大分県内で65歳以上の高齢者による犯罪が目立ってきていることが、県警のまとめでわかった。 犯罪発生数自体の減少が目立つ中、刑法犯全体の摘発者のうち高齢者が占める割合は4分の1を超えた。 さらに万引きに限ると、その割合は半数に迫る。再犯者に占める高齢者の割合も増加。 生活苦とともにモラルの低下も背景にあるとみられる。 2月中旬、大分市内のスーパーで70代の無職女性が万引き容疑で逮捕された。 盗んだのは163円の焼きイモ1個。女性は年金生活者で財布には現金も入っていた。 調べに対し、「お金を払うのがもったいなかった」と話した。 県警刑事企画課によると、県内の2017年の刑法犯摘発者数は1516人。 08年の2116人から減少傾向が続いている。一方、このうちの高齢者の割合は08年の 14・1%から増え続け、17年には26%と倍近くになった。 刑法犯の約6割を占める窃盗犯(900人)では、高齢者が33・8%で08年から15ポイント増。 その中で最も多い万引き(530人)では、高齢者が47・5%と半数近くを占め、08年の26・9%から大幅に増えた。 全国平均の39・5%も大きく上回る。 また、犯罪を繰り返す再犯者のうちの高齢者の割合も増加している。17年は687人中180人で26・2%。 08年の13・9%から倍増となった。 万引きをした高齢者220人を対象にした県警の調査(13年〜14年)では、生活形態は「年金生活」が 147人(66・8%)で最も多かった。「生活保護受給者」「就労者」が各31人(14・1%)で続く。 年収は「50万〜100万円」が79人(35・9%)で最多で、次いで「100万〜200万円」が76人(34・5%)と 比較的低い人が多い。ただ、全体の9割以上は「借金なし」だった。 犯行場所は身近なスーパーやドラッグストアなどが7割を占め、被害品は食料が多い。 動機では「所持金はあるが、こんな商品に遣いたくなかった」が110人(50%)で最多。 「万引きくらい大した犯罪ではないと考えていた」も23人(10・5%)いて、犯罪を軽く考えている様子もうかがえる。 一方で、「生活が苦しく少しでも節約したかった」が32人(14・5%)、「所持金が足りなかった」も24人(10・9%)で、 経済的な理由も少なくはない。県警生活安全企画課の担当者は「年金暮らしで節約している中、 お金を遣いたくないという思いが万引きをしてしまう根本にある」と話している。 |
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