる攻撃も行なっています。このため一部のメディアは、「ガーディアン」もパーツを組み替えることで、ミサイルなどの武装も搭載可能だと報じていますが、これは必ずしも正しいとは言えません。

「ガーディアン」は海洋の監視や国境警備、大規模災害の被災地の情報収集といった、民間分野での活用も視野に入れたモデルで、これらの任務に不可欠な長い航続時間(最大26時間)を確保するための燃料タンクなどの追加と、重量の重い「シービュー」レーダーを搭載するため、原型機である「プレデター」から大幅に設計が変更されています。もし日本が攻撃能力を持つ無人航空機を欲しいのであれば、最初から「リーパー」などの攻撃能力を持つ無人航空機を購入した方が、はるかに安上がりです。

「ガーディアン」の原型機である「プレデターB」は現在、NASA(アメリカ航空宇宙局)とアメリカ国土安全保障省に採用されています。アメリカ国土安全保障省は「プレデターB」を主に国境警備に使用していますが、2017年12月にカリフォルニア州で発生した、大規模な山火事対策にも投入されています。

 この山火事対策で「プレデターB」は、1分間にフットボールコート1面分の速度で燃え広がる火災の模様を長時間に渡って上空から監視して、搭載するセンサーで取得した画像を対策本部へリアルタイムで送ると共に、機体を制御するコントロールステーションのオペレーターから、延焼による二次災害のおそれのある消防士に対して退避を呼びかけたり、延焼していない道路を見つけて消防車を誘導したりと、八面六臂の活躍をしています。

日本ではどこへ導入される?
 GA-ASIは海上保安庁や警察庁など、複数の官公庁をおもなターゲットとして「ガーディアン」の売りこみをかけています。

 海上保安庁は南西諸島近海での中国船の活動や、日本海における北朝鮮の木造船の漂着などに対処するため、ジェット哨戒機の「ファルコン2000」の導入を決定しています。ただ、約3万5000kmに及ぶ長い海岸線と、排他的経済水域を合わせると447万平方キロメートルにおよぶ広大な領海の監視には、決して十分とは言えません。これは海上保安庁に限った話ではありませんが、日本、さらに言えば世界全体で将来はパイロットが不足すると予測されており、航空機を導入しても、それを飛ばすパイロットを確保し続けられるかという問題も存在しています。

 GA-ASIは現在、ひとつのコントロールステーションで、複数の無人航空機を制御するシステムの開発を進めています。「ガーディアン」とこのシステムを組み合わせて活用すれば、海上保安庁は長期に渡って高い海洋監視能力を維持することができます。

 今回の試験には防衛省も協力しており、防衛省・自衛隊も「ガーディアン」に対して関心を示しています。海上自衛隊は現在、P-1、P-3Cの両哨戒機を使用して、洋上の哨戒活動を行っていますが、P-3Cを後継するP-1の調達数はP-3Cの調達数(100機)を下回ると見られています。

哨戒能力の維持には避けられない道か
 アメリカ海軍は将来的に、ボーイング737旅客機をベースとするP-8哨戒機と、自衛隊も導入する「グローバルホーク」の洋上哨戒機型、MQ-4「トライトン」を組み合わせて洋上哨戒を行なう計画を立てています。海上自衛隊も対潜水艦能力の高いP-1と、洋上を長時間飛行可能で、P-1やP-3Cに比べて運用経費が安く、少ない人数で運用できる「ガーディアン」を組み合わせて運用すれば、哨戒機の機数の減少による洋上哨戒能力の低下を、避けられるのではないかと思われます。

 2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災の際、自衛隊にはリアルタイムで上空から撮影した画像を伝送できる航空機の数が少なく、アメリカ軍や民間の無人航空機の支援を受けなければなりませんでした。前に述べたカリフォルニアでの山火事での活躍が物語るように、「ガーディアン」は大規模災害時の情報収集においても活用できる航空機であり、自衛隊の大規模災害対処能力を向上させるには、うってつけの航空機と言えるでしょう。

 無人航空機の導入にあたっては、航空法や電波法の改正といった問題も山積していますが、少子高齢化時代を迎えるこれからの日本が、高い情報収集能力を維持していく上で、その導入は避けては通れない道なのではないかと思います。

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