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zoom RSS "残業減なら給料増"元ブラック企業の革命

<<   作成日時 : 2018/01/11 09:00   >>

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■「3年前まで当社はブラック企業でした」

 白状しましょう。3年前まで当社はブラック企業でした。社員1人あたりの月平均残業時間は76時間。多い人は100時間近く残業していたのですから、紛れもないブラック企業です。妻から「そんなに働かせるなんてバカじゃないの」といわれたこともありましたが、当時の私は聞く耳をもっていませんでした。
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 そんな私が2015年度の経営計画発表会では、残業時間月45時間未満という目標を掲げたのです。最大の理由は時代の変化。変わり目は14年4月の消費税増税です。これを原資に公共事業が盛んになりました。少子高齢化による労働人口の減少も手伝い、労働市場は売り手有利の環境に。そうなると、退職者が出てもすぐに補充できないので、残った社員の負担は増えます。そんな彼らを残業で酷使したら、さらに辞めていく人が続出するのは必至。これでは組織がもちません。

 新卒者の会社選びの基準も変わりました。ゆとり世代の特徴なのでしょうが、「仕事が楽で給料が高い会社」よりも「仕事が楽で休みの多い会社」に人気が集まるようになってきたのです。

■残業が少ない社員には「ボーナス」

 月45時間以上の残業は法令違反という判決が相次いだことも、残業を減らそうという気持ちの後押しとなりました。法令違反の根拠は労働基準法第36条、いわゆるサブロク協定です。会社はこの協定を労働組合あるいは労働者の代表と結べば、社員に残業をさせることができますが、無制限というわけにはいきません。限度時間は月45時間と定められています。判決が出ているのですから、協定を守らず社員に訴えられたら会社は勝てないでしょう。つまり、社員を違法残業させることは会社にとってリスクなのです。

 しかし、月76時間あった残業を4割減の45時間未満に減らすのは、簡単ではありません。最初の難関は既存社員の抵抗です。ゆとり以前の社員にとって、残業代は形を変えた生活給にほかなりません。残業が減るのはうれしいが、収入が減ると毎日の生活に支障が出るから困るというのです。そこで、残業時間と勤務評価を連動させ、残業が少ない社員には賞与をたくさん出すようにしました。

 売り上げが下がらずに残業が減ったら、賞与を対前年比120%(パートは同200%)増として、最終的には残業をしない人のほうが、残業をして月々の残業代を稼ぐ人よりも年収が多くなるようにしたのです。それから、残業費の削減によって出た利益で、基本給もベースアップしました。いまでは、可処分所得が減ることを恐れて定時後も帰るに帰れないような社員はひとりもいません。

■なぜ全員にiPadを支給したのか

 ただし、残業を減らしてもその分業績が下がったら企業としては失格。生産性を上げる工夫も同時に行わなければ意味がありません。ちなみに、当社は14年3月の月間平均残業時間は57時間18分、これに対し16年7月は24時間41分と56.9%減ですが、売上高は123.8%アップしました。

 では、当社はどうやってそれを成し遂げたのか。まずやったのはIT化。社員、パート、アルバイトから内定者にいたるまで全員にiPadを支給しました。

 残業の原因のひとつに、Aさん→Bさん→Cさんという順番で進む仕事だと、Aさんが帰社するまでB、Cさんが作業にとりかかれないというのがありました。この場合、Aさんが定時後に戻ってきたら、B、Cさんは必然的に残業となります。ところが、AさんがiPadをもっていれば、外出先からデータや指示を送れるので、B、CさんはAさんの帰社を待たずに仕事を始めることができます。在庫も同じiPadで確認できるので、毎月末に3時間かかってやっていた棚卸しが、いまや30秒です。

 もちろんIT化には先行投資が必要ですが、タブレット端末が8万円だったとしても、それで月40時間の残業を減らせれば、わずか2カ月でもとがとれるのですから決して高くはありません。まだみんなが竹槍で戦っているときに、いち早く飛行機を手に入れて空から攻撃すれば簡単に勝てる。IT化というのは空中戦ができるようにするための道具なのです。

 それから、社員が残業をしたくてもできない環境にしました。そのひとつが全営業所に設置したネットワーク・カメラ。これは管理職なら誰でもiPadで見られるようになっているので、たとえ上司が出張中でも、残業しているとばれてしまいます。さらに、午後9時以降は社内のシステムにアクセスできなくなるようにもしました。

■残業を減らしたほうがトク

 するとパソコンを使う仕事を先にやって、午後9時以降に隠れてほかの仕事をやるという猛者が現れました。そこで、次は営業所の施錠が何時だったかというデータを、契約している警備会社から取り寄せてチェックし、さらに、月に1度の部門長会議で発表するようにしたところ、さすがに部門長の意識が変わり、各営業所が競うようにして、早く帰るようになりました。

 そして、最も効果的だったのが、部門を横断して改善を進める社内チームのひとつとして発足させた「早帰り推進チーム」の働きです。私は彼らに「売り上げは下がってもいいから残業時間を減らせ」というミッションを与えました。だが、彼らはそれを「数字を維持したまま残業時間を減らすのが自分たちの役割」だと解釈して、ここに紹介した以外にもさまざまな施策を考えてくれたのです。彼らの働きなくしては、これだけ早く早帰り文化が根付くことはなかったでしょう。

 私が最初に「売り上げは下がってもいい」といったのは、たとえそうであっても早く残業がない会社にしておいたほうが、長期的に見れば会社にとってメリットがあると考えたからです。そして、実際、残業撲滅に取り組み始めてから2年強で、人件費は1億5000万円減り、経常利益は2倍になりました。

 よく、自分の会社も残業を減らしたいのだがうまくいかないという社長がいますが、社長が先頭に立って「やれ」と強権を発動しないかぎりうまくはいきません。なぜなら、残業を減らすというのは会社に革命を起こすことだからです。改善では76時間を45時間にはできませんよ。

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