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zoom RSS (負動産時代)困った土地、減らすには 国・自治体など模索、海外の事例

<<   作成日時 : 2018/05/27 23:32   >>

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 土地の所有者が分からなくなったり、資産価値が下がったりして処分に困る「負動産」問題にどう対処していくのか。政府や自治体、住民が関わりながら「脱・負動産」を模索している海外の事例を紹介する。

 (吉田美智子、大津智義)

 ■条件緩和の新法、相続促す 仏政府

 皇帝ナポレオン1世の生まれ故郷として知ログイン前の続きられる仏南部・コルシカ島。土地の所有者が死亡しても相続登記されず、多くの土地が所有者不明になるという日本と同じような問題が起きていたが、解消に向け仏政府が動き出している。

 コルシカ島は一時期、島全体の約半分が所有者不明になっていた。相続税の申告をしなくても罰金などの制裁が科されないという約200年前の特例措置により、土地所有者が死亡しても相続登記されず、子や孫の代になって所有者がねずみ算式に増える土地が続出。土地を売買しようにも交渉すらできず、塩漬けの「負動産」になっていた。

 2002年、相続税に関する島の特例が廃止されたのを契機に仏政府が対策に乗り出し、所有者不明地の実態を把握する専門機関「ジルテク」を06年に設立。ナポレオン時代からの地籍や相続人情報を整理し、データベース化した。所有者不明地の解消をめざす法律も定められ、所有者全員の同意が必要だった共有地の処分が、3分の2の同意で済むようになった。登記を促すため、相続税や贈与税を5割減免する特例を認めた。

 新法のもとでは、関係者の証言などとともに、その土地を占有していることを告知し、5年間、第三者から請求がなければ相続に向けた話し合いに入ることができる。島の団体職員アルノー・コスタンティーニさん(32)の祖父(97)とその兄(故人)は、曽祖父が持っていた別荘の土地の所有権を証明できず、相続できずにいたが、新法によって相続手続きを進められるメドが立った。

 実態把握と法律の効果により、所有者不明地は8年間で2割減ったという。

 ■市が介入、低所得者住宅に

 荒廃したマンションを行政の介入で建て替え、同時に住民の生活改善にも取り組んでいるのが仏パリ郊外のサンドニだ。

 サンドニの市街地には、窓ガラスが割れるなど老朽化したマンションやアパートが立ち並ぶ。かつていた中産階級の住民が郊外の戸建てに移り住んだり、工場が閉鎖したりして、空室ができた。そこに外国人労働者や所得の低い人たちが住むようになった。

 荒廃マンションに不法移民らを住まわせ、多額の賃料をとるような悪質な「貧困ビジネス」が横行。治安の悪化に加え、防火施設の不備から火災も頻発した。

 そんな街の一角に6階建ての真新しいれんが造りの建物がある。昨秋に完成した低所得者向け公営住宅だ。荒廃マンションを市が収用・解体し、跡地に建てられた。警備員のマルコさん(26)は近くの賃貸マンションに住んでいたが、自治体にこの公営住宅を紹介された。部屋は広くなり、家賃は月900ユーロ(約11万円)から400ユーロ(約5万円)に下がったという。マルコさんは「以前は覚醒剤の取引が行われるなど街のイメージも悪かったけど、すっかり変わった」。

 フランスでは、住民の安全確保や公衆衛生のために行政が介入することが義務とされている。サンドニも17年までの7年間で34の建物を収用したといい、順次、建て替えが進む。自治体と連携し、住宅の収用や改築などを担う公的機関の「老朽化地区再生会社」は、住民に同程度の家賃の住居を紹介したり、不法移民の場合には支援団体につないだりと、「暮らし」にも目配りしている。

 ■払い下げ、街づくりに寄与 米の公的機関ランドバンク

 米国中西部から北東部に広がるラストベルト(さび付いた工業地帯)では、増えた空き家や空き地を公的機関がいったん引き取り、まちづくりのビジョンに沿って近隣住民に払い下げたり、あえて開発を抑制したりする取り組みが始まっている。

 米デトロイト市は産業の空洞化で人口が急減。街には朽ちた空き家が点在し、「差し押さえ」を通告する紙が貼られた家も。だが、市北西部のブライトムア地区の一部では、空き家を解体し、都市農園などで再活用する動きが広がる。

 ブリタニー・ブラッドさん(26)は4年前、長く放置されていた9区画を市の外郭機関である「デトロイト・ランドバンク」から購入。不法投棄物を撤去し、仲間と野菜などを栽培する農園に再生させた。

 ブラッドさんは、放置空き家などと隣接する土地の所有者であれば、1区画100ドル(約1万円)と格安で払い下げるランドバンクの仕組みを活用した。行政側にとっては、草刈りなど維持管理費がかからなくなり、資産税も納められるようになるため、格安で払い下げてもメリットがある。

 米国では2007年ごろ深刻化したサブプライム(低所得者向け)ローン問題後、空き家が大量発生。連邦政府は空き家解体などに使える巨額の助成金を創設し、全米で100以上あるランドバンクはその受け皿にもなっている。ランドバンクは、税滞納で行政が差し押さえた物件を権利関係を整理したうえで無償で取得でき、保有しても資産税の支払いは免除される。

 物件仲介のみならず、まちのビジョンに沿った土地利用を促し、「虫食い」開発を防いでもいる。フリント市は13年、今後20年を見据えた土地利用計画を作成。将来緑地化する地域には原則住宅を建てられないようにしたり、緑が多い居住地に商業施設の進出を認めないようにしたりした。

 ■日本、国レベルの対応後手

 日本の「負動産」問題はじわじわと深刻化している。有識者による所有者不明土地問題研究会(座長・増田寛也元総務相)の推計では、所有者不明になった土地の総面積はすでに九州より広い約410万ヘクタールに達する。道路の拡幅を妨げたり、防災工事に着手できなかったりする「実害」も目立ち始めている。

 国土交通省の推計では築30年超の分譲マンションは今後20年で約3倍の528万戸に増える。日本のマンションは、修繕積み立てや建て替えなどの意思決定は区分所有するオーナーたちの合意のもとに行われ、行政が介入する仕組みはない。このため、老朽化対策を決められないまま「負動産化」を止められなくなる事態が懸念されている。

 空き家の解体を促したり、近隣住民に無償で譲ったりする取り組みは自治体・地域レベルでは始まっているが、政府レベルの対応は後手に回っている。

 政府は今年度から、自治体の要請に応じて相続人一覧図をつくったり、長い期間放置されている土地の相続登記をする際の登録免許税を一部免除したりする。だが、コルシカ島のように、増えた所有者を整理し、解消に向かわせる抜本的な対策は手つかずのまま。米ランドバンクのように、まちづくりのビジョンに沿って不動産を再利用する試みも広がりを欠く。

 独協大の小柳春一郎教授(不動産法)は「所有者不明地問題などを解決できる『特効薬』はない。省庁の枠組みを超えた取り組みを国全体として進めていくことが必要だ」と指摘する。

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