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zoom RSS 大杉漣の背中を見続けた松重豊「初共演の経験が指針」30年経て「バイプレイヤーズ」は“寄港地”

<<   作成日時 : 2018/02/14 21:59   >>

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◇大杉漣×松重豊対談(下)

 俳優の大杉漣(66)と松重豊(55)は、名脇役たちが再び本人役で共演するテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」(水曜後9・54、全5話)のメンバー。松重の映画デビュー作「地獄の警備員」(1992年公開、監督黒沢清)で初共演して以来、約30年の付き合いになる。松重にとって、大杉は“恩人”。「今、こうやって映画や映像の仕事をしているのは、やっぱりあの経験が指針になっているのは間違いないですよね」と先輩の背中を追い掛けてきた。名バイプレイヤー対談から浮かび上がる演技論、俳優論、生き方とは――。

 約1年ぶりの復活となり、深夜(金曜深夜0・12)の40分枠からプライム帯(午後7〜11時)の1時間枠に昇格。昨年1〜3月に放送された前作「〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」に続き、大杉、松重、遠藤憲一(56)田口トモロヲ(60)光石研(56)が出演。寺島進(54)はスケジュールが合わず、今作は休む。

 前回は、6人が共同生活を送る“おじさんだらけのテラスハウス”として話題に。今回は、テレ東制作の朝ドラ「しまっこさん」で共演することになった5人がロケ地を間違えて無人島に流れ着き、サバイバル生活を送るというストーリー。

 ――お二人の初共演はいつになりますか?

 【松重】僕は映画デビューで、大杉さんと初共演したんですよ。黒沢清監督の「地獄の警備員」(※1)。弱冠27歳で主演に抜擢していただきましたが、その時、とにかくもう映画のことは何も分かりませんでした。大杉さんは転形(劇場)(※2)のスターで、僕ら演劇人(※3)からすれば、演劇から映画という道をつくってくれた先輩。そして、その先輩が現場の空気をつくっていらっしゃるんですよ。僕みたいに右も左も分からない者は緊張している中、大杉さんは今でもそうですが、全然偉ぶることなく、本当に自然体で現場にいて、分け隔てなくキャストにもスタッフにもエキストラさんにも接するので、その空気が作品にいい影響を及ぼしている。そういう大杉さんの姿を見て、僕は映画の世界も演劇とは違う楽しみ方ができると思いました。今、こうやって映画や映像の仕事をしているのは、やっぱりあの経験が指針になっているのは間違いないですよね。ここまで褒めちゃっていいですか(笑い)。

 【大杉】いやいやいや(照れ笑い)。

 【松重】本当に大杉さんがいたおかげ。ずっと背中を見続けていたので、この道を信じていけば、何とか僕も役者を続けていけるんじゃないかと思ったんですよね。演劇は家族を食わせていくのも、大変な世界だったりするので。今こうやって横並びでバイプレイヤーズと言われていますが、やっぱりリーダーはリーダー。27歳で僕がそういう経験をさせていただいたのは、大杉さんとの出会いがあったから。これだけで1冊の本が書けますよね。

 ――当時、大杉さんは松重さんに対して、どのような印象をお持ちでしたか?

 【大杉】初対面にもかかわらず、なんでしょうか、以前から知っていたかのような感覚がありましたね。共に舞台の世界から来ているということもあると思いますが、彼とはこれからも長い付き合いになりそうだと思いました(笑い)。“現場での姿”がとてもいいんですよ。俳優としての佇まいというか、演じている時も普段も非常に品位がある方だと感じました。それは昨日今日のものじゃなく、やはり<松重豊>が持っているものだと思います。ご本人を前にして言うのも照れますが(笑い)。

 【松重】黒沢監督も独特の演出をされる人でしたが、大杉さんも本当にいろいろなアイデアを持ち込んでいらした。僕は右も左も分からず、監督に演出されるままでしたが、こんなに俳優部から発信していいんだと。大杉さんのアイデアに対して、黒沢監督は「はい、やってください」と言って、編集でバッサリ切る(笑い)(※4)。こういうことが基本的にあるんだなと。俳優はいろいろなアイデアを持ち込んで、監督は要らないものはバッサリ切るっていう。「バイプレイヤーズ」のアドリブも、たぶんそういうこと。延長線上にありますよね。

 【大杉】なるほど、なるほど。僕らはそれを(アドリブを含め)やり続けるだけですからね。

 【松重】僕らはこういうアイデアがあるよ、こういうやり取りができるよということを監督に提出して、あとは好きに切っていただければ。そういうことを楽しめるか、どうか。僕は大杉さんと黒沢組にいる時の現場で勉強しました。

