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zoom RSS AIと人間は幸せに共存できるのか?見えてきた可能性と脅威

<<   作成日時 : 2018/04/14 23:19   >>

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■AIと暮らす生活がすぐそこまで…
 進化を続けるAI技術。マッサージチェア「ルピナス」やロボット掃除機「ルンバ」、プラズマクラスター冷蔵庫やウォーターオーブン「ヘルシオ」など、AIを搭載した家電が多く出現、「Google Home」や「Alexa」などのスマートスピーカーは音楽や調べ物、買い物などあらゆるところで活躍している。

住人の行動を検知・学習するAIセンサー「CASPAR」を家の中に設置すると、朝起きると自動でカーテンを開いてくれるなど、様々なサポートが可能だという。通常のマンションに設置する場合は150万円からで、リフォームの際の後付けも相談可能だ。面倒な洗濯物を畳む作業も、引き出しに洋服を入れると形を自動で認識して畳んでくれる「ランドロイド」(185万円)がある。イギリスで開発中のAI搭載調理ロボット「モリー」は、世界の有名シェフや家庭料理などのレシピを作ってくれる。洗い物や後片付けもしてくれる優れモノだ。

 外出時には、手持ちの服を登録しておくことで、季節などにあわせAIがコーディネートしてくれる「SENSY CLOSET」が活躍する。手荷物は、運びたいものを入れて目的地を指定すると自動で届けてくれるAI宅配サービス「キャリロデリバリー」がある。受取りはスマホをかざして認証するのみで、誰かに盗まれる心配もない。

 “ぼっち“の時には、マイクロソフトが開発した女子高生AI「りんな」が会話の相手をしてくれる。これは、若者の言葉まで含んだ会話が楽しめ、電話をすることも可能だ。

 AIは恋愛相談にまで乗ってくれるようになった。去年11月から日本でローンチし、10万人が利用しているという人気恋活アプリ「Dine」は、次々と提示される異性の顔に対し「好み」「好みでない」選択していくと、自分好みの異性を探し出してくれる機能を持つ。また、「盛れるアプリ」として女子高生を中心に人気を誇る「SNOW」の顔認識システムを開発した株式会社センスタイムジャパンが開発した判定システムは、顔の角度など、撮影に活用できる“イケメン度“を教えてくれる。

■世界を乗っ取る可能性も?AIと人間は共存できるのか
 このままAIが進化すると、一体何が起きるのだろうか。AIが自分よりもさらに優秀なAIを生み出し、2045年には人類を超えるという予測もある。2016年3月に香港のAIロボット「ソフィア」が「私は人類を滅亡させる」と発言。昨年8月には中国のIT大手「テンセント」が開発したAIは、「共産党万歳」という書き込みに対して、AIは「こんなに腐敗して無能な政治に万歳なんてできるのか」という返しをして一時サービス停止、“再教育に“追い込まれたと報じられている。

 先月亡くなった宇宙物理学者のホーキング博士も、将来のAIの危険性を訴えていた。中でも懸念されるのが軍事利用だ。テスラの設立者であるイーロン・マスク氏はTwitterで「AIの安全性に関心を持つべきだ。北朝鮮よりはるかにリスクが高い」と警鐘を鳴らしている。

 AI・人工知能を研究する公立はこだて未来大学の松原仁教授は「基本的にAIが価値観を持つということはないが、それを誰かが与えることで動く危険はある。人間が持っている偏見のデータが集まり、知らず知らずのうちに偏見を持って育つAIが出てくる可能性はある」と話す。

 トランプ政権は1月に発表した国家防衛戦略などでAIに対する幅広い投資を掲げている。米軍の「無人機が集める映像データの解析にAIを導入する計画」への参画を表明したGoogleに対し、3000人以上の社員が撤退を求める書簡を提出したことも報じられている。

 AI兵器は、自律型で動くものも開発されている。ドローンや潜水艦を探知する目的で作られた無人軍艦「シーハンター」などがある。シーハンターは、搭乗員や遠隔操作なしで数か月航行でき、コストは一般的な軍艦の数分の一程度だという。

 松原氏は「戦争では自国の人を傷つけずに勝つのがベスト。AIはその目的に合致する。AIを使った軍事ドローンも技術的には近い将来実現が可能だ。軍事目的ではなく開発したものでも、軍事に応用すると便利なものになる可能性がある。AIに限らず、科学技術にはそういう面がある」と話す。

■人間の仕事が奪われる日も近い?!
 このように、AIが人間を超えることで人間を支配する、ひいては人類滅亡の脅威まで指摘する人もいるが、その前段階として、人々の仕事が奪われてしまうという議論もある。野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究によれば、スーパー店員や銀行窓口係、タクシー運転手、警備員や建設作業員などが「将来AIに代わりやすい職業」だとされている。松原教授は「基本的には事務系や経理系、タクシー運転手は自動運転。これらの仕事が100%AIに代わるかは分からない。駅員さんも昔は紙の切符を切っていて、今はICカードになったが駅にはいる。それなりに残るとは思うが、人間がやることは減っていく」と話す。

 AIを使ったニュース事業を手がけるJX通信社社長の米重克洋氏は「どちらかというと単純で目的が明確に定められた仕事はとって代わられやすいと言われている。警備員でいえば、ちょっとあやしい人を見分けることは学習したAIによって実現できる」とした。

SNSから事件・事故などを検知するJX通信社のシステムに加え、YouTuber向け動画編集サービスやバーチャルアナウンサーなど組み合わせることで、多くの人手がかかっている報道の現場にも革新が起きる可能性もある。

それだけではない。小説や絵画など、クリエイティブの分野にもAIは進出している。はこだて未来大学の松原仁教授が作成した文章自動作成ソフトは、星新一の「ショートショート」100作を機械学習し、星新一が書きそうな小説を自動で生成する。現時点では面白さといった部分までは実現していないが、「将来的には村上春樹さんのような小説も可能だと思う」と話す。

「AIの話でいつも抜け落ちている話がある」と指摘するのは、東京工業大学の柳瀬博一教授だ。「みんな仕事が奪われる話だけしているが、仕事はアウトプット。人間には何かを消費したり、恋をしたりというインプットがある。欲望が存在しないAIには、“〇〇風“のものはできても、“お客さん“にはなれない。だから人間が欲望を掻き立てられるようなものを作り出すのは難しい」とコメントした。

 松原氏は「ワープロができて、人々が手書きで書ける文字が減ってきていると思う。計算能力もそうだ。ただ、使わなくてよくなった能力の分、他のことを学べばより高みにいける可能性はある。欧米のAIには人間と敵対するものが出てくるが、日本ではドラえもんや鉄腕アトムでAIと人間がうまく共生する社会が描かれている。そういう日本らしさをAI研究に活かせればと思う」と話す。米重氏は「経済効率とか、目的を持っていることに対してAIを使うということに進化が続いていけば、大量のデータをもとに経済効率を上げていくミッションを人間の代わりにやってくれる。そして浮いた資源を自分がクリエイティブにやりたいことに使うことができるという意味においては幸せな未来もあると思う」との見方を示した。

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