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zoom RSS 「二次元経済」とは何か? 中国ビリビリマクロリンク取材記

<<   作成日時 : 2017/08/04 21:49   >>

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<日本のニコニコ動画にインスパイアされて始まった中国の動画配信サイト「ビリビリ動画」。10万人を集客する、その年に1度の祭典「ビリビリマクロリンク」で見た新潮流の実態とは?>
中国には「二次元経済」という言葉がある。

中国IT業界の雄、テンセントの映画部門であるテンセントピクチャーズの程武CEOが2015年に提唱した概念で、「優秀なアニメ・マンガ原作(知的財産=Intellectual Property、IP)を育て、ゲーム、映画、文学など関連製品に広げ、流行文化を創り上げる」という内容だ。

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時価総額3兆香港ドル(約42兆円)を誇る巨大企業グループがアニメ、マンガとはなんともニッチな商売をしている......と思われるかもしれないが、不思議な話ではない。テンセントはQQや微信(ウィーチャット)というメッセンジャーアプリを筆頭に、さまざまな分野で支配的地位を築くITジャイアントだが、実はその収益の多くはゲームに由来している。

今年もスマホゲーム「王者栄耀」の大ヒットで時価総額を大きく伸ばした。むしろコンテンツを育て、ゲームに結びつけるのは彼らの本業なのだ。

ゲームという、今のIT業界で稼ぎ頭のサービスと関連しているという意味に加え、95後(1995年以降に生まれた若者)、00後(2000年代以降に生まれた若者)をいち早く取り込むという意味でも「二次元経済」は注目を集めている。

「二次元経済」において、テンセントと並び注目を集めるのがビリビリ動画だ。名前から見当がついた人がいるかもしれないが、日本のニコニコ動画にインスパイアされて始まった、中国の動画配信サイトである。ニコニコ動画から遅れること3年、2009年に開設された。

月間アクティブユーザー数では、百度(中国最大手検索エンジン)の愛奇芸、テンセントのテンセントビデオ、アリババの優酷土豆という中国ITジャイアント旗下のサイトには及ばないものの、それに次ぐ第二グループの中ではコアなユーザーがいること、ユーザーの大半が若者によって占められていること(平均年齢は20代前半)によって強烈な存在感を示している。

7月21日から23日にかけて、ビリビリ動画は年に1度の祭典「ビリビリマクロリンク」を上海で開催した。今回はその取材レポートをお届けしたい。

ビリビリマクロリンクとビリビリワールドで見たもの
今回が5回目となるビリビリマクロリンクだが、2013年の第1回は参加者わずか800人というファンミーティングからスタートしている。それが今年は延べ10万人を動員する巨大イベントに成長した。

メルセデス・ベンツ・アリーナ(もともとは上海万博会場として建設されたもの。中国最大規模のアリーナ)において、3日間連続でライブを開催。初日はボーカロイドによるコンサート(中国のボーカロイドがメインだが、日本からもIA(いあ)、モノクロームが出演した)。2日目は高橋洋子、宮野真守、三森すずこなど日本人歌手によるアニメソングライブ。そして3日目は、ビリビリで動画を公開する一般配信者とGARNiDELiA、大黒摩季、LiSAなどゲスト歌手によって構成された。3日目のコンサートのストリーミング配信では延べ600万人が視聴している。

また、メルセデス・ベンツ・アリーナに隣接する上海世博展覧館では「ビリビリワールド」が開催された。有名配信者やゲストによるミニライブやトークショーに加え、ゲーム体験コーナーがあり、ナイキ、テンセントマンガと有妖気(ともに中国の大手ウェブマンガ配信サイト)、そして日本のアニメイト(アニメグッズ販売店)などの企業ブースが並んだ。

目を引いたのは、アメリカの化粧品ブランド「メイベリンニューヨーク」のブース。コスプレイヤーのための化粧講座が人気を集めていた。アニメやマンガに由来する「二次元経済」とナイキ、メイベリンニューヨークではターゲット層が大きく異なるように思えるが、関係者によると若者層に絞ったブランディングができるという意味で、スポンサー案件の引き合いは多いという。

実際に会場を歩いた体感では、参加者の過半数は10代の若者たち。たんにイベントを楽しむだけではなく、コスプレをして自ら主体的に楽しむ人の姿も目立った。会場の一角には一般参加者が思い思いのパフォーマンスを見せるフリースタイルコーナーがあり、企業ブースをしのぐ盛り上がりを見せていた。

私が見学した時には、アイドルオタクたちが無数のサイリウムを持って(爪のようにサイリウムを持つため、バルログと言うらしい)いわゆる“オタ芸“を披露していた。応援する相手がいないのにひたすらオタ芸を披露するさまはやや異様ではあったが、会場、そして配信サイト上でも大盛り上がりとなった(各ブースやライブの模様はすべてビリビリ動画で配信された)。

日本のコミケ(コミックマーケット)やアイドル・イベントのような一般ユーザーが積極的に関わることで楽しみを見いだすというスタイルは、従来の中国では主流ではなかった。かつては制作者と消費者の間には大きな壁があったのだが、新世代の中国人たちは新たな楽しみ方を受け入れているようだ。

日本的文脈を受け継いだ中国発「二次元」コンテンツへ
ビリビリ動画が日本文化の影響を色濃く受けていることがおわかりいただけただろうか。ビリビリワールドの会場には他にも、コミケ名物の“自宅警備員や“JOJOのコスプレをしている人がおり、さらには中国でも人気の日本のスマホゲーム「Fate/Grand Ooder」のブースがあるなど一目瞭然だった。

とはいえ、ビリビリ動画には現在、中国人ユーザーによる「踊ってみた」「歌ってみた」(一般ユーザーが人気の曲を踊った/歌った動画をアップすること)や料理動画、ペット動画などもあり、ジャンルは拡散しつつある。ビリビリ動画によると、2016年の調査では全アップロード動画のうち68%はユーザー独自コンテンツだという。

もはやビリビリ動画は日本アニメを見るためだけのサイトではないわけだ。ビリビリ動画の陳睿董事長によると、日本アニメ・マンガは今も主流ジャンルではあるものの、ビリビリ動画上での再生回数だけを見れば中国国産アニメが上回っているという。

ビリビリ動画はたんに日本アニメの正規配信権を購入するだけではなく、2014年末には日本支社を設立。2015年以来、日本で21作品に出資している。うち4作品は制作委員会の幹事会社としての参加だ。現在の日本アニメ業界の好調は海外市場が牽引する部分が強く、ビリビリ動画もその一角を担ってきた。

それにもかかわらず、中国のコアなアニメファンからは子供向けと一蹴されている中国国産アニメのほうが再生回数は上だというのだ。

陳董事長は「実際、我々はすでに数十タイトルの中国国産アニメに投資している。ビリビリは今後、国産アニメファンにとって最も重視されるプラットフォームの1つとなるでしょう。中国国産アニメは現在台頭の最中にあると考えています。5年先、10年先の台頭の過程において、ビリビリが重要な役割を果たすことは間違いありません」とコメントしている。

「踊ってみた」や「料理」などのユーザーコンテンツにせよ、あるいは中国国産アニメにせよ、ビリビリ動画に投稿されている弾幕コメント(ニコニコ動画的な、画面上に重ねて表示されるコメント)には、日本的文脈から生み出された文化が息づいている。根源をたどれば日本由来であることは間違いないのだが、今やその枠を跳び越えつつあるようだ。

コンサートでも、私の前に座っていた観客は日本人歌手が歌っている時も中国人一般配信者が歌っている時も変わらず、サイリウムを振り乱しながら「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー!」と叫んでいた。

日本コンテンツにとどまらず広がっていく「二次元経済」を目の当たりにして、ニッチを超えた規模に達する可能性を強く感じた。一方、テンセントはすでに中国原作の小説・マンガを日本のスタジオでアニメ化するという新たな取り組みをも始めている。果たして日本企業は「二次元経済」の商機をつかむことができるのか。

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