 ――約30年のお付き合いになります。

 【大杉】早いもんですよね。30年って!凄く長い付き合いだと思うんですが、ずっと同じ作品を踏んでいなくても、バイプレの皆さんとは共にこの時代を過ごしている感覚はあります。今となってはもう、僕が松ちゃんの背中を見ているかもしれない(笑い)。しかし、今またこうして出会えて、「バイプレイヤーズ」のような作品ができている嬉しさ面白さを痛感しています。昨日今日じゃない、長い時間が経ち、たどり着いた寄港地みたいな作品なんですかね。

 【松重】27歳の時、僕は大杉さんの背中を見て、映像の中で生きる俳優の在り方を学びました。その若者が今55歳になって、大杉さんみたいに…と思っていたことが確信に変わっているわけじゃないですか。そして、大杉さんは60半ばになっても、全く変わらない(笑い)。この揺るぎないユルさね(笑い)。

 【大杉】ハッハッハッ。ハッハッハ。(腹を抱えて笑う)

 【松重】何かもっとね、大杉さんが仙人の域に達していただければ、僕らもやりやすいんですが。あの時と全く変わらないんですよ。

 【大杉】いやあ、さらにフラフラしている(笑い)(※5)。

 【松重】それも30代なら仕方ないと思うんですが(笑い)、今、もっと若くなっちゃっているかなというぐらい(若い)。(名脇役の)皆さんとは、だいたい若い頃に会っているんですが、ブレていないんだなと。若い頃はそれほど売れてはいなかったですが、芝居の楽しみ方、芝居のルールや方程式だとか、若い頃からちゃんとできているので、改めてこの歳で再確認しているというところ。

 【大杉】俳優っていうのは、日々どういうふうに過ごしているか、つまり、その人の生き方が凄く反映される仕事。不器用ながらも生きてきたんだなという実感はあります。バイプレの皆さんとは、敬意を持ちつつ肩肘張らず、付き合いができる。普段仕事が終わったら、すぐに家に帰るんですが、家に帰りたくない人たちばっかりなので。そういう関係は、なかなかのもんですね。

 【松重】テレビで実名をさらして、こうやって「バイプレイヤーズ」をやるということは今の生き様があぶり出されると思います。そこは残酷ですが、そこで勝負していくんだという感覚は、皆さんが持っていらっしゃるんじゃないですかね。

 =終わり=

 【※1】バブル期の総合商社・曙商事を舞台に、理由なき殺戮を繰り返す警備員の恐怖を描いたホラー。松重は過去に殺人を犯しながら、精神鑑定で無罪となった元力士の富士丸を演じた。大杉は絵画取引のために新設された12課の課長・久留米浩一を演じた。

 【※2】大杉の演技の原点は、演出家・太田省吾氏主宰の劇団「転形劇場」。1974年に入団してセリフがない「沈黙劇」という特殊なメソッドで基礎を築き、88年の解散後に映像作品に本格進出した。

 【※3】松重は大学卒業と同時に蜷川幸雄氏主宰の劇団「蜷川スタジオ」に入団した。

 【※4】昨年2月の「バイプレイヤーズ」クランクアップ時、インタビューに応じた大杉は黒沢監督のVシネマ「勝手にしやがれ!!」シリーズ(95〜96年)に出演した際のエピソードを明かし「その時は台本に書かれている以外のことを必ずやるというのをテーマにしました。その瞬間のリアリティーを感じていたいと思っていたので、その場で一番感じたことを瞬間的に表現できるかということに挑戦してみたかったんです。黒沢監督も、とてもおもしろがってくださったんですが、本編を見ると、ほとんど切られて(カットされて)いましたね。それは、僕にとっては嫌なことではありませんでした。僕は色を塗り続け、監督は色を消し続ける。そのせめぎ合いが楽しかったです」

 【※5】昨年2月の「バイプレイヤーズ」クランクアップ時、インタビューに応じた大杉は「65歳になっても、こんなにフワフワしていて、どこに所在があるのかも分からない。今まで自分の中で“これでよし”なんていう確信めいた答えがあったかどうか、分かりません。ただ、この年齢になっても、こうやって右往左往できる素晴らしさというのはあると思うんです。ウロウロすることは、そんなに悪いことでもないと思っているんですね。俳優の仕事というのは、そういうことが許されると言うと変かもしれませんが、そういうことを背負わなきゃいけない仕事だと思います」と心境。

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