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zoom RSS 群集からメルケル批判が噴出した統一記念式典

<<   作成日時 : 2016/11/02 20:55   >>

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難民問題で支持低迷 アフリカ訪問も不発
 10月3日は、東西ドイツ統一記念日で祭日。26周年記念に当たる今年の記念式典は、元東独のドレスデンでおこなわれた。

 「難民を受け入れられないような人々がいる国は、私の国ではない」と言い切り、昨年から上限無しの難民受け入れ政策を展開しているメルケル首相に対する一般市民の不満の声が直接ぶつけられた。
 
 ドレスデンの街の中心にあるフラウエン教会での記念礼拝のあと、700メートル離れたエルベ川沿いのセンパー・オペラハウスで各政治家要人たちのスピーチが行われた。メルケル首相たちは当初、徒歩移動の予定だったが、反対派の抗議が非常に強く、急遽バスで移動となった。
 
 昨年から大量に流れ込む難民数の把握すらままらならない。9月には、メルケル首相自身、「難民政策に誤りがあったようだ。時間を戻せることができるのならば、やりなおしたいところだが・・・」と、記者会見を行ってはいる。
 
 しかし、相次ぐテロ、難民たちによる犯罪、増大する治安維持にかかる警備予算と難民への生活費予算など、同首相が、政策の方向転換を考え始めたとしても、現状は、けっして楽観視できない。難民のドイツ社会への融合も難しい。

 これらの問題に直面する一般市民からは、「メルケル、やめろ!」「メルケルは、私たちの首相ではない!」との声、非難の口笛が、10月3日のドレスデンに殺到した。
 
 ドレスデンが首都のザクセン州は、極右翼ネオナチが散在し、「西欧のイスラム化に反対する欧州愛国主義者」(PEGIDA)の動きの発祥地。最近では、難民収容施設に火炎瓶が投げつけられたり、右翼と難民の衝突が頻繁に起きており、治安が非常に不安定になっている。
 
 全面的に難民受け入れ方針をとるドイツの緑の党メンバーで、ドイツ連邦議会の副議長のクラウディア・ロートが、式典会場に入ろうとした際には、反対派の人波みが彼女にのしかかろうとし、警備員たちが彼女を保護しなければならない一コマもあった。

「ドイツの首都は?」 「ヨーロッパ!」
 難民受け入れ政策の詳細については、既に多くの報道がなされているが、英国のガーディアン紙は10月初旬、欧州連合(EU)がアフガニスタンからの難民を母国へ送還する方針を準備中と報じた。アフガニスタンのGDPの約90%は、経済援助とみられている(統計数値には、EU内の資料に差があるが、アフガニスタンのGDPの大半が経済援助ということではほぼ一致している)。
 
 EUは難民数の第2位を占める出身国アフガニスタン政府に対し、アフガン難民送還を受け入れなければ、経済援助を止めるとの圧力をかけている。EUの統計資料では、2015年には、アフガニスタンから19万6170人が、難民認定申請を提出している。アフガニスタン人と一口にいっても、アフガニスタン領土以外に、イラン・パキスタンに暮らしている人々もいる。出身国を振り分け、故郷とおもわれるアフガニスタンに送還する今後の作業は、容易ではない。
 
 一方、2016年3月3日付の機密扱いのEUのアフガニスタンに関する資料を英国ジャーナリストが入手した。アフガニスタン(イラン・パキスタンにいるアフガン人の地域も含め)の政情が非常に不安定であるため、該当地域からの難民が引き続き流入するリスクがある、今後も受け入れ準備が必要と記されていた。同じEU内の難民政策に関するいくつかの書類にも矛盾があることが、明らかになってきている。
 
 メルケル首相は、アフリカからの経済難民問題に重きをおき、そもそもの原因を直視し対策を用意するべきと、10月9日から足掛け3日間、アフリカを訪問した。経済難民が流出しているマリ・ニジェール・エチオピアの3カ国だ。
 
 メルケル首相は訪問中、「砂漠横断やゴムボートで地中海をさまよい、危険な道のりをのりこえて欧州に来るが、欧州への間違った期待と希望だ。自国できちんと自立した生活を営むことが重要」とアピールした。ドイツ政府および民間企業によるアフリカでの雇用促進、インフラ整備、若者への職業訓練学校の増設、飢饉をなくす農業技術の導入、飲料水の確保等の支援政策と援助基金を公約した。
 
 しかし、ドイツの開発援助でできたニジェールの学校で、「ドイツの首都は、どこか知っていますね」との首相の問いに、生徒がベルリンではなく「ヨーロッパ!」と答えた瞬間には、ショックを受けていた。ドイツで賛否両論のアフリカ開発援助政策について、いかに効果がでていないかを目の当たりにし、大変戸惑った模様である。

正確に把握できない難民コスト
 ドイツの一般市民、他のEU加盟国は、メルケル首相の今回のアフリカ訪問には、非常に懐疑的だ。賄賂が横行するアフリカで、今後さらに欧州からの支援が横領され、結局はアフリカ現地の人々の従来の素朴な仕事、流通経路を破壊し、ますます、困窮に貶める、と見ている。
 
 同首相は、帰国に先立ち、2017年アジスアベバで予定されているアフリカ会議で、「欧州のパートナー アフリカ大陸」をテーマにアフリカの重要性に対する意識を高める意向を示した。だが、今回ドイツに対し資金援助を要求して断られたニジェールは、ドイツの援助方針と受け入れ側の希望がマッチしないと明らかにフラストレーションを示している。マリ、エチオピアでの反応も決して、前向きではなかった。

 EUが一体となって対処することが非常に難しくなってきている難民問題。ドイツ内務省は、2016年10月現在までに、ドイツ国内に流入した難民認定申請者数は、21万3000人で、明かに、減少傾向にあると発表している。
 
 だが、ドイツを含む欧州への難民流入が続いていることは事実である。ドイツ国内に滞在する難民たちの医療、生活費用も、いまだ正確に把握できないほどの莫大な金額になってきている。ドイツの各経済研究所は分析見通しやデータ集計に追われている。現実を把握していないメルケル首相への不信感が高まっている。

■シュヴァルツアー節子(在ミュンヘン・ジャーナリスト)
慶応大経済卒、外務省専門職として在英国大使館勤務、オックスフォード大学留学。ドイツでの日系企業勤務を経て、大手新聞の助手など務める

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