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zoom RSS 過疎地に薬届けるドローン、今すぐできます厚労省

<<   作成日時 : 2016/12/09 21:30   >>

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私は福島県南相馬市で外科医をしている。

 先日、南相馬市の南隣に位置する浪江町の応急仮設診療所で診療をする機会があった。応急仮設診療所では、簡単な診療を行い、治療が必要な患者に対しては心ばかりの薬が処方できる。

 その日、お腹の不調を主訴に訪れた80代の男性は、南相馬市に避難していたが、11月1日から始まった準備宿泊で浪江町に5年半ぶりに戻ってきた。残念ながら彼に必要な薬のストックは診療所内になく、後日別の医療機関を受診するように助言した。

 彼は「今、僕たち年寄りに一番必要なのは医療だ」と言う。

■ 処方薬を求めて20キロの道のり

 しかし、一番近い保険診療を受けられる医療機関は約10キロ北にある南相馬市立小高病院、しかもそこで処方箋が交付されても処方を受け取れるのは約20キロ北にある南相馬市原町区内の薬局、現実はあまりにも非情だ。

 相馬・双葉地方は東日本大震災とそれに引き続く原子力災害で最も大きな影響を受けた地域だ。相馬地方で最も人口が多かった南相馬市でも、震災後高齢化が一気に進み、もともと7万人近くいた人口も一時的には1万人を割り、過疎化も深刻だ。

 最近では帰還困難地域に指定されていた地域の避難指示解除やそれに向けた準備宿泊が始まっているが、やはり5年以上人の手が入らなかった場所に戻る人は限られている。人口が少ないということは、商業や医療の復興はさらに遠い。

 医療は過疎や災害の影響を受けやすく、特に高齢化や移動手段への対策は日本全国で待たれている。南相馬市立総合病院では震災後、在宅診療科が設置され、年々その需要は増している。

 在宅診療を受ける家庭には、介護者が外に出かけることが難しい、移動の足がないなど、社会的な理由を抱える家も少なくない。診療に関しては我々医師による在宅診療や今後の遠隔診療が希望となっている。

 一方で、当院在宅診療科科長・根本剛医師によると「特に薬局から遠い地域や小高区の住民では、診療後の処方薬の受け渡しがネックになっている」と言う。

 遠隔診療が今後対面診療と同額診療報酬になるという政府の方針や在宅医療のより一層の普及に伴い、処方箋を交付されても処方薬が受け取れないという事例は増加することが予想される。

 このような状況で、私が高齢化・過疎化の著しい地域で活躍し得る新技術として注目しているのがドローンである。ドローンは最小限の人材で物品を運ぶ役割を担うことができる手段の1つだからだ。

 ドローンで個人宅に薬など医療機材を運ぶことができればこの問題は一気に解決できるかもしれない。

■ 海外では実用化始まる

 カナダでは、2013年のフィリピンの台風被災地や2015年のネパール大地震で現地被害状況の確認や子供たちの安否確認にドローンが活用された。米国やフランスでは大規模農場でドローンに積まれた高性能カメラで気候条件や農地の状態を把握し、農地に必要な肥料や水を判断することに利用されている。

 このように海外では、趣味での個人利用に始まり、警備、店舗での在庫管理から街頭広告を吊り下げる役割など、ドローンは幅広い分野で様々な役割を担っている。

 一方、日本では首相官邸にドローンが落下する事件があって以降、ドローンに対するネガティブなイメージが先行した。それでも建設や農業、マスメディアなどの多く分野でドローンが活用され始めている。

 しかし、世界的にみても医療への活用は今のところ限定的だ。私が医療論文を検索したところ、学術的にはドローンの医療への活用に関する論文は皆無だった。

 インターネット上では、海外でAED(自動体外式除細動器)や救急薬品を運ぶ試み、国内では過疎集落向けにまとめて定期薬を集落の集会所まで運ぶ実証実験が行われている、という記事はあったがそれが実運用されているかは定かではない。

 ドローンによる宅配事業は現在非常に注目されている運送技術で今後の医療へも応用が広がっていくだろう。

 その背景には運送業の人材難とともに、コスト削減にも結びつく可能性の高さがある。

先日、福島県による福島浜通りロボット実証区域にある南相馬市では、その活動の一貫として宅配ドローンによる実証実験を行うことを決めた、というニュースが流れた。

 過疎地での宅配事業はドローンの得意とする分野であり、実際に使われるようになれば被災地・南相馬市が世界をリードするドローン活用都市の前例となる可能性がある。

 ドローンで処方薬といった医療物品を運搬することができれば、今後の地域医療のモデル事業にもなり得る。遠隔診療や在宅医療の未来へのヒントにもなるはずだ。

 しかし、現行の法制度の下では一筋縄ではいかない。薬事法では原則として、処方薬は薬剤師から患者に対して販売が義務づけられている。

■ 現実に合わなくなった規制

 しかし、現実に行なわれている薬剤指導は毎回画一的なもので、処方薬が変わらない場合には必須とは言えない。遠隔薬剤指導などを活用しながら、実臨床に見合った制度整備をしてもらいたい。

 前述した南相馬市で導入されるドローンを開発しているのは自律制御システム研究所の野波・千葉大学特別教授だ。

 野波教授は「技術的には薬を運ぶことでは今すぐにでも可能」と話す。南相馬市で導入されるドローンは、毎秒15メートルの風速に耐え、無人で重さ3キロ程度のものを20キロ程度離れた目的地まで運ぶことができるという。

 自宅で処方を待っている患者がおり、それを運ぶことができるという技術者がいるにもかかわらず、すぐに実現できない現実はもどかしい。

 南相馬市はドローンが新たな運送の担い手になることに好意的だし、当院の金澤幸夫院長も「現実的に協力する準備はできている」と言っている。科学技術の発展は目覚ましい。その時その時の実情に見合った規制緩和を求めたい。

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