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zoom RSS 5Gはいつから実用されるか、総務省に聞いた”実現可能”な青写真

<<   作成日時 : 2018/05/07 20:48   >>

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 2020年のサービスインに向け、「第5世代移動通信システム(以下、5G)」の整備が着々と進んでいる。世界中の期待を集める5Gだが、従来のようなモバイル通信の進化というだけではなく、IoTをはじめとする社会の変化にも対応した通信サービスとなる。現状を中川拓哉氏(総務省総合通信基盤局・電波部移動通信課課長補佐)に聞いた。


●5Gに向けた日本の取り組み

──第5世代移動通信システム「5G」が注目を集めています。改めて5Gとはどのようなものですか。

中川拓哉氏(以下、中川):5Gとは、高速大容量通信によってスマートフォンの利用を快適にするだけでなく、IoT(Internet of Things)の次世代の基盤を担う技術として期待されている次世代の通信技術です。

 今後さらにIoT化が進み、身の回りの多くの「モノ」がインターネットに接続すると言われていますが、これまでの通信網では対応できないほどトラヒックが急増することが想定されています。

 これに対して5Gはトラヒック1平方キロメートルあたり100万のモノを接続できるので、家電やセンサーなどさまざまなモノを同時に接続できます。また無線部分が1ミリ秒以下で通信できるので、自動車や産業機器ロボットのようなすばやい反応と高度な制御が実現できます。

 このため、5Gはこれまでの携帯電話、スマートフォンユーザーへの提供だけでなく、産業応用にも期待が高まっています。この産業応用を実現するためには、さまざまな産業でユーザーにソリューションを提供する企業と通信事業者が一緒になってビジネスを構築する、「B2B2X(Business to Business to X)」のビジネス戦略を検討する必要があると考えています。

 つまり5Gの産業応用では、X(エンドユーザー)へのサービスを提供するために「B(通信事業者)→B(顧客層を持つ垂直統合のサービス提供者)→X」の流れでサービスを提供するようになるのです。

 このような5Gの取り組みは世界的なもので、米国や欧州、中国、韓国も推進しています。たとえば欧州では自動車、工場・製造、エネルギー、医療・健康、メディア・エンターテイメントを5Gの重点的な活用分野に想定し、さまざまな実験に取り組んでいます。 中国は産業応用のほか、自動運転にも力を入れています。


──5Gの実現に向けて、日本はどのような取り組みをしていますか。

中川:総務省の重要な役割は、5Gが実現する環境を整えることです。具体的には「研究開発・総合実証試験の推進」「国際連携・協調の強化」「5G周波数の具体化と技術的条件の策定」の3つです。

 1つめの研究開発ですが、まだ見ぬ5Gを実現するための研究開発で2015年度からスタートしました。研究開発の成果として生まれた技術は、実際の環境でテストする必要がありますので、2017年度から研究開発と並行しつつ、実際の社会環境で技術検証のための実証を行っています。

 実証は、たとえば警備会社と共同で、東京スカイツリーやビル屋上のカメラと地上をつないで、画像を高速伝送し、警備員のウェアラブルカメラを通じて監視センターに集約する広域の見守りの実証試験に取り組んでいます。

 あるいは医療関係者と連携し、エコーやCTスキャンなどの映像を遠隔で病院や診察所に送る「遠隔診療」や、鉄道事業者とともに5Gを在来線の特急に乗せて通信ができるか試す「高速移動体(電車・バス)に対する超高速伝送」など、さまざまな実証試験に取り組んでいます。

 2つめは国際連携です。一言で言うと「世界各国で使うために国際的に無線の周波数を合わせましょう」ということになります。携帯電話や関連する製品を外国でも使えるようにするためには、日本だけではなく諸外国と連携しないといけません。そのための国際標準化は、ITU(国際電気通信連合)と3GPPという2つの標準化機関が関係しています。

 ITUの重要な役割の一つに、世界各国での周波数利用の調和があります。5Gの国際的な周波数の調和もITUの重要な課題の一つです。また3GPPではもう少し細かい内容を決めており、たとえば携帯電話のショートメッセージや音声、データ通信の送り方などが決定されています。

 2019年11月にITUでは「世界無線通信会議」(WRC-19)が予定されていますが、この会議では5Gの中でもミリ波帯といわれる非常に高い周波数帯の国際的な調和が議題となっています。日本としてもこの会議に向けて積極的に取り組んでいます。

 3つめは5Gの技術的条件の策定と、国内における5Gの周波数割当です。現在、5Gについては3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯の3つの周波数帯での利用が検討されています。2019年3月末頃の周波数割当に向けて、この夏までに5Gの技術的条件を策定する予定です。

 ただ、無線周波数はすでにさまざまな利用が進んでおり、これらの周波数帯とその近傍では、衛星通信や航空機の電波高度計、無線アクセスシステムなどでも用いられています。5Gの導入にあたっては、これらの既存の無線システムと可能な範囲で共存・共用しながら、周波数を割り当てることが必要となってきます。


●5Gのインパクトと東京オリンピック・パラリンピック競技大会

──そうした取り組みの後、実際に導入されるとどんなインパクトがあると想定していますか?

