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zoom RSS ヒラリーに投票したトランプホテルの清掃係も!米国民の胸の内

<<   作成日時 : 2016/11/11 19:50   >>

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激戦を制して米国の新大統領に選ばれたドナルド・トランプ。その結果に世界が驚きに包まれた。なぜ米国民はトランプを選んだのか。背景には、報道されなかったサイレントマジョリティの投票行動もあった。現地で彼らの本音を聞く。(取材・文・撮影/ジャーナリスト 長野美穂)

● ヒラリー陣営の阿鼻叫喚 「米国民であることを恥じる」

 「ファック・ユー! 」

 ラスベガス在住のメアリー・ダンガン(61歳)は、ドナルド・トランプが壇上で勝利スピーチを始めた瞬間、そう叫んだ。そして、巨大なスクリーンに映ったトランプの顔に向かい、思い切り中指を突き立てた。

 「ひどい言葉でごめんなさい。でも、こんな悪夢、絶対に我慢できない」

 ヒラリー・クリントンを大統領にするために、彼女はこの1年間、激戦地のネバダ州ラスベガス近郊の家々のドアをノックし、ヒラリー支援のフェイスブックページを立ち上げ、投票を呼びかけてきた。

 その甲斐あってか、ネバダ州では接戦の末、僅差でヒラリーが勝利を収めた。彼女を含め、ネバダ民主党のヒラリー陣営は、ヒラリーの当選を信じ、ホテルの宴会場で喜びの歓声を上げた。

 だが、16人の選挙人団を抱えるミシガンではヒラリーが劣勢。さらに選挙人団10人のウィスコンシンの結果もなかなか出ない。そしてついに「トランプ当選」のテロップが画面に流れた。

 「いま、生まれて初めて、自分がアメリカ国民であることを恥じている。空軍の兵士として、長年この国に命を捧げてきたのに、よりによってこの男が大統領になるなんて、情けなくて言葉が出ない」

 ヒラリーより8歳下のダンガンは、1970年代に米空軍に入隊し、どの部隊に配属されても女性は自分1人だけ、という状況に直面した。

 「女性だという理由で、様々な差別も受けてきた。だから、政治という男性中心の世界で差別をくぐり抜けてきたヒラリーには、何としてもこの国初の女性大統領になってほしかった」

 ミシガン、ウィスコンシンの他にニューハンプシャーなど大接戦の数州の開票結果が出る前に、クリントンがトランプに電話をかけて負けを認めたことも、ヒラリー陣営のボランティアたちを混乱させ、阿鼻叫喚に陥れていた。

 呆然とした表情で、ハイヒールを脱ぎ、裸足で泣きながらホテルの宴会場から走り去る若い女性。壁にもたれて肩をふるわせ、人目もはばからず号泣する男性。

 「これ、何かのジョークよね?  トランプの勝利スピーチが終わったら、ヒラリーがミシガンとウィスコンシンを取って、実はヒラリーが勝者だったってオチよね?  サタデー・ナイト・ライブのパロディみたいに」と叫ぶ大学生。

 多くの老若男女は、言葉なく立ち尽くし、または床に座り込み、トランプが壇上で笑う姿を呆然と見つめていた。

● 大激戦地ネバダでトランプ勝利は どのように受け止められたか? 

 ここで、大激戦地ネバダ州の投票日当日を振り返ってみよう。

 ラスベガスの「ストリップ」と呼ばれるカジノが密集した地域の外れに、トランプ所有のホテル「トランプ・インターナショナル・ラスベガス」がそびえている。

 64階建ての金色の建物。シャンデリアが輝くロビーに入ると売店があり、そこには「Make America Great Again」というスローガンが縫い込まれた帽子が並んでいる。ロビーには、白人、アジア系、黒人といった様々なお客が行き交う。車寄せに停めてあるネバダ州ライセンスのついたジープには、「TRUMP」と大きくロゴが描かれた青い旗が2本立てられ、巨大なトランプの写真ボードが立てかけられていた。

 「まだ昼間で酒も飲んでないのに、今日は最高にウキウキするよ。これで今夜トランプが当選したら、もう一晩中パーティーしちゃうぞ! 」

 車の持ち主の男性は、ホテルを訪れる観光客たちにそう語り、上機嫌でポーズを取り、写真を撮られていた。 

その時刻、同ホテルで客室清掃係として働くカーメン・ラルール(64歳)は、床に這いつくばって浴室を掃除していた。アルゼンチン出身の彼女は、同ホテルに勤続4年、現在の時給は14ドル80セントだ。ラスベガスの労働組合に加入している他のホテルワーカーたちより、約3ドル低い時給だ。

 「うちのホテルのオーナーのミスター・トランプは、私たちを二流市民として不当に扱っています。私がユニオン(労組)のバッチを胸につけていたら、いきなりクビにされたんです」と彼女は語る。

 ラスベガスのトランプホテルの従業員たち約500人は、労働条件の改善を目指し、昨年労組を結成した。ネバダのホテルやカジノの5万7000人の従業員を代表する労働組合「Culinary Union 226」の広報を務めるベサニー・カーンによれば、同ホテルのオーナーであるトランプは、労組の結成を阻止しようと、ユニフォームに労組のバッチをつけていた彼女ら5人を脅し、解雇したという。

 その後、国の労働監督機関が介入。ラルールらは職を取り返したが、トランプが労組との交渉に応じないため、彼女を含む500人の従業員たち全員の給与は、いまも安く抑えられ、組合員なら無料で使える医療保険も使えず、企業年金もない。トランプホテルの従業員のうち、約7割が女性で、中南米からのヒスパニック系移民が圧倒的に多い。

