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zoom RSS 留守児童7千万人、高齢者2億人 ロボット都市・深センが挑む中国の課題解決

<<   作成日時 : 2017/03/19 20:13   >>

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中国のシリコンバレーと呼ばれる都市をご存じだろうか。広東省に位置する副省級市・深センだ。



もともと、スマートフォン製造の一大拠点として世界にその名を知られることになった同地域は、現在、世界最大のドローン企業・DJIが本社を構えるドローンの都としても認知されて久しい。加えて近年では、次世代ハードウェア製品を開発する新興ベンチャー企業の拠点になりはじめている。

筆者は昨年11月、書籍「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則(扶桑社)」の執筆のため、同エリアを訪れる機会に恵まれた。

取材中、特に印象深かったのは、深センで働く若者たちの姿だった。訪問先のひとつなった新興ドローン企業・XIROのオフィスでは、300人ほどの若者たちが机をならべ、製品開発に熱心に従事していた。

「社内の主要メンバーは80年代後半生まれが多い」。案内を担当してくれた広報担当者は、そう社内事情を説明してくれた。

日本でいえば、「社員の大半が平成生まれ」という表現に置き換えることができるだろうか。ビジネスの最前線で、20〜30代の若者たちが主役として活躍している──。そんな様子は、「深センでは決して珍しくない」とも、その広報担当者は語った。

なお、深センの年代別人口構成比では、20〜30代が65%を占めると言われている。一方、65歳以上はわずか2%。おそろしく若い都市である。現在、深センの中心地では、高度な教育を受けられるオンライン大学や、インキュベーターなど教育施設が日を追うごとに増加しており、並行して、若者たちのビジネスを支援する投資環境も充実しはじめているという。

そんな中国の新時代をリードするイノベーションの都・深センで、ひと際注目を浴びている製品群がある。家庭用ロボットだ。深セン市ロボット協会・畢亜雷秘書長は、中国の事情について次のように説明する。

「深センなどを中心に、家庭用ロボットの開発企業が増えています。その主な理由のひとつに、高齢化問題への対応がある。中国では60歳以上の高齢者が、すでに2億人に達しているのですが、今も毎年800万人以上のペースで増え続けています。2020年までに2億5500万人、2030年には4億を超え、2050年には4億8000万人に達するとも言われています。しかしながら、そのときに高齢者を介護ができる年代層にはひとり子が多く、彼らは自分の子どもの世話や仕事で手一杯になってしまう。そのため、高齢者のパートナーとして家庭用ロボットのニーズが高まっているのです」

家庭用ロボットのニーズを支えるのは高齢化だけではない。畢秘書長は続ける。

「統計によると、中国には7000万人ほどの留守児童(都会へ働きに出た両親と離れて農村で暮らす児童)がいると言われており、親子のコミュニケーション不足が問題になっています。家庭用ロボットが児童の孤独感を減らし、情感を与え、同時に親の仕事と家庭の両立を手助けする。そういう未来像を実現するため、開発に拍車がかかっているのです」

家庭用ロボットの開発機運が高まっている
高齢者が2億人、留守番児童が7000万人──。想像を絶する膨大な人数だ。深センなどでは、中国全土が抱える社会的課題を解決するひとつの手段、そして莫大な需要をビジネスに繋げるテクノロジーとして、家庭用ロボットの開発機運が高まっていることになる。

なお専門的な区分では、家庭用ロボットはサービスロボットの一種となる。サービスロボットとは、工場以外、つまり社会空間全般において、人間を支援する目的でつくられたロボットを指す。

日本では、掃除用ロボット「ルンバ」や、コミュニケーション用ロボット「ペッパー」がすでに有名だが、今後、医療、介護・福祉、ヘルスケア、警備、受付・案内、荷物搬送、移動・作業支援、食品加工、物流、検査・メンテナンス、調理・接客、教育、防災、趣味などあらゆる領域で、サービスロボットの活用が期待されている。ビジネスとしても、世界的に大きな期待が集まる分野だ。

なお中国は、サービスロボットへの関心が高まる以前にすでに、世界一の産業用ロボット市場になって久しい。そこには、産業用ロボットの普及=工場の自動化を、国策で進めてきたという背景がある。

中国国内では、2014年に約5万7000台、2015年に約6万8000台の産業用ロボットが、それぞれ販売された。2015年には、全世界的に合計約24万8000台が販売されたが、中国はそのうち36%を占める販売規模となった。また、2016年には前年を大きく上回り、販売台数は約8万台に迫るとの分析もある。

「中国政府および企業が産業用ロボットの導入、そして工場の自動化を推し進める背景のひとつに、人件費の高騰があります。給与が上がり、雇用主側が求める条件で人材を求めることが難しくなった。その埋め合わせを、ロボットで行おうとしているのです」(前出、畢秘書長)

中国が、安価で豊富な労働力に満ちた国であるという逸話は、すでに昔話だ。現在、急激な賃金上昇による人手不足が深刻な中国企業は多い。

約10年前、中国南部で始まった労働力不足は、近年、東部沿岸都市部を経て徐々に内陸まで拡散している。特に熟練技能工の不足は深刻。中国人力資源・社会保障部が公表したところによると、13年時点で中国製造業の熟練技能工の不足人員は400万人にのぼるとの統計もある。中国政府、そして企業からすれば、産業用ロボット導入は人件費の上昇を解決するカギとなる。

欧米や日本のメディアは、「中国がロボット大国化するのは、まだまだ難しい」とそれぞれに評価している。工場の自動化のものさしとなる「ロボット密度(労働者1万人あたりの産業用ロボット普及台数)」が、2015年の段階で36台と、まだまだ日本(305台)や先進諸国に遠く及ばないというのが、その根拠のひとつとなる。だが、産業用ロボットの普及、そして工場の自動化を、国策として着々と進める中国の潜在力は、計り知れない部分が大きい。

一方、サービスロボット分野では、世界的なリーディング企業がほとんど存在しない。中国と先進諸国の間に、ビジネス的なひらきもほぼない。そればかりか、深センの実情でも明らかなように、中国は圧倒的な人材の数、資金の量、そしてスピードで、新しいロボットビジネスの芽を育てはじめている。

現在、世界のロボット市場の売上高のほとんどを占めるのは、産業用ロボット分野だ。ただし、今後はサービスロボットの市場規模が拡大。十数年の間に産業用ロボットのそれを上回るという見解が、世界各国のシンクタンクや専門機関の予想で一致している。

世界の評価が覆され、ロボット大国・中国が現れる日──。それは、僕らが考えているよりも、ずっと近い未来のことかもしれない。

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