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zoom RSS 「職場熱中症」の増加が止まらない理由、対策は5月から!

<<   作成日時 : 2018/05/18 18:58   >>

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熱中症といえば、真夏の症状と考えていないだろうか。5月でも真夏のような暑い日があり、体も暑さに順応していないのでリスクが高い。厚生労働省は昨年に続き、今年も5月1日から「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施に踏み切っており、予防対策の徹底が必要だ。

● 熱中症シーズン 幕開けは5月から

 気温の変動がやけに激しい。

 「4月なのに真夏並み」「5月なのに3月並み」など、衣替えのしようがない状況が続いている。4月30日には北海道で30度以上の真夏日を記録し、9日には日光で雪が降った。

 「まだ暑さに身体が慣れてない時期なので、熱中症に一層のご注意を」

 テレビもネットも新聞も呼びかけているが、こうも上がったり下がったりが激しいと、慣れる間がないうちに真夏になってしまうかもしれない。

 「慣れる」とはつまり「順応する」こと。

 これはものすごく大事で、昨年の東京都のデータを見ると、7月に31.2度を記録した日は126人、33.6度の日は142人が熱中症で救急搬送されたが、8月後半の32.5度の日には74人、9月頭の32.3度の日にはわずか3人しか救急搬送されていない。もちろん、気温以外の要素も絡んでいるのだろうが、順応が関係していることは間違いないだろう。ちなみに5月は、26度をちょっと上回っただけで29人が搬送されている。

 では、今年はどうか。

 今月8日、総務省消防庁は4月30日から5月6日の1週間における熱中症搬送人数が358人(速報値)であったと発表した。今年分はこの週分から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数は同値の358人(速報値)となっている。

 気になって、昨年の5月の数値も見てみると、全国における熱中症による救急搬送人員数は3401 人で、その前年の2016年5月の救急搬送人員数2788 人と比べると613人も増えていた。

 「5月中旬以降、マラソン大会や運動会の練習などの屋外イベントで、多数の救急搬送事案が見られました」と消防庁。

 実はずいぶん前から、5月の晴れた日は、「爽やかな初夏の陽気」ではなく「季節を先取りした夏日もしくは真夏日」になるのが当たり前になっている。

 そして日本体育協会は「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2013)のなかで、気温24〜28度は、熱中症による死亡事故が発生する可能性があり、市民マラソンなどでは24度以下でも熱中症が発生するので注意、と書いている。

 ところが相変わらず、マラソンも運動会も5月開催が多い。「危険を承知で敢行!」するなら、それなりの対策がとられているはずだが、どうだろう。単に、「これまでもこの時期に開催してきたから今さら変えられない」的な理由なら、やめていただきたいと思う。

 日本の5月は今や、運動に適したシーズンではない。5月もはや中旬だが、晴れの日があればあるほど、熱中症による救急搬送人数は増えるだろう。

● 対策したのに 職場の死傷者数が減らない

 厚生労働省は昨年、職場での熱中症による死亡災害ゼロを目指し、5月1日〜9月30日の期間、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施。事業場における責任体制の確立を含めた熱中症予防対策の徹底を図った。

 背景には、過去10年間(2007〜2016年)の職場での熱中症による死亡者数および4日以上休業した業務上疾病者の数を足した死傷者数が、2010年の656人をピークに、その後も400〜500人程度で推移していたことが挙げられる。一昨年の死亡者数は12人と前年に比べて17人減少したが、死傷者数は462人で依然として高止まりの状態にあった。

果たして、効果はあったのか?

