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zoom RSS (Media Times)情報公開、後退の懸念 経産省の執務室、原則施錠

<<   作成日時 : 2017/03/02 20:44   >>

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 経済産業省が庁舎内の執務室を日中も原則施錠する運用を始めた。報道機関は「情報公開の後退につながる」と反発している。大半の中央省庁は玄関で訪問者の身元確認をしており、執務室には原則として鍵をかけないところも多い。閣僚などから経産省の対応を疑問視する声も上がっている。

 東京・霞が関の経産省庁舎。今ログイン前の続き週から各部署の扉に鍵がかけられ、職員もカードで解錠して入室している。民間の訪問者が扉の前の内線電話で職員を呼び出す姿も。ある部署に記者が電話で取材を申し込むと「執務室では受けられないので」と、庁舎内の食堂に案内された。

 施錠の発表は先月20日。「情報管理の必要性が高まるなか、行政の信頼性を確保するため、庁舎のセキュリティーレベルを強化する」。そんな理由が記された案内が配られた。

 翌21日、閣議後の記者会見で理由を聞かれた世耕弘成経産相は「企業情報や通商交渉に関する機微情報を扱っている。私が(大臣)就任当初から問題意識を持っていた」と説明した。だが、経産省職員からは「扉が開いているから情報が漏れたなんて聞いたことがない」という声も上がる。

 2月の日米首脳会談に先立ち、経産省も関わっていた日米経済協力の検討案を朝日新聞などが報じた。それがきっかけでは、という話も飛び交う。世耕氏は「個別案件とはまったく関係ない」とし「マスコミ対応が後退することはあってはならない」と繰り返す。

 経産省は施錠に伴って非公表の取材対応マニュアルも作り、職員に配った。朝日新聞が入手した内部資料によると「取材対応は管理職以上」で「対応場所は執務室外の会議スペース」とし、「メモ取り担当の職員を同席」させて「メモを広報室に登録(報告)」「自宅周辺でのアポなし取材は原則受けつけない」などと指示している。

 報道機関でつくる記者クラブ「経済産業記者会」は27日、「取材活動に重大な障害となり、情報公開の後退につながる」などとし、施錠やマニュアルの撤回を世耕氏に文書で要求した。

 これまでは取材相手の自席や執務室内で取材できた。電話で留守と告げられ、その部署に行ってみると職員がいて取材できた例も多い。

 世耕氏は28日の会見で、施錠は撤回しない考えを示し、マニュアルについては自身の関与を否定した。記者会は同日、改めて施錠の撤回と、マニュアルの作成経緯の説明などを求めた。(笹井継夫)

 ■他省庁、多くは施錠せず

 他省庁では、施錠していないところが多い。総務省や警察庁などが入る中央合同庁舎第2号館は、経産省と同規模の1日約3千人の訪問者があるが、警察庁警備局などをのぞき原則として鍵はかけていない。脱税を摘発する国税庁も「施錠はしていないが、情報管理は徹底している」(広報広聴室)としている。

 山本有二農林水産相は28日の会見で「施錠して閉鎖社会を作るようなイメージであるならば、もう少し検討を加える必要があるのかなと思います」と発言。山本公一環境相も「個人的には好ましいことだとは思っていない」と述べた。

 文部科学省元官房審議官の寺脇研さんは「節度ある緊張感を持って様々な人と付き合うのが官僚の仕事だ。純粋培養になるのは良くない」と訪問者を遠ざける経産省の対応に疑問を投げかける。「機密性の高いものは人目に触れるところに置かなければ良い。役人と記者はなれ合いでもなく、敵対でもない相互の信頼関係を結ぶべきだ」

 中央大学の松野良一教授(ジャーナリズム論)は「第三者の立ち会いや報告を求められれば、職員の自己規制が進む。情報管理が大事なことも理解できるが、役所に制御された情報しか出てこなくなれば政策決定過程が不透明になり不祥事も隠される。情報統制がやりやすい環境が整った感じがする」とし、国民の知る権利に悪影響を与えかねないと危惧する。「施錠の時間帯や、取材方法について双方が納得できるルールを作る必要があるのではないか」と話す。(田玉恵美)

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