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zoom RSS 【東京深夜0時、結婚しない女】仕事の出来るアネゴ、その心を埋めるのは? 広告代理店勤務・詩織

<<   作成日時 : 2017/02/26 20:13   >>

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東京に生きる、結婚しない女性のストーリー。今回の主人公は、大手広告代理店で働く春山詩織(36歳)。彼女が結婚しない理由とは?

☆☆☆

春山詩織が目を覚ましたベッドの中は、かすかに古いヌメ革のような匂いがした。家とは違うと感じたとき、寺山洋平の家にいることを思い出した。男の部屋というのは、なぜみな同じような匂いがするのだろうか。恋愛の記憶とこの匂いはいつもセットになっており、詩織は今まで付き合った男たちの顔が脳裏に浮かんだ。浮遊感ある寝心地の高級ベッドの中にもこの匂いがすることを不思議に思いつつ、再び眠りに引き込まそうになる。

枕元のiPhoneの画面を見ると、深夜0時。いつもなら宵の口だが、今日は違う。今朝は新宿の老舗デパート前に6時集合で、クライアントであるジュエリーブランドの販促イベントに立ち会ったからだ。

このカップル向けのイベントの企画を考えたのは、詩織だった。リングを試着してブース内で撮影し、キャンペーンサイトにアップすると、本人たちの似顔絵がアニメーションになり、ふたりがキスするというものだ。このアニメは、人気イラストレーターが手がけ、サイトから写真SNSのInstagramに飛ばせる。瞬く間に拡散し、仕込んでいたインスタグラマー、や、人気モデルたちから一気に広がった。デパートには人が溢れ、交通整理の警備員が増員された。整理券を配布しても、2時間待ちの大盛況となり、Instagramをジャックした。今、ハッシュタグを追うと、早くも10万件になっている。

詩織は、例年このブランドの販促に関わってきた。数年前から、法的に結婚し結婚指輪を買うであろう男女しか対象にしていないことに、疑問を感じるようになった。だから今年、詩織はLGBTのカップルまでを考え企画を練った。男と男、女と女、他人に対して恋愛や性的な感情を抱かない無性愛同士のパートナー……イベントの行列写真からも、シンプルな愛情が伝わってきてそれもまた、ネット上のニュースになった。

2日目も大盛況のまま、17時で終了。そこで、年は同じだが会社では2年後輩の洋平と近くのバルに行き、クラフトビールで乾杯した。18時から20時まで飲み続け、ビール4杯とワイン1本を空にした。

すっかり眠くなって帰ろうとした詩織に、洋平は“僕の家、近いんですよ。飲みなおしませんか?”と誘ってきた。いつもなら断わるのだが、2日にわたって2000組以上の幸せなカップルを見て、気持ちがフワフワしていた。それに、半年前に買ったばかりの中目黒のマンションに1人で帰るのもさみしい。

冴えないと思っていた後輩は、豪華なマンションに住んでいた
加えて洋平は去年に離婚し、今は独身だ。36歳独身の詩織は、恋愛感情がない異性に対しても、瞬時に相手がシングルかどうかを考えてしまう。2人でタクシーに乗ると、洋平は市ヶ谷にある地名を言った。そのときに、洋平が岡山県の地主のボンボンで、離婚したときに親にマンションを譲られたという社内の噂を思い出した。高台にあるそのマンションに着いたのは20時20分だった。

予想以上に築年数が浅い豪華なマンションに、詩織の胸はときめいた。大理石張りのエントランスには、コルビジュエの100万円以上する3人掛けのソファーのグランコンフォールが美しいローテーブルをはさんで向かい合っていた。

ダブルセキュリティーのタッチキーをかざし、エレベーターがやってくる。扉が閉まると、洋平の手は迷いなく最上階のボタンを押した。昨日までは契約社員から社員になった2年後輩の洋平を“中途採用男子”とバカにしていたが、総分譲のこのマンションを見てしまったら、恋に落ちずにはいられなかった。

洋平の家に入って、詩織は床に崩れ落ちるように……続編へ続きます。

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