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zoom RSS <無知の知 「てんかん」という現実>第1章 車社会とのはざまで(2) 亡き妻のため「真相を」

<<   作成日時 : 2018/02/12 15:00   >>

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仏壇の遺影の女性は、穏やかな笑みをたたえていた。「結局よく分からないまま、全てが終わっちゃうのかな?」。答えるはずもない妻の写真に向かって、夫(60)=藤枝市=は語り掛けた。2016年2月2日、勤務先の薬局に乗用車が突っ込んだ事故で、ともに働いていた妻=当時(54)=を失い、自身も骨盤を折る重傷を負った。あの一瞬は今も脳裏にこびり付いている。

 突然だった。けたたましい音とともに、店内でファイル整理をしていた身に衝撃が走った。直後に意識を失ったのか、それからのことは覚えていない。気が付いた時は、体を強打して立ち上がれなくなっていた。「お母さんは。みんなは」。さっきまで一緒だった妻と女性従業員2人の姿がない。安否も確認できないまま、駆け付けた救急車で病院に搬送された。

 妻の死は数日後、病床で聞いた。変わり果てたひつぎの中の妻との対面。2週間後には結婚30年を迎えるはずだった。料理好きでケーキやパンを作っては家族に振る舞っていた時の笑顔。薬のことを熱心に学び、丁寧な対応で客の信頼も厚かった妻は仕事面でも最高のパートナーだった。思い出がわっとよみがえった。「なんでこんな目に…」。涙が止めどなくあふれた。

 事故から1年2カ月ほどたって、静岡地検から捜査結果を聞かされた。運転していた元警備員の男性(66)は不起訴処分とのことだった。「ジスキネジアを発症し、足がしびれてブレーキを踏めなかった」。検察官が話す理由をぼんやり聞いた。妻の命を奪っておいて何の罪にも問われないのか―。どうしても納得できなかった。

 夫には検察官の言葉に気になる部分があった。「薬の副作用」。調べると、てんかんや三叉(さんさ)神経痛などの患者が服用する薬だった。「もしてんかんなら、医者や薬剤師から運転の危険性を説明されていたのでは」「やはり、てんかん発作を起こしたんじゃないのか」

 不起訴処分を覆す最後の手段は、検察審査会に不服を申し立てるしかない。正直、男性が有罪か無罪かはどうでもいい。妻の死の真相を知りたいだけだ。いちるの望みを託した検審の判断は17年10月下旬に出された。「不起訴不当」だった。

 事故原因が明かされる場すらないのでは、再発防止策を考えるきっかけも生まれないのではないのか。事故で世間に広がった、てんかんへの偏見もはびこり続けてしまう。あの日以来、つえが手放せなくなった夫は問い掛ける。

 「妻の死は何だったのだろう。再発防止につなげるためにも真相を公に出してほしい。二度と同じような事故が起きないために」

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