中川:5Gの実現によって、たとえばスポーツの楽しみ方が変わるのではないかと言われています。たとえば多視点で撮影された高精細な映像をストレスなく送ることができ、利用者は手元の端末で自分の好きな視点から映像が見られるので、臨場感のあるスポーツ観戦をどこでも楽しめるようになります。

 医療では、たとえば救急出動時でも、高精細な画像を見て病院の医師が適切に判断、指示を行い、搬送の段階で適切な処置ができるようになると考えられています。

 また、5Gの導入は働き方改革にもつながります。農業就業者は高齢化、減少の傾向にありますが、農業用センサーや給餌ロボットなどを5Gで接続することで、自宅で養鶏場やブドウ農園の様子を見られるようになるかもしれません。

 建設業就業者も同じです。ドローンを活用した高精度な測量や建機の遠隔・自動操縦が実現すると、女性の土木技術者でもテレワークで土木工事の監督ができるようになるでしょう。もちろんこれらのソリューションは5Gだけでできることではないのですが、我が国が抱えるさまざまな社会課題を克服できるような製品やサービスが生まれるきっかけになれればと考えています。


──2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、どこまで実現できたらいいとお考えですか。

中川:2020年には日本だけでなく、先進主要各国でも実用化が始まりつつある段階と思います。東京五輪・パラリンピックでも高臨場・高精密の映像コンテンツが提供されるなど、5Gの性能を生かした多様なサービスが実現できればと思っています。

●5G、日本の現在地は

──この3月に記載された世界最大級のモバイル関連カンファレンス「MWC2018」で、海外勢は1年前倒しで2019年には、サービスインするのではないかという話もありました。

中川:日本では今年の夏までに5Gの技術的条件の策定を行い、2019年3月末頃には5Gの周波数割当てを行う予定です。それらが整った後、通信事業者にて基地局が整備され、ユーザー向けの製品も市場に投入されれば、5Gが実現することになります。

 総務省は直接携帯電話事業を行うわけではありませんが、2020年を待たずして国内でもサービスインに近いところまで実現するのではないかと期待しています。

──現段階では、(5Gの進捗について)日本は世界のどの位置にいるのですか。

中川:日本はこれまで5Gの実現に向けた先頭集団の一員として取り組んできました。このまま先頭集団として5Gを実現できればと思っています。

 ちなみに、5Gの導入は、たとえばある時点で一気に全てが5Gに置き換わることはありません。今の4Gを使いながら少しずつ5Gが導入されていきます。

──ビジネスとして、5Gにどれだけの経済効果があるのでしょうか。

中川:市場規模としては全世界で70兆円(2026年)、経済効果は約1,230兆円(2035年)との試算もあるようです。日本がその市場にスムーズに進出するだけでなく、さらに世界をリードして広げていくことができるかがポイントになると思います。

 この意味でも総務省としては5Gの早期実現のための環境整備や、実証試験を通じた検証も行っています。

 実はこの実証試験はB2B2Xのモデルを擬似的に作るという取り組みにもなっていると思っています。たとえば5Gの高精細映像で広域監視をする「スマートシティ」は、NTTドコモと東武スカイツリータワー、綜合警備保障など、通信事業者だけではなく実際に製品やサービスを提供する方々と一緒に実証試験のプロジェクトを実施していただいています。

 ビジネスとして成り立つかも合わせて見ていただきつつ、もし成り立つならソリューションのパッケージとして仕立てて、海外に売っていく。そのようなことにつながれば、日本発の5Gビジネスが世界に広がり、さらに経済効果が広がっていくのではないかと期待しています。

●総務省が5Gに見る未来

──今後の展望を教えてください。

中川:5GでB2B2Xで世界を席巻するようなうまく行く事例が出てきてほしいと思います。挑戦をする以上、失敗は避けられないでしょうけれど、可能であれば、そのような挑戦をたくさんできる環境づくりに、役所として応援できることはないかと思っています。

 若い起業家がリードするベンチャーや中小企業が思いつきで5Gをテストする環境ができるのが理想的ですが、実際には無線は混信を起こすこともあるので、そう簡単ではありません。

 それでも、これまでより5Gを試しやすい環境ができれば、ビジネスの裾野が一段と広がるのではないかと思います。個人的には、5Gの「すごさ」を示せるのは、若いベンチャーかもしれないとも思います。

 また、昨今5Gを報道などで取り上げていただくことも増えましたが、中には「これからは全てが5G」という論調も散見されます。しかし、必ずしもそういうわけではないと思っています。

 たとえばIoTの目的であれば、コストや性能の観点から、無線LANやBluetooth、LPWA(Low Power Wide Area=省電力型の広域ネットワークサービス)のローラ(LoRa)、シグフォックス(SIGFOX)、eMTC、NB-IoTなどさまざまな無線技術から最良のものが選ばれるはずです。

 大事なのは、企業を含むユーザーのみなさんに無線技術の選択肢をなるべく広く用意することだと思います。これに加えて、もし、ビジネス上の試行錯誤の環境も応援することができれば、世界に広がるソリューションが生まれることになるのではないかと夢想しますし、そのお手伝いができれば言うことはありません。


 通信事業者も、「真ん中のB」とのパートナーシップを探し、独自の取り組みを広げていらっしゃると聞いています。「真ん中のB」の方々とともに5Gのすごさを実現し、世界に広がっていくことができれば、またそれに我々が少しでもお手伝いできれば、大変ありがたいことだと思います。

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