警備資料

アクセスカウンタ

zoom RSS 米朝会談がシンガポールにとって「大迷惑」な理由

<<   作成日時 : 2018/05/31 18:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

米国のドナルド・トランプ大統領が、またまた予測不可能な動きをしている。そう、6月12日に予定されていた米朝会談の話だ。

 もはや説明するまでもないが、トランプは5月24日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長との会談を中止すると一方的に発表。その混乱はまだ続いている。

 トランプの発表を受け、金正恩はすぐに韓国の文在寅大統領と2度目の首脳会談を実施。何とか米朝会談を実現すべく動いていると見られている。すると再びトランプが、Twitterで会談が当初の予定通り行われる可能性を示唆したのだ。

 さすがに専門家もジャーナリストも、こうしたトランプ流の“外交”に振り回されている。筆者もトランプのTwitterを日々チェックしているが、あくまでトランプが一方的に伝えたい独断と偏見に満ちたツイートが多く、事実を間違っている発言もある。フィルターのかからないツイートをそのままうのみにしてはいけないが、多くの人々がトランプ・ツイートの“一挙手一投足”に右往左往しているようだ。

 こうした米朝会談をめぐる一連の騒動で、誰よりも迷惑を被っているのは、会談の開催地に選ばれたシンガポールだ。「やる」「やらない」でかなり振り回されているのは間違いない。そこで筆者は、米朝会談の調整に携わるシンガポール人関係者に話を聞いてみた。もちろん公表できないことは多いとの前提だが、この人物は「話せる範囲でなら」と応じてくれた。そこからはシンガポールの混乱ぶりが見えてくる。

●休暇を取らないよう命じられる

 そもそも現時点まで、シンガポールで開催される予定だということ以外、はっきりしていないことが多い。

 まず日程だ。当初、6月12日に設定された会談だが、トランプは中止宣言した後も、まだ12日に行われる可能性があると述べている。だが同時に、日程を後にずらす可能性があるとも示唆している。会談の準備と調整をするホストのシンガポールにしてみれば、「早く決めてくれ」と言いたいところだろう。

 話を聞いたシンガポール人関係者は、「今、シンガポールの当局は予定通り12日に開催する方向で準備を続けており、関係省庁の職員は休暇を取らないよう命じられ、かなり忙しく働かされている」と言い、この関係者自身も「かなり大忙しで休暇なんて取れない」と述べる。ただ「日程が後にずれる可能性も視野に入れるよう指示されている」とも教えてくれた。

 さらに地元の報道によれば、シンガポールの警察当局も今、休暇を取ることができない状況にある。会談中止の発表で、一時は休暇禁止が解除になったが、また会談実施の可能性が浮上してきたことで、再び休暇が禁止になっているという。

 現時点では、会談の会場や関係者の滞在するホテルも公には発表されていない。報道によれば、3つのタワーと屋上プールがあるシンガポールの象徴的なホテルであるマリーナベイ・サンズか、老舗のシャングリラ・ホテルか、と予想されていた。

 会談を開催するなら、両国の政府関係者が宿泊するホテルなども押さえなければならないが、それも面倒なことになっているようだ。

●ホテルはすでに満室だった

 実は、米朝会談の開催が決定した時点で、開催候補となった2つのホテルの部屋は既に満室だと報じられていた。だが、歴史的な会談のために、シンガポール当局は宿泊予定客から部屋を「買い戻す」よう動いた。しかし、突如としてトランプが会談中止を発表したことで、また旅行会社に部屋を戻す形になり、再び部屋の予約ができるようになった。すると、トランプが会談をやるかも、とまた言い出したり、日程が後にずれるかも、などとコメントしたりしたことで、混乱は続いている。当然だが、シンガポール当局にしたら、「もういいかげんにしてくれ」というのが本音だろう。

