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zoom RSS EURO珍事。敗者を気づかうアイスランドサポーターがいい人すぎる

<<   作成日時 : 2016/07/11 00:44   >>

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 1カ月にわたり熱戦が繰り広げられてきたユーロも、いよいよ大詰めを迎えようとしている。開幕前にはテロの危険が心配されたが、いざ大会が始まると、フーリガンという思わぬ敵が問題となってしまった。

 グループB第1戦イングランド対ロシアの会場となったマルセイユでは、大会開幕前日から両国のフーリガンによる衝突が起こった。騒ぎは当日になっても収まらず、試合後にはスタジアム内でロシアのフーリガンによる暴動が発生。マルセイユ警察の発表によれば、一連の騒動で少なくとも35人が負傷し、うち4人が重体。8人の逮捕者が出ることになった。UEFAはロシアサッカー協会に対し、同様の問題を起こした場合には大会から追放するという警告を行なった。

 さらに、グループC第1戦ドイツ対ウクライナの会場となったリールでは、ドイツのネオナチ集団によるウクライナ人ファン襲撃が発生。またグループD第2戦チェコ対クロアチアでは、クロアチア人フーリガンがピッチ内に発煙筒を投げ込み試合が中断するなど、一部の観客による過激な行動が話題を集めた。

 ただ、その後は運営側が警備を強化し、騒ぎは次第に収まっていった。現地を訪れた各国の人々は、この祭典を大いに楽しんでいた。中でも印象的だった国のファンを紹介したい。

 今大会、最も明るい話題を振りまいてくれたのがアイルランドのファンだろう。とにかく陽気なアイルランド人は各地で友好的な振る舞いを見せ、その様子はSNSを通じて世界中に広められ、多くの賛辞を浴びた。

 電車内に小さな子どもがいたため、騒ぐのをやめて子守唄を歌ったり、現地でゴミ拾いをしたり。「フランス警察のために立ち上がろう!」と歌って、「フランス警察のために早く(ホテルに)帰ってくれ」と返されたり、バンバン叩いてしまった車に修理費として窓から現金を詰め込もうとしたり。現地のフランス人女性を百人近くで囲んで「君から目が離せないよ!」と歌うひと幕も。彼らの残したエピソードは枚挙にいとまがない。

 対戦国のサポーターや住民と陽気に交流するその姿勢はパリ市長からも評価され、そのスポーツマンシップが称えられて勲章が贈られることになった。

 ラウンド16の行なわれたリヨンでアイルランド人たちに遭遇した。カメラを持ってインタビュー取材をお願いしようとすると、わらわらと他のファンが寄ってきてしまい、取材にならないくらいだったのだが、人柄のよさはすぐに伝わってきた。

 スタジアムのゲート前では、フランス人の女の子がアイルランド人ファンに、記念撮影をお願いしていた。だがどうもそのおとなしい様子に満足できなかったのか、「もっとクレイジーな感じでお願いできる?」と注文。すると彼らは「俺たちはそういう感じじゃないんだよね」と言いながらも、「Yeah!!!!!!!」といきなり叫び始め、しっかり要求に応じてあげていた。

この大会では新たなフットボールアンセムが生まれた。北アイルランド人FWウィル・グリッグの応援歌である『Will Griggs’s on Fire』だ。実はウィル・グリッグは今大会の出場はなく、北アイルランドにとってそれほど重要な選手ではなかったのだが、そんな選手の応援歌が爆発的なヒットになった。

 ことのきっかけは大会前の5月。グリッグの所属するウィガン(イングランド2部)のサポーターが、90年代にイタリア人歌手ガラが歌ったテクノソング『Freed from Desire』に「グリッグは燃えている。お前たちのディフェンスは恐れているんだ」という歌詞を乗せて応援チャントにし、動画サイトにアップしたことだった。そのキャッチーなメロディとシンプルな歌詞が人気を博して一気に北アイルランド人ファンに広まると、いまや各国のファンが歌うようになり、UKチャートトップ10入りという快挙を成し遂げるに至った。