 残念ながら、去る2月28日に厚労省が公表した「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(速報値)では、熱中症による死傷者数は2017年も増加していた。死亡者数は16人で前年(12人)と比較して4人増加、死傷者数も前年の462人から528人に66人も増えていたのである。

 過去5年間(2013年〜2017年)の業種別の熱中症の死傷者数を見ると、建設業が最も多く、次いで製造業で多く発生しており、全体の5割弱がこれらの業種に集中している。また3位以下は運送業、商業、警備業と続く。

 発生状況を月別で見ると、全体の9割弱が7月および8月に発生。時間帯別では11時台および14〜16時台が多い。日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化し、病院へ搬送されるケースも散見されるという。

 また16年における死亡災害の発生状況を見ると、いずれのケースでも、“暑さ指数”であるWBGT値〔Wet-Bulb Glob Temperature:湿球黒球温度;気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う〕の測定を行っていなかった上に、「計画的な熱への順化期間が設定されていない」「事業者による水分および塩分の準備がなされていない」「健康診断が行われていない」など、基本的な対策がとられていなかったことがわかった。

 さらに、17年の振り返りでは、事業所がWBGT計を準備していないために、「作業環境の把握や作業計画の変更ができていない」「熱中症を発症した労働者の発見や救急搬送が遅れた」などの例が見られた。

 ちなみに昨年の死亡災害の事例には、以下のようなものが挙げられている。

 ◎土木工事業 30代 男性

 被災者は災害発生当日午前8時から、伐採された木等の運搬作業を、気温30℃を超える屋外において行った。適宜休憩をとっていたが、作業終了後の午後4時頃に被災者が倒れているところを発見された。日陰で安静にさせたが、嘔吐と痙攣を起こしたため、救急車で病院に搬送された。その後、死亡が確認された。
※WBGT値は30.7℃

 ◎鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 40代 男性

 被災者は災害発生当日午前9時から気温30℃を超える状況でコンクリート打設作業にかかる左官工事を開始した。午後4時30分頃、被災者が屋上の作業場で倒れている状態で発見され、救急車で病院に搬送されたが、正午頃に死亡が確認された。
※WBGT値は28.8℃

 ◎警備業 40代 男性

 被災者は災害発生当日、個人住宅の上水道引き込み工事現場において、道路誘導員として現場に入場していた。午前10時頃から体調が悪化し、呼びかけにも答えられないような状況となった。その後救急搬送されたが、4日後に死亡が確認された。
※WBGT値は30.5℃

● キャンペーンは焼け石に水 根本的な働き方改革が必要

 さて、前述の結果を受けて厚労省は、「職場における熱中症対策がまだ十分に浸透していなかったと考えられ、熱中症予防対策の徹底を図ることが必要である」として、今年も5月1日から「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施に踏み切った。

 キャンペーンでは、職場における熱中症予防対策の浸透を図るとともに、重篤な災害を防ぐために、事業所におけるWBGT値の把握や緊急時の連絡体制の整備などを特に重点的に実施し、改めて職場における熱中症予防対策の徹底を目指す。

 …というのだが、効果は出るのだろうか?

 下の表をご覧いただきたい。

 『身体作業強度などに応じたWBGT基準値』

 (厚生労働省報道発表資料)

 WBGT基準値は、既往症がない健康な青年男性を基準に、曝露(ばくろ)されてもほとんどの者が有害な影響を受けないレベルに相当するものとして設定されている。25℃未満が注意、25〜28℃が警戒、28〜31℃が厳重警戒、31℃以上が危険とされる。

 2017年7月の東京におけるWBGT値はほぼ30℃超え。142人が搬送された8月9日は33.6℃を記録していた。つまり、WBGT的には「安静」が基本。まして「重労働なんてとんでもない」環境だったということになる。日本の夏は、戸外で働ける環境ではないのだ。

 むろん、厚労省的には「働くな」とは言えないだろうし、7月〜8月の日中における労働が禁止されたら、日本経済は立ち行かなくなるのかもしれない。だが、いかにも焼け石に水のクールワークキャンペーンでは、職場の熱中症による死傷災害が減るとは全然思えない。

 気候が劇的に変化している現代、暑さに合わせた働き方改革がもっと真剣に論じられてもいいのではないだろうか。

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