● トランプホテルで働きながらも ヒラリーに投票した女性の勇気

 「ミスター・トランプは私たちのボスで、私は彼のホテルを清掃するために一所懸命に働くけれど、私の1票は彼のものではありません。組合を保護すると約束したヒラリーに、仲間たちと一緒に投票してきました」

 以前はトランプからの報復を恐れて自分の主張を口にできなかったが、一度解雇されてから、たとえ大統領候補であっても法律で保証された労組結成の権利を阻止することはできない、と気持ちを切り替えた。

 「今後、正当な契約を勝ち取るまで闘い続けます」

 投票日の夜、仕事と投票を終えて労組本部に足を運んだ彼女。カフェテリアに設置されたテレビの中継でクリントン当確の州が発表されるたび、同じトランプホテルの同僚たちと飛び上がって喜んだ。組合が用意したマリアッチの生バンドの演奏で、陽気なラテン音楽に乗り、身体をスイングさせる。

 ラルールのように、ホテルやカジノ業界で働く移民たちが、ラスベガスを中心に、ネバダ州全域のヒスパニック系の民主党候補への投票率を押し上げてきた。ミドルクラスが消滅しつつある現在の米国。昔のように、強力な労働組合に守られた職場は少数だ。

● トランプが大統領になれば 労組を潰して従業員を追い出すはず

 ラスベガスのステーキハウスとカジノでウェイターとして働くパトリック・アンドリーン(61歳)は、43年間強力な労組の組合員として働き続けてきた、ラッキーなケースだ。

 「自分のホテルの職員を脅して低賃金で働かせてリッチになったトランプ。彼が大統領になれば、米国中の職場の労組を潰し、組合員を職場から追いだそうとするはず。うちのステーキハウスでも、ウェイターや厨房のスタッフは1人残らずヒラリーに投票したよ」

 さらに、激戦地ネバダには、全米各地からヒラリー陣営の応援に労組の組合員が「助っ人」として送り込まれていた。カリフォルニア州から投票日の10日前にネバダ入りし、ラスベガス近郊で1日に150件以上の家やアパートを回り、ヒラリーへの投票を直接呼びかけてきたのが、ミゲル・ロドリゲス(35歳)だ。

 彼はロサンゼルスのロヨラ大学のコックとして10年間働いてきた労働組合員だ。糖尿病の合併症で痛む左足を引きずりながらもネバダにやってきたのは、車を運転できない老人や、ベビーシッターがいないため子どもを預けて投票に行けないシングルの親たちを、自分の車で投票所まで連れて行くためでもあった。

 「3人の子どもがいるシングルマザーが、初めて会った僕を信頼してくれ、幼い子どもたちを僕に託して投票してくれたときは、ほっとしたよ。普通、見ず知らずの男に子どもを預けるなんて、怖くてできないのに」

 「ヒラリーが得られるはずの1票を決して無駄にしたくない」という彼には、メキシコから移民してきた両親がいる。そんな彼が忘れられないトランプの言葉がある。

 「『黄色いスクールバスをグリーンバスとして使おう』とトランプは言った。グリーンバスというのは、米国政府がメキシコに違法移民を強制送還する際に使うバスの色なんだ」

 ヒスパニック系の多くのネバダ州民がヒラリーに投票する中、フタを開けてみれば、州民の多くがトランプに投票していた。

● 「まったく応援する気になれない」 それでもトランプに投票した理由

 ラスベガスから車で40分ほど離れたボルダーシティに住むマラヤ・エバンズ(50歳)は、トランプに投票した1人だ。彼女は赤と青のトランプTシャツを着て「Make America Great Again」の帽子を被るような熱狂的なトランプ支持者ではない。オレンジとピンク色のスカーフを頭に巻き、カラフルなシャツに身を包んだ彼女は、服装だけ見れば、一見おしゃれなヒッピー風に見える。

 そして開口一番、こう言った。

 「ドナルド・トランプを神か救世主のように盲目的に崇めているトランプ支持者がいるけど、私にはその気持ちが全く理解できない。彼らはどうかしてると思う」

 それでもトランプに投票し、自宅の庭にはトランプサインを立てた。

 「ボルダーシティ共和党女性の会」の会長を努める彼女は、もともと共和党のテッド・クルーズ候補の保守派路線を支持していた。トランプが予備戦でテッド・クルーズの父親がケネディ大統領暗殺に関係していたという内容の発言をしたときは、驚き呆れ「この男、何を言っているんだ」と絶句した。

 テッド・クルーズは共和党党大会でも、最後までトランプを支援することはなかった。「そりゃ、自分の父親が大統領暗殺に関わっていたかのように語られたら、そんな人間と一生涯絶交して当然でしょうよ」と彼女は言う。それでもトランプに投票するのに、迷いは一切なかった。

 「クルーズが撤退した以上、共和党の候補者としてトランプしか選択肢はない。長年政治に関わっていれば、妥協の仕方も学ぶ。政治家は神でも親友でもない。自分たちが通したい政策を通せる候補か否か、それだけだから」

 彼女はトランプTシャツなどは一切身につけないが、トランプ陣営の資金づくりには最小の労力で最大の集金効果を得られる方法で貢献してきた。ヒラリーがトランプ支持者たちを差して「a basket of deplorables」(嘆かわしく恥ずべき人々)と呼んだのが話題になったのをヒントに、「I am an adorable deplorable」(私は愛すべき恥ずべき人間です)という言葉を印刷したバッチをつくった。1つ2ドルで売り出したところ、トランプ支持者たちに飛ぶように売れ、瞬く間に500ドル集まった。

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