 出場のなかったグリッグだが、自分を歌ったチャントが爆発的なヒットになったことを喜んでいるようだ。グループリーグ第3戦ドイツ戦前の記者会見では、記者からドイツ代表DFマッツ・フンメルスに「グリッグは燃えているんだが、君たちのDFは彼を恐れているかい?」という質問が飛んだことがきっかけで、試合後にはフンメルスからユニフォームの交換を求められたという。

 そのドイツ戦に敗れた後、北アイルランドのファンたちは試合が終わってもスタジアムに残り、『Will Grigg’s on Fire』を歌い続けた。グループCの3位に終わった北アイルランドは、他組の結果によってはこれが最後の試合になる可能性があったため、ファンたちは別れを惜しんだのかもしれない。結局、彼らはラウンド16に駒を進め、ウェールズに敗れて大会を去ることになったが、サッカー界に貴重なアンセムを残してくれた。

 とにかく数が多かったのはドイツ人だ。グループリーグの会場となったリールとパリは、ドイツ西部から陸路で4時間程度ということもあり、ドイツ人ファンが大挙して押しかけた。

 電車でリールに到着すると、あちこちからドイツ語が聞こえてきて、まるでドイツにやってきたのかのよう。中心部へ向かう道も、見渡す限りドイツの白いユニフォームをまとったファンが闊歩しており、リールはドイツ人に「制圧」されていた。

 そしてドイツ人はフランスでもドイツ人だった。ドイツでは基本的にバスやトラムといった公共交通機関は車内での飲食が禁じられているが、サッカーやビールフェストなどのイベント時にはアルコール類が黙認されている。そのローカルルールをフランスにも持ち込み、車内でどんちゃん騒ぎをする様子は、ブンデスリーガのそれとほとんど変わらなかった。

ブンデスリーガと違っていたのはファンの年齢層。これは各国のファンにも言える傾向だが、チケットの料金が高く、フランスまでの旅費を含めるとそれなりの出費になるため、10代や20代の若者ファンは比較的少なく、30代以上がメインだった。

 イングランド人の数も多かった。ラウンド16の会場となったニースはリゾート地ということもあって、チケットを持たないファンも多く駆けつけ、ファンゾーン内でも多くのイングランド人が試合を見守った。

 そしてアイスランドの前にまさかの敗退を喫すると、みんな茫然自失。敗戦のショックを受け入れられないのか、スタジアムから海岸沿いのバス停までシャトルバスで戻ってくると、ガックリ腰を落とし、コートダジュールにはうなだれたイングランド人ファンが並ぶ白い線ができていた。

 今大会で最大のサプライズを起こしたアイスランドのファンも印象的だった。初出場ながらベスト8進出を果たしたアイスランドは、人口約30万人のうち1割に当たる3万人のファンがフランスを訪れたとされている。ラウンド16の会場となったニースにも多くのアイスランド人ファンが駆けつけた。

 そのほとんどが代表チームの青いユニフォームを身につけていたが、その背番号は様々だった。通常、ファンのレプリカシャツは、チームの中心選手に人気が集中するもの。しかし、アイスランドのファンにはそれぞれにお気に入り選手がおり、代表選手23人が等しくサポートを受けているようだった。DFカリ・アルナソンからは、「来ているファンの半分くらいが知り合い」というコメントが飛び出した。セミプロを含めサッカー選手が400人しかいない国ゆえのことなのかもしれない。

 イングランドに歴史的な勝利を挙げたアイスランド人ファンは、スタジアムでひととおり喜び終えると、シャトルバスで市内に戻り、そのまま静かに宿泊先へ帰っていった。欧州のサッカーファンは、勝っても負けても試合後にスタジアム外でバカ騒ぎをすることが珍しくない。ましてや初のベスト8進出を決めたとなればなおさらだ。

 だが彼らは、街行く人々から次々と祝福の言葉を掛けられても、静かに、誇らしそうにそれに応えるだけで決して大騒ぎはしない。

「スタジアムで喜んだし、もう夜も遅い。それにイングランドの人たちが落ち込んでいる前であんまり喜べないよ」と、あるファンは語っていた。欧州サッカーファンの常識を覆すアイスランド人ファンの慎ましさは、非常に新鮮だった。

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