 話を聞いたシンガポール人関係者によれば、会場は「シャングリラ・ホテルの可能性が高い」。というのも、米国の大統領向けのセキュリティの決まりを満たすホテルの部屋は、これまでの米大統領滞在を鑑みると、現時点ではシャングリラ・ホテルのスイートしかない、ということらしい。会談の会場は別としても、少なくともトランプが宿泊するならシャングリラ・ホテルということになる。

 別のシンガポール人の友人にも話を聞いてみたが、どうも「当局はシャングリラ・ホテルの全室を予約して、先に予約していた客はすでに別のホテルに移動するよう手配している」という。ただ、ここまでやって結局中止になったら、誰がその経費を払うのだろうか。この友人は「おそらく、シンガポールではないか、と多くが皮肉っぽく言っている」という。事実は分からないが、もしそうなったらひどい話である。

 ちなみに、筆者は以前、シンガポールでシャングリラ・ホテルのすぐそばに住んでいたことがある。このホテルはしょっちゅう世界の首脳が集まる会議を行っており、当局のセキュリティ対策なども慣れたもので、警備しやすい立地ということもあって頻繁に道を封鎖していた。コントロールしやすいという意味でも、米朝会談の会場としては申し分ないだろう。

●シンガポールが選ばれた最大の理由

 話を聞いていると、どうもシンガポール当局は米国などに対してあまり口出しはしていないようだ。シンガポール人関係者は、「そもそも、シンガポールが会場に選ばれた理由の1つは、シンガポールが国として、米国とも北朝鮮とも外交関係を維持しているから。シンガポールは、米国とはいいビジネス・パートナーで、北朝鮮のような独裁国家などにもいい顔をしている。今はトランプのために全力を尽くしている」という。

 確かに、会談場所にシンガポールが選ばれたのには、金正恩の専用機の飛行距離が考慮されたという話などもあったし、米朝両国とも外交的な関係を持っているという事実もある。だが筆者は、シンガポールが選ばれた最大の理由はシンガポール政府が容易に国家全体をコントロールし、自在に動かせるからではないかとみている。

 シンガポールという国は、きれいで都会的な観光地、という日本人が持っているイメージとは裏腹に、強権的な管理国家という顔もある。例えば政治を見ると、「建国の父」である故リー・クアンユー氏が率いた人民行動党(PAP)が建国以降ずっと国を支配し、今も独裁体制を維持している。シンガポール人たちも、選挙などは国の監視の目を“忖度”して野党に入れにくい環境があると認めている(近年は徐々に変わりつつあるが)。

 また「ガムはダメ」「唾は吐いちゃダメ」「ポルノ所有禁止」「上半身裸はダメ」「自殺を図るのは違法」など、厳しく国民の行動まで管理。サイズが東京23区ほどしかないシンガポールでは、公共の場所でデモなどの政治的な運動はできないなど、国の管理が徹底して行き届いているという側面もある。

 もっとも、何でも国がトップダウンで有無を言わさずコントロールできる国でなければ、民間のホテルで既に予約している人を追い出して直ちに貸し切りにすることなどできない。要するに、良くも悪くも、国のトップの一存で、何でも自由で動かせるのがシンガポールという国なのである。だからこそ米朝会談といった歴史的なイベントの開催に迅速に対応できるのだが、それに振り回されるシンガポール国民にはたまったものではない。

 シンガポールと北朝鮮といえば、2011年のある騒動をよく覚えている。金正恩の兄で、かつて金正日総書記の後継者になると見られていた金正哲が、シンガポールで行われた英国人ミュージシャン、エリック・クラプトンのコンサートにお忍びで訪れた。それを察知した在シンガポールの国内外メディアは、錯綜(さくそう)する情報の中、彼を探して大騒動になり、振り回された。ほとんどが彼の姿を捉えることはできなかったが、韓国のKBSテレビがその姿を捉え、韓国で放送された。

 今回の米朝会談も、同じように情報が錯綜している。そしてシンガポールで、しばらくの間、北朝鮮を巡って多くの人が翻弄(ほんろう)されることになる。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
米朝会談がシンガポールにとって「大迷惑」な理由 警備資料/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる