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zoom RSS 「少年の顔」を報じて何の意味があるのか WBCの捕球騒動

<<   作成日時 : 2017/03/10 23:06   >>

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野球日本代表・侍ジャパンが熱い戦いを繰り広げている。野球の国・地域別対抗戦「第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」でキューバ、オーストラリアを下し、開幕2連勝。3月10日の中国戦を待たずに2次リーグ進出を決めた。TBS系列が放送した生中継はキューバ戦が平均22.2%、オーストラリア戦が平均21.2%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)と好視聴率をマーク。高い関心ぶりがうかがえる。

【米国でも捕球騒動!】

 さて、そのWBCの日本VS.キューバ戦(7日・東京ドーム)でハプニングが起こったことはすでにご存じの通り。1ー1の同点で迎えた4回二死二塁の場面で打席に立った1番・山田哲人内野手(ヤクルト)が左翼スタンドへ向け、弧を描くように大きな飛球を放った。勝ち越し2ランと思われたが、山田は二塁を回ったところで審判に止められてしまう。少年ファンが左翼席のフェンス越しからグラブを差し出し、スタンドインする直前に打球をダイレクトで捕球。この模様がビデオ映像によるリプレー検証でも確認されると審判団の協議の結果、二塁打となってしまった。

 少年ファンは“ナイスキャッチ”できてものすごく嬉しかったのだろう。その直後にボールを片手にしながら記念撮影した写真をTwitterに掲載したが、これが多くのネットユーザーたちの怒りを買い、大きな墓穴を掘る形になった。すぐさま写真を投稿した人物のアカウントは削除されたものの、時すでに遅しで写真はあっと言う間に拡散。少年ファンとおぼしき人物が某少年野球チームに在籍しているとの詳細な情報や写真、さらには現住所までもが「特定」として書き込まれた。

 捕球騒動が起きてからほんの数十分後の出来事だった。重大な罪を犯したわけでもあるまいし、さすがにこれはいくらなんでもやり過ぎだろう。明らかに面白おかしく個人情報まで暴くことは、まさに「サイバー暴力」だ。

●まるで国賊のように扱われてしまった

 少年ファンは球場警備員から厳重注意を受け、しばらくフードをかぶりながらスタンドでしょんぼりしていたという。もちろん捕球してしまったことはかばえないし、この行為が批判されること自体は仕方がない。しかし、その批判も「もう二度とするなよ」で打ち止めにし、いつまでも“祭り”状態にすることなく終わりにしなければいけなかった。しかも、この捕球騒動の後、侍ジャパンの打線が爆発して日本の勝利となったことで直接結果を左右せずに済んでいるのだ。

 それでもプライベートまでさらけ出され、まるで国賊のように扱われてしまった少年はさすがにかわいそうだ。おそらく今ごろ、自らのプライバシーをズタズタにされてしまった真相を知って事の重大性を痛感しているはず。そのショックは、きっと計り知れないものとなっているに違いない。しかも大の大人ならともかく、まだ未成年。少年である。たとえ騒動が鎮静化してもネットに残された情報はそう簡単に消えることはなく、彼の心中に取り返しのつかない“心の傷”が残ってしまうことも非常に心配だ。

 仮に情報が正しいのであれば、少年は純粋に野球が好きで少年野球チームに所属し、プロ野球選手たちに憧れを抱きながら仲間たちと地元のグラウンドでプレーしていたのだろう。今回の騒動がトラウマになってしまい、野球と距離を置くようになってしまったら非常に悲しいことだ。

 当の山田も、この少年に対して「またグラブを持って応援に来てほしい。野球を嫌いにならないでほしい」と報道陣を通じてメッセージを送っている。粋な計らいだ。

●米国でも捕球騒動が発生

 海の向こうのメジャーリーグでも、ファンの捕球騒動は何度か発生している。代表的なのは「スティーブ・バートマン事件」と呼ばれるものだ。騒動が起こったのは2003年10月14日、シカゴ・カブスとフロリダ・マーリンズの間で争われたナショナルリーグ優勝決定シリーズ第6戦。3ー0で迎えた8回一死二塁、三塁側観客席から手を伸ばした男性ファンがファウルフライの飛球を弾き落とす形となり、捕球体勢だったカブスの左翼手モイゼス・アルーのプレーを妨害した。

 捕球すれば二死となってカブスのリーグ制覇達成まで残り4つのアウトとなっていたはずが、このイニングはマーリンズに怒涛の8得点を奪われてまさかの逆転負け。しかも翌日の第7戦も敗れ、カブスは王手をかけながらリーグ制覇を逃した。

 アルーの邪飛捕球を妨害した男こそ、カブスが58年ぶりのワールドシリーズ進出を逃した戦犯だとして新聞、テレビの各メディアが男性の顔写真や映像などをさかんに報じたため、その身元がネット上でシカゴ郊外に住む26歳(当時)の青年、スティーブ・バートマン氏と特定されてしまった。

 この余波によってバートマン氏は嫌がらせを受けるようになったことで仕事を辞め、引っ越しを強いられるハメになっている。この騒動が当時大きな話題となり、バートマン氏にはさまざまなメディアから取材依頼があったものの本人はすべて断ったという。バートマン氏の近況は不明だが、「今は穏やかに生活している。ただし名前も変えて自分の過去と決別し、縁もゆかりもない場所で暮らさなければいけなくなってしまった」との情報もある。

●騒動を二度と繰り返さないように

 バートマン事件はメディアやネットによる過剰反応の結果“犠牲者”が生まれてしまったケースとして、米国では今も反面教師とされている。今もメジャーリーグの各球場では熱心なファンがスタンドに飛んできた打球を取りに行く光景が見られるが、米国の各メディアはバートマン事件のような騒動を二度と繰り返さないようにその心がけを徹底している。

 試合進行の妨げとなるようなファンの妨害行為が発生してしまった際、そのファンの顔を人権侵害につながる可能性があるとして極力映さない(写さない)ようにしている。メジャーリーグでは試合中、興奮の余りにスタンドからグラウンドにファンが乱入して来て中断したとしても、中継中のテレビ局はその模様を一切映さない。もちろん、それでもテレビ中継のライブ映像など処理できない場合が多々あってどうしても限界はある。必ずしも100%、それができないところに難しさもあるようだ。

 しかしながら日本のメディアは今回の騒動において、数社の新聞社が少年ファンの顔が判別できる写真を翌日発行の紙面で掲載していた。これはとても残念なことだ。メディアの対応を見ても、やはりまだまだ日本は米国に遅れている。

 今回発生した「WBC捕球騒動」は日本の報道のあり方、そしてネットによる中傷の恐ろしさについて再考すべき問題ではないだろうか。何らかの手立てで早急に整備を図らないと、今後も被害者は続出していく一